9・27〜28第20回コミュニティ・ユニオン全国交流集会
  闘って社会的影響力高め

 九月二七〜二八日の両日、第20回コミュニティ・ユニオン全国交流集会が千葉県の幕張で開催された。今年のテーマは、「ディーセントワーク(尊厳ある労働)への挑戦」であった。全国からコミュニティ・ユニオン59団体、四〇〇人以上の仲間たちが結集した。
 二七日午後一時から開かれた全体集会では、主催者の挨拶に続いて、連合の龍井さん(非正規センター所長)、自治労の合田さん、社民党の福島党首が来賓の挨拶に立った。それぞれコミュニティ・ユニオン(地域ユニオン)の活動を評価し、連帯することを表明した。
 集会は続いて記念講演に入り、日本労働弁護団の宮里邦夫会長が、本集会のテーマ「ディーセントワークへの挑戦」をテーマに講演した。宮里会長は非正規雇用が増加し、人間的な労働が破壊されている一方で、正規雇用の過労死・過労自殺が増加している現実の中で、労使関係にノーユニオン化が進んでいること。労働法制は労働者の主体的な権利意識がなければ活用できないし、逆にたたかいが権利を拡大していくことを強調した。「一人が万人のために、万人は一人のために」の原点から運動をつくることを訴えた。
 集会はここで分科会に別れた。今年の交流集会は一日目に分科会を設定して、分科会での討論に時間をとった。分科会は14の課題に分かれて、それぞれ三時間にわたって討論された。
 一日目の夜はレセプションとなり、首都圏ネットのメンバーが用意したごちそうをバイキング方式でいただいた。恒例により、食事の後では北から南へ各ブロック毎に全国各地のユニオンが一つひとつ紹介された。
 翌二八日は、分科会の報告と、特別報告として兵庫・尼崎市役所の五人の派遣労働者がストライキをたたかって直接雇用をたたかい取った報告が行なわれた。
 その後、コミュニティ・ユニオン全国ネットワークの総会が行なわれ、08年の活動報告、09年の活動方針が提案され、拍手で確認された。全国ネットワークの09年の運営委員は世代交代を見込んで若干の入れ替えはあったが、基本的には前年を引き継ぐ形で承認された。来年の交流集会は北海道の十勝で行なうことが決定された。
折りしも厚生労働省は交流集会前日の二六日、全国の労働局に通達を出した。09年3月、多くの製造業で派遣期間三年目になる派遣労働者がたくさん生まれる。派遣労働は三年過ぎると直接雇用などに切り替えなければならない。各企業は脱法行為として、今使っている派遣労働者を四カ月以上期間工として直接雇用に切り替え、その後再び派遣労働者として使用することをたくらんでいる。厚労省の二六日の通達は、それを違法行為として取り締まることを指示したものだ。
 コミュニティ・ユニオンは、尼崎市役所のたたかいで直接雇用を実現した。大阪・茨木の松下プラズマディスプレイのたたかいでも、偽装請負を無効とし直接雇用を命じる判決をかちとった。名古屋のたたかいでは、四重派遣で苦しんでいた労働者が、最終派遣先企業の雇用責任を明らかにする判決をかちとった。
たたかいがあってこそ、はじめて権利が確立される。コミュニティ・ユニオンの全国のたたかいが、二六日の厚労省の通達を出させたと言っても言い過ぎにはならないだろう。宮里弁護士が労使関係のノーユニオン化を指摘しているが、非正規労働者の職場でユニオン化をどんどん進めて、権利をかちとっていかねばならない。コミュニティ・ユニオンには、いま勢いがある。どんどん拡大して、来年の十勝の交流集会ではもっと多くの実りを確認し合いたい。(地域ユニオンS)

東京9・17
 全国各地で日朝ピョンヤン宣言6周年集会
   宣言実行できる政権を

 歴史的な日朝ピョンヤン宣言から六周年を迎えたこの九月、日韓民衆連帯全国ネットワーク(日韓ネット)が呼びかけ、東京・首都圏の市民諸団体や在日団体が参加する「制裁を解除し、日朝正常化早期実現へ! 9・17キャンペーン」(9・17キャンペーン)主催の「日朝ピョンヤン宣言6周年集会」が九月十三日、百数十名が参加して東京・文京区民センターで開催された。
六者協議を通じて昨年来、米朝関係の一定の進展が進み、またその停滞も現われるなか、2000年6・15宣言、2007年10・4宣言という南北間の歴史的和解事業に対する最近の韓国イ・ミョンバク政権による後退が懸念される現況ともなっている。こうした情勢の中、日本の市民の力で日朝国交正常化を早期に実現しようと、この夏から9・17キャンペーンが呼びかけて、池袋をはじめ都内主要駅頭で各月の十七日に、日朝ピョンヤン宣言の北東アジアにおける平和実現の歴史的意義を訴える情宣活動を行なってきた。その中間的集約の集会として、6周年集会が開催されたのである。
集会は、主催者あいさつでは日韓ネット共同代表の渡辺健樹さんが、65年締結の日韓条約における日本側の朝鮮併合をあくまで合法とする問題点を指摘し、日朝ピョンヤン宣言に基づく正常化を速やかに実現し、朝鮮半島の非核化のもと日朝・朝米の平和体制への移行を行なうべきと述べた。
つづいて講演が、元参議院議員で、朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会代表の清水澄子さんから「八月訪朝報告と日朝正常化の課題」という演題で行なわれ、次のように述べた。「創建(分断)60周年」をどのように向かえようとしているかを見極めようと訪朝した。対米軍事強化と食糧危機でこの十年は苦難の行軍であった。いま日朝関係は最悪の状態にある。正常化のためにも、制裁解除の声をあげていこう。
同胞法律・生活センターのキム・トンハクさんからは、入管法の改悪策動として、IC在留カードの導入など在日朝鮮・韓国人を標的とした攻撃を日本政府は狙っている、と報告および提起が行なわれた。
休憩をはさんで、ノレの会の歌唱指導が行なわれた。「リムジンガン(イムジン河)」はその指導の下、参加者全員の合唱となった。このあと韓国シチズン精密労組の訪日遠征闘争団からのアピールが予定されていたが、前日までの果敢な闘争の結果、雇用が確保され、一定の勝利を得る労使合意が行なわれたので帰国しており、遠征闘争団からのメッセージが紹介された。このあと、VAWW―NETジャパン共同代表の西野留美子さん、東北アジアに非核・平和の確立を!日朝国交正常化を求める連絡会事務局長の石坂浩一さん、許すな!憲法改悪・市民連絡会の高田健さん、以上からそれぞれの立場を踏まえて、日朝国交正常化早期実現の必要性が提起された。
閉会のあいさつとして韓統連事務局長のソン・セイルさんから、昨年の10・4宣言に踏まえ、10・26「統一・平和・和解」集会を行なうことが訴えられ、9・17キャンペーン行動へ引き続き参加・行動することも訴えられた。
なお大阪では、九月十七日に「対立から平和へ、この機をのがすな!今こそ日朝国交正常化を!日朝ピョンヤン宣言6周年大阪のつどい」が日朝国交正常化の早期実現を求める市民連帯・大阪の主催で、エルおおさかにて開かれ、カン・ジョンホンさん(韓国問題研究所代表、元在日韓国人「政治犯」)による「ピョンヤン宣言の蘇生にむけて」と題する講演などが行なわれた。また神戸、京都などでも6周年の集会が行なわれている。
福田、麻生と続く自民・公明政権は九月、日朝実務者協議の八月合意があるにもかかわらず、このかんの朝鮮制裁措置をそのまま延長する不当な決定を行なった。米朝関係の再進展がなければ何もやろうとしない、まさに外交の不在である。日朝ピョンヤン宣言にも現政府間の合意として問題点はあるが、その基本的意義を認めつつ、宣言の実行を求める世論を強めていくこと、それによって自公政権そのものを日朝ピョンヤン宣言を実行できる政権に取り替えてしまうことが必要だ。(東京Ku通信員)


9・21関西新空港反対!泉州現地行動
  11・22〜23反空港全国集会へ

 九月二十一日、大阪府泉南市岡田浦浜で「9・21関西新空港反対!泉州現地集会」が、泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会の主催で行なわれた。集会には釜ヶ崎日雇労働組合の労働者の大衆決起を中心に、関西三里塚闘争に連帯する会、関西共同行動など七十名が参加した。関西東峰団結小屋維持会もビラを配り、久しぶりに態勢を組んで参加した。
 集会では、若野・住民連絡会代表の現地情勢報告、小山広明元市議による泉南市関係の報告の後、関西連帯する会、釜日労、関西共同行動が連帯のあいさつを行ない、羽田、三里塚からの連帯メッセージが読み上げられ、最後に会事務局長・根本博さんより基調が提起された。
 ちょうどこの頃より雷雨がひどくなり、先がみえない状態となり、それで危険性も考え、岡田浦周囲でのデモは急きょ中止となって集会を終えた。天候のハプニングに見舞われた集会であったが、参加者が集中しての締まった集会となった。
 関西新空港は昨年八月、第二滑走路限定供用が始まったが、運行回数は微増であり、二期供用条件の十六万回達成などはおぼつかなくなっている。このため今年八月末、国土交通省は来年度整備費については見送り、施設建設のための調査費一千万円を計上する事態となっている。
また大阪府の橋下知事は、伊丹・神戸・関西新空港の役割分担についての協議を、伊丹空港廃止の方向で行なうとされている。橋下の一方的な財政緊縮路線を支持するものではないが、彼も、過重な空港が府政のお荷物になっていることを無視できなくなったのであろう。また泉佐野市は、空港連絡橋から固定資産税が入らなくなる事態(連絡道の国有化)に対し、通行税なるものを利用者に負担させる案を可決した。このように、関西新空港をめぐる情勢は混沌としてきている。
いっぽう全国の空港問題の現状をみると、石垣新空港問題が緊迫している。南の石垣島・白保では、八月二七日に「事業認定」が決定され、土地強制収用が避けられない事態に入った。しかし現地では六月初旬に、おそれていた赤土の大量の流出が工事現場から生じている。さらに六月に行なわれた調査では、予定地内の洞窟で、絶滅危惧種のリュウキュウユビナガコウモリが出産・保育していることが確認された。繁殖洞窟を工事強行でつぶすな!の声がたかまり、沖縄県もアセスメントをして当然の状況となっている。
白保のみならず、各空港で自然破壊、アセス手続きなど自らの規準に違反する事態が多くみられる。
今秋十一月二十二〜二十三日、静岡市で第八回反空港全国交流集会(主催・反空港全国連)が行なわれる。二十二日・午後二時より静岡労政会館で集会、二十三日午後には、むだな公共事業強行の典型・静岡空港での現地フィールドワークが行なわれる。
自然破壊、財政破綻、とりわけ軍事利用につながっていく空港建設に反対し、静岡全国集会に参加しよう。(関西東峰団結小屋維持会・渡邉)