京都
  6・25〜26サミット外相会議反対に全関西から
    戦争と貧困のG8反対

 六月二六〜二七日に京都にて開催されたG8サミット外相会議に反対し、また七月の北海道・洞爺湖サミットに反対して、貧困と戦争の強化をゆるさず、関西から全世界の民衆と連帯していこうと叫んで、六月二五〜二六日に京都市では、「戦争と貧困をおしすすめるサミット外相会議反対!6・25〜26京都行動」が闘われた。主催は、アジア共同行動・京都や「しないさせない戦争協力」関西ネットなどを中心に、関西各地の諸団体が参加する京都行動実行委員会。
 六月二五日夕方からの円山野外音楽堂での決起集会・市街地デモには、約四五〇名が参加。翌日の京都教育文化センターでの交流集会・決起集会・京都迎賓館へのデモには、約一五〇名が参加し、反サミットを京都市民に訴え抜いた。
 二五日の円山野音での集会では、主催実行委のあいさつが瀧川順朗さん(アジア共同行動・京都)から行なわれるとともに、韓国からのゲストであるチョン・ウィホンさん(韓国民主労総・全国地域業種一般労組)が関西空港にて不当にも足止めされ、入管当局から取り調べを受けていることが主催者から報告されて、参加者一同から糾弾の声が次々とあがった。(チョン・ウィホンさんは、この不当な入国拒否に抗議のハンストに入ったが、二七日、関空より不当な強制退去命令を受けて帰国を強いられた。強く抗議したい。)
 この集会には(二日目の交流集会も含め)、沖縄・岩国・神奈川より長期にわたり反基地運動にたずさわっている代表者が駆け付けて、それぞれの運動の立脚点から今日の戦争と貧困の時勢を指弾し、一人ひとりの力でさらに力強い運動をつくりあげていこうと檄を飛ばしてくれた。
 岩国から駆け付けた大川清さん(住民投票の成果を活かす岩国市民の会)は、「市長選はカネの力と恫喝で敗れたが、岩国の人間は誰一人として艦載機移転・基地拡張を容認するものはいない。全国各地の仲間の支援・連帯で孤立はしていない。再度一から奮起したい」と述べた。
神奈川県からの檜鼻達実さん(基地撤去をめざす県央共闘)は、厚木・座間・相模原・横須賀と多くの侵略拠点をかかえる神奈川では、この七月十九日に行なわれる「原子力空母の横須賀母港化に許さない全国集会」を一つの結節点として、さらに闘いを積み重ねていくと力強く述べた。
沖縄からは、安次富浩さん(名護ヘリ基地反対協共同代表)が、沖縄県議選での野党の進出と逆転過半数、一方でのアメリカにおける「ジュゴン裁判」の勝訴、これらの経過を詳しく述べる中で、有利な情況では闘う側は行動を起こすことが大事だ、また敵はそのことを一番恐れている。沖縄から生まれた自公、その自公政権は沖縄からつぶしていくと述べた。また、G8諸国の中で、日本の民衆の反対運動が一番もりあがりが弱いのではないか、いくら反対と口で言っても、民衆の闘いのうねりがなければ敵はびくともしない。さらなる運動の高揚を!と痛烈に檄をとばした。
この外相会議では、権力は六一〇〇人体制の警備で臨み、連日の検問を敷き、反テロキャンペーンに勤めてきた。六月十日には、京都行動実行委員会の一翼である洛南ユニオンの組合員を不当逮捕し、強制捜査を行なった。(不当に拘留されていた仲間は、二五日保釈をかちとって集会に合流した)。
G8首脳たちが洞爺湖に集まり、六十億民衆の命運の品定めを行なうなど笑止である。日本の民衆も、若者から高齢者まで、新自由主義グローバリズムによる格差・貧困の中で次第に怒りから行動へと立ち上がりつつある。侵略と環境破壊をおしすすめ、全世界の支配をもくろむG8サミットに反対し、さらなる運動を構築しよう!(関西I通信員)
 

大阪
  7・1反サミット国際連帯デモ

 大阪では七月一日、「7・1戦争と貧困と環境破壊のG8サミット反対!国際連帯デモ」が大阪市扇町公園に結集して行なわれ、約四五〇名が参加した。この行動は、しないさせない戦争協力関西ネットワークの構成団体の人々が呼びかけたもの。
 集会には、おおさかユニオンネット、全港湾大阪、全日建連帯などの労働組合や、関西共同行動、アタック関西、G8サミット反対実行委など運動団体が参加し、また海外ゲストとして、フランスのNoVox(「声なき者」)の仲間が参加し連帯アピールを行なった。
 その後、米総領事館、市役所を経る「国際連帯デモ」を行ない、洞爺湖サミットに対する明確な反対姿勢をアピールした。
 なお、この行動は当初、平和人権センターが協賛するという話もあったが、自治労が日和ったらしく実現とならなかった。G8が新自由主義の親分連中とすると、橋下府知事はその子分である。橋下の「大阪維新プログラム案」(六月五日発表)という新自由主義の猛烈な攻撃と闘う上で、自治労にはもっとしっかりせい、と言いたいところである。(大阪N通信員)


東京
  6・28〜29SHUT DOWN!貧困と環境破壊のG8
   「日本にG8の墓標を」

 東京では、「SHUT DOWN!貧困と環境破壊のG8サミット」のスローガンの下、6・28〜29G8サミット直前東京行動が行なわれ、六月二八日に分科会および全体会、二九日にオルタナティブ・サウンドデモが行なわれた。主催は、アタック・ジャパン、日本消費者連盟、ピープルズプラン研究所など首都圏の諸団体による「G8サミットを問う連絡会」を始めとして、三十余団体が参加する東京行動実行委員会。
 二八日・夜に文京区民センターで開かれた全体会には、会場をいっぱいにする約四〇〇名が参加、スーザン・ジョージさんの講演を始め、午後の分科会報告、北海道行動の紹介などが行なわれた。
 全体会では最初に、八つの分科会報告(貧困と不安定雇用と社会的排除、非正規均等待遇、食糧危機、アジア・アフリカ債務、生命特許、軍事化、対テロ治安弾圧、公共サービスと労働運動)が行なわれ、各関係団体から多面的なG8批判やこのかんの運動が報告された。
続いて、当日朝に来日(不当にも成田空港の入国審査で四時間も足止めされた)したスーザン・ジョージさんの講演。一九三四年米国生まれでフランス在住、アタック・フランスの学術委員、パリのグローバル化ウオッチの代表者。彼女は大要以下のように述べた。
「G8は不正・不当な会合、国際法の根拠のない非合法な会合にすぎません。かれらは気候変動も、食料危機も予見できませんでした。予見できずに統治できるのでしょうか。かれらは解決策も持っていません。まじめな政策という観点から言えば、かれらは無能力です。他方、国際的な民主主義運動の側は、現実に可能な解決策を持っています。」
「運動の主体面では、八〇年代までは若い人が少数でしたが、近年は増えています。非暴力のこの運動の強みは、世論の支持があることです。〇三年のエビアン・サミットでは八万人が行進しましたが、後尾の急進的な『こどもたち』(私たちはそう呼んでいるのですが)が給油所の窓ガラスを壊しました。ニューヨークタイムスは、その件だけを報道し、私たちの数々の企画・行動を一切無視しました。メディアの歪曲と闘うためにも、非暴力が必要です。」「みなさん、洞爺湖サミットを最期にすべきです。日本にG8の墓標を立てましょう。」
以上の講演に熱い拍手が送られた後、越田清和さん(G8サミット市民フォーラム北海道)などから、札幌での諸企画・行動、7・6〜9現地キャンプ地(豊浦町森林公園、壮瞥町のオロフレほっとピアザなど)が案内された。越田さんはとくに、札幌7・5の「一万人市民ピースウォーク」への全国からの参加を強く訴えた(午後一時、大通西8丁目広場)。
翌日二九日、あいにくの雨かかわらず、新宿柏木公園には前日と同数程度の仲間たちが結集して集会、その後反サミットのサウンドデモが行なわれた。海外からは前日に続きスーザン・ジョージさん、グアム反基地運動のチャモロ・ネーション、フランスの反貧困運動AC!、国内からはG8女性の人権フォーラム、東京全労協、フリーター全般労組、五月の「アフリカ開発会議」を批判してきた横浜の人々などが発言した。
なお、全労協は七月三日、「G8サミットにもの申す!7・3労働者集会」を全水道会館で開き、法政大学大原社研所長の五十嵐仁教授が講演した。
さて、スーザン・ジョージさんといえば、中年以上の世代では『なぜ世界の半分が飢えるのか』の著者として知られている。その邦訳が出た一九八〇年の頃には、新自由主義とかグローバリゼイションとかいう言葉自体がなかった。我々の世代では、マルクス・レーニン主義の「反帝国主義」「第三世界人民連帯」という文脈で、彼女の著作も読んだのである。近年進出してきた運動家や批評家たちは、「ネオ・リベ」という言葉はよく使うが、「帝国主義」とは言わない。時代の変化を想わざるをえないが、スーザン・ジョージさんのように多国籍アグリビジネス、WTO、IMF・世銀などを長年批判してきた世代(それは我々「反帝国主義」世代でもあるが)と、「ネオ・リベ」世代とが合流して、現在の反サミット運動があるのは非常によいことであるだろう。(東京W通信員)


6・13裁判員制度はいらない!全国集会
  来年5月実施を阻止しよう

 来年五月二十一日より裁判員制度が実施されようとしている中、六月十三日に「裁判員制度はいらない!全国集会」が東京・日比谷公会堂で行なわれ、「裁判員制度はいらない!大運動」の主催のもと一四五〇名以上の人々が参加した。
 裁判員制度は、二〇〇三年に法科大学院制度の設置案と共に、小泉司法改革の一環として突如国会に提出され、その後充分な審議と国民的理解がないまま、全党一致で可決された経緯がある。この制度の実施が来年五月に迫るなか、推進側の法務省、最高裁判所、日本弁護士連合会の三団体は、多額の費用を投入しマスコミで大宣伝を行なっているが、各種世論調査でもこの制度に反対もしくは参加したくない人々が、七十パーセントを超えている。なぜこのように支持もされない制度を強引に進めようとするのか。
この裁判員制度が、徹頭徹尾新自由主義の資本の要請に基づいたものであり、制度そのものは動員と強制であり、憲法で保障された人権や国民の思想信条の自由に抵触するものである。一方では、新自由主義の横行により国民内部に格差と分断が進行し、これに対処するために司法・警察による露骨な支配が強権的に進められつつある。裁判員制度は、この支配強化を覆い隠すために、司法権力の一端を国民に担わせようとするものであり、資本家階級・国家権力の脆弱性が表れたものとも言えるだろう。
 国会で賛成してきた野党側は日本共産党も含め、この裁判員制度に対し、現行の司法制度の閉鎖性を打破する一歩になるのではないかとの幻想を持ち、一部を除き推進派と自らを規定し、陪審員制度にいたる架け橋であるような虚像を作り上げている。しかし日共系や社民党系にも反対論者は多い。日共系の自由法曹団は、この問題で分裂状態となっている。
 さて、全国集会は、交通ジャーナリストの今井亮一さんの開会挨拶で始まり、東北大名誉教授の小田中聰樹さんからは、新自由主義のメカニズムとして裁判員制度を捉える必要があり、警察のシナリオにより国民参加の治安対策の一環とし想定されていると指摘された。蛭子能収さんのメッセージの紹介に続き、家族問題評論家の池内ひろ美さんからは、家族の中に秘密を国家が持ち込む問題点が指摘された。つぎには高山俊吉弁護士から、全国での裁判員制度反対の闘いの取り組み状況を中心に、実施阻止の決意の程が語られた。休憩を挟んで林家時蔵さんの「裁判員制度はハナシにならない」との演題の落語、ジャーナリストの斉藤貴男さんの発言が行なわれた。
 この後各地からの発言が、長野、北海道の「裁判員制度を考える会」、仙台弁護士会、栃木の「百万人署名」、松戸、さいたま、相模原の各「考える会」など全国の市民団体、弁護士、地方自治体職員などからの発言を受け、最後に大運動の事務局長、佐藤和利弁護士から、秋葉原事件を利用し実施を正当化しようとしている法務省などを許さず、裁判員制度廃止に向けた行動提起がなされた。(東京K通信員)
 

9条改憲を許さない!6・14フェスタ
  反改憲派の勢い持続

 六月十四日、東京日比谷小音楽堂で、「9条改憲を許さない!6・14フェスタ」が開催された。60年安保全学連など当時の学生運動参加者を中心にした「9条改憲阻止の会」の呼びかけで集会実行委員会がつくられ、準備されてきた。昨年の6・15集会は、安倍・改憲推進政権の登場により緊迫するなか千名の集会となった訳だが、今年はどうかと心配されるなか六百名が集まる。マスコミ各紙の世論調査で9条改憲反対が増えているという流れも反映していたのだろう、勢いの持続を感じさせる集会となった。
 今回の集会の内容的特徴は、情勢の変化に対応し、9条改憲阻止の一点での共同という原則を一定緩和して、様々な民衆運動との共闘関係を模索したこと。もう一つは、会場の使用規則に規定された面もあったが、コンサート主体の集会の形式をとったことである。
 特に、安里正美さんの歌、基地・軍隊を許さない行動する女たちの会の桑江テル子さんによる一人芝居、ヘリ基地反対協の安次富浩さんのスピーチという形でつづいた沖縄からのメッセージと、後期高齢者医療制度の撤廃をもとめてたたかっている全水道退職者会の宮沢一郎さん発言は、9条改憲阻止というこの集会の大目的と高齢者を主力とするこの集まりの年齢構成に共鳴し、とりわけ響くものがあったように思う。安次富さんは、去年に続いての参加であり、司会の渕上太郎さんも大いに感謝というところであった。
 また、ぼけまるさんの演奏と語り、平岡秀夫衆議院議員のメッセージ、藤山ジュン子さんの歌、小林圭二さんの原子力に反対する発言、日本山妙法寺・石橋行受上人の9条ピースウォーク参加報告、三上寛さんの歌、2008年自由と生存のメーデー実行委員会の山口素明さんからの発言、イスラム楽器をつかってのヤスミン植月千春さんの歌、自衛隊イラク派兵差し止め訴訟弁護団事務局長・川口創さんの発言、保坂展人衆議院議員の発言、ロックアーティストPANTAの歌、九条の会 草加による合唱、石原都政下の教育の反動と闘う教員−根津君子さん・増田都子さん・伏見忠さんからの発言など、多彩かつ聞かせる歌や発言がつづいた。集会の半ばで、去年の集会呼びかけ人でこの間に亡くなった六名に黙とう。樺美智子さん追悼の国会行動に行ってきた蔵田計成さんの報告発言。「忘れまい6・15」を歌うはずだった望月彰さんが前日に急きょ入院した旨の報告があった。そして下山保さんが実行委員会からスピーチ。「昔取った杵柄をとれ、最後っ屁をぶっ放せ」と自作の詩を朗読して会場を沸かせた。
 最後に、「フェスタ実行委員会混声合唱団」五〇名が登壇して「戦争の放棄」(ベートーベン『第九』の替歌)を歌い、塩川喜信さんが集会宣言で締めくくった。集会を成功裏の終えたのち、東京駅近くの常盤橋公園までのデモに出発。高齢者が多いため極めてゆっくりした行進で、「9条改憲を許すな!9条を世界に広めよう!」「後期高齢者医療制度をやめろ!年寄りを殺すな!」などのシュプレヒコールや「戦争の放棄」の歌でアピール。共感を得るデモだった。(東京M通信員)