編集部だより

★ われわれは、「マルクス主義の現代的発展」を目指している。これは、「マルクス主義の相対化」とか、「マルクス主義の葬送」とかではない。「継承」であり、二十一世紀の現実とらえた革命理論への止揚を含むスタンスである。★マルクス主義は、漂流状態にある。最大の問題は、それが産業革命(機械制大工業)の発展を基盤とした革命理論だった点にあるように思う。現代世界は、産業の成熟した時代にはいったと言ってよいだろう(波及的余地は残しながらも)。かつて採取・狩猟の時代が終わった時のように、あるいは農業の時代が終わった時のようにである。唯物史観の発展のところから理論的に建て直さねばならない所以である。★いま新自由主義グローバリズムとの対決の前面に出ているのは、「イスラム」と「環境」である。これらは、全くではないが基本的にマルクス主義の理論の外部に置かれていたものである。革命理論の建て直しにおいては、「宗教」「環境」としっかり対話できる内容を持たねばならないだろう。★最近、「蟹工船」がベストセラーだとか。正直、驚きである。革命理論が必要とされる時代の足音なのだろう。ただ、かつての理論がそのまま通用する時代は来ない。時代の発展をとらえることに怠惰とならぬよう気をつけようと思う。(深山)