3・1独立運動89周年・日韓民衆連帯集会
  困難局面でこそ連帯強化を
          進歩連帯代表が韓国情勢報告

 三月一日、「今こそ日朝正常化を!日韓民衆連帯集会」が東京・文京シビックセンターで開かれ、会場をあふれる約百三十名の参加であった。八十九年前の一九一九年三月一日、日本帝国主義の併合支配に抗し、義兵運動などに立ち上がった朝鮮民衆の「3・1独立運動」を記念しつつ、「平和と統一に向かう朝鮮半島」情勢の今日的課題を確認する集会である。
 開会に先立ち、『日韓併合の道』というドキュメント映画が上映された。ノレの会の歌唱指導に続き、集会基調が集会実行委員会を代表して日韓民衆連帯全国ネットワークの渡辺健樹共同代表から提起され、米朝間の最近の関係と日本政府の対応を中心に報告された。また、VAWW−NETジャパンの東海林路得子さんから日本軍「慰安婦」問題について、沖縄一坪反戦地主会関東ブロックの吉田正司さんから沖縄反基地運動について、前国立市長の上原公子さんから岩国市長選挙闘争の報告がなされた。
 特別講演として、韓国からのゲスト、「韓国進歩連帯」運営委員長のハン・チュンモクさんから「イ・ミョンパク新政権の誕生と韓国民衆運動」とのテーマで、以下の要旨の講演を受けた。
 イ・ミョンパク政権は「経済大統領」と言いながら、政権成立過程でも内部に不正・腐敗分子を抱えており、この政権の目指す新自由主義政策では韓国民衆の生存権は脅かされることになる。さらには、八月十五日を日帝支配からの解放記念日としてではなく、一九四八年の大韓民国成立の日として、つまりは朝鮮半島分断固定化の日として記念式典を行なうと公言し、米帝の傀儡イ・スマンによる南側半分だけの総選挙の強行に反対し四月三日に蜂起した済州島民の決死の戦いを抹殺しようと意図している。韓国民衆のこの二十年余にわたる民主化闘争の成果というべき、過去史清算の事業そのものを真っ向から否定しようという意図である。この二つの政策からイ・ミョンパク政権は、一年足らずで韓国民衆との全面的な対立に直面するだろう。
 さらにハンさんは、進歩陣営内部で起こっている事態に言及した。ハンさんは、ご自身も「従北主義」と罵倒されたが、進歩陣営の分裂克服のため先頭に立って闘うと表明し、会場から万雷の拍手を受けた。
 韓国民衆のこの困難な局面の克服・打開を支持しつつ、日韓民衆の連帯をさらに強化していこう。(東京Ku通信員)


韓国民主労働党が分裂の危機
  民衆勢力の団結回復を

 昨年十二月の韓国大統領選挙での敗北を巡り、韓国民主労働党は、分裂の危機に陥っている。選挙結果については本紙一月一日号に掲載したが、当時の情勢では民主労総の問題として取り上げた。しかしながら昨年末、民主労働党執行部が大統領選敗北の責任を取り辞任するに到り、旧来から進歩陣営にあったNL(民族解放派)とPD(民衆民主主義派)の対立構造が表面化し、党内主流自主派(NL系)に対し、反主流平等派(PD系)が分党を主張し、いっきに社会問題化の様相を呈してきた。
 十二月二十九日には、旧執行部に替わりシム・サンジョン国会議員を委員長とする非常対策委員会が、事態の収拾を図ることとなった。平等派からは、自主派に対し従北主義との罵倒が浴びせられた。NL系幹部から北の核実験を賛美する発言があったとか、「一心会事件」被拘束幹部2名は北に民主労働党の情報流したとかを問題とし、これらが大統領選敗北の主要な原因であるから分党するとの主張である。
 この非常対策委員会も、機能しだすのは一月半ばに入ってからであった。シム議員は民主労働党改革案として平等派の主張を受け入れる形で、「一心会事件」被拘束幹部2名の除名も盛り込んだものであった。二月三日に臨時党大会開催が提起された。
 臨時党大会は、四月の総選挙に向け党の団結を図るべきところを両派が対峙する形でもたれ、分裂に拍車がかかる様相をていした。非常対策委の提案は、全て否決された。この大会決議を受ける形で、平等派幹部の離党が続いている。ノ・フェチャン議員、シム・サンジョン議員に続き、元民主労総委員長タン・ビョンホ議員も離党を表明している。
 この両派の人たちは、日本の戦闘的な労働運動や民衆運動にとってはかけがえの無い真の仲間であったし、これからも共に手を携える仲間であり続けるだろう。それ故に二点ばかりの提案をしたい。第一には、「一心会事件」は明らかに大統領選に向けた、公安当局の民主労働党攻撃のためのフレームアップ事件であり、国家保安法廃止運動の最大の拠点をたたくのが目的ではないだろうか。平等派の皆さんも国家保安法では、辛酸を舐めてきたではないか。第二には日本国内に対する問題提起である。民主労働党の分裂事態に対し、統一の回復になる提言や助言は大いにすべきであるが、一方だけを支持し分裂に手を貸すような反階級的行為は厳に慎むべきである。われわれは、統一と団結の回復を強く熱望すると共に、民主労働党に友情と連帯の言葉を投げかける。(Ku)