編集部だより

★石油や食物など、さまざまな日用必需品の物価値上げが続いている。昨年から半年ごとに改定される仕組みになっている小麦価格は、昨年の四月一・三%、十月一〇%の値上げだったが、今年四月には、二〜三割の値上げが予想されている。★値上げの原因は、オーストラリアなど産地の旱魃、投機マネーの穀物市場への流入などといわれている。★旱魃と言っても、今日の地球温暖化という時代では、単なる天災とは言い切れまい。今年は洞爺湖サミットが行なわれ、環境問題が主要議題といわれる。だが、議長国日本は、京都議定書の実現すら危ぶまれている。主に企業が、環境対策をすると国際競争力向上にとって阻害要因になると、しぶっているからである。★エタノール生産のためにトウモロコシなどに転作されていることもあって、投機マネーが小麦価格を押し上げている。投機資本は、あらゆる市場で荒稼ぎしている。だが、サブプライム問題で、主要国の中央銀行に奉加帳が回されたがこれは失敗した。世界恐慌の危機がますます醸成されている。★小麦値上げの日本的要因としては、日本農業の荒廃を忘れることはできない。荒廃させた最大の原因は、一九六一年の農業基本法に基づく専作化と工業的農法である。★資本主義がもたらす諸矛盾は、ますます生活の土台そのものを脅かすものとなっている。(竹中)