今こそ変えよう!「障害者自立支援法」
  10・30全国大フォーラムに6500人
     「応益負担」を廃止せよ

 十月三十日の正午から、東京・日比谷野外大音楽堂を埋め尽くして「今こそ変えよう!『障害者自立支援法』10・30全国大フォーラム」が行なわれ、また集会後、厚生労働省に要請団が送り出され省前で要求行動が展開された。
主催は、障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動実行委員会、日本障害者協議会、全日本ろうあ連盟の三団体などによる10・30全国大フォーラム実行委員会。当事者が「私たち抜きに私たちのことを決めないで!」と立ち上がり、全国から身体・知的・精神の障害者、介助者ら約六五〇〇名が参加した。
昨年四月に、障害者や福祉関係者の多くの反対・疑問の声にもかかわらず「障害者自立支援法」が施行されたが、「負担」と「支給決定」の両面で基本的に問題だらけの法律であることが直ちに明らかとなった。とくに「応益負担」の原則によって介護保険と同様の利用者「一割負担」が導入されたことは、障害者の生活と自立を著しく破壊するものであった。障害が重い人ほど負担が重くなるというのでは、サービス支給を受けるな、家に閉じこもれということである。
この生活破壊に対し、全国から当事者が怒りをもって立ち上がったのが、昨年10・31の「出直してよ!『障害者自立支援法』大フォーラム」であった。上記三団体の共同行動で日本の障害者運動史上空前と言える一万五千人が決起し、日比谷公園と厚労省前を埋め尽くし、大デモを貫徹した。
この大衆闘争によって流れは変わり、昨年末には政府も負担軽減の予算措置などを取らざるを得なかった。しかし、「応益負担」など法の問題点はそのままとなっている。現在国会では、与党も「見直し」を口にしているが具体的でなく、野党では民主党が、一割負担を原則廃止する改正案を提出しているが根本改正とは言いがたい。
野音の集会では、各地・各障害・医療関係などから実態報告が行なわれ、「障害者自立支援法」の矛盾、今後の課題などが報告された。また、与野党国会議員による政党シンポジウムが行なわれ、法見直し・改正についての各党の態度が検討された。民主党の園田康博衆院議員が、「党は修正案を出しているが、私はむしろ廃案。応益負担などの基本を変える新法が必要」と述べたことは支持できる。
八項目の要求を掲げる「緊急アピール」案が提案され、採択された。「障害者の生活を直撃している『応益負担』を廃止し、障害者本人の実態をふまえた負担への変更を行なうこと」、「支給決定の仕組みを根本からあらため、障害者一人ひとりの生活要求に基づいたサービス支給決定が行なわれる仕組みとすること」等である。
また今年の全国大フォーラムでは、昨年十二月に国連で障害者権利条約が採択され、九月に日本政府も署名したことをふまえ、今後の条約批准に伴う国内法整備として、「障害者自立支援法」の抜本的出直しこそ行なわれるべきだと主張されていた。
厚労省要請行動では、横断幕、車椅子、プラカードが門前を埋め、川田龍平参院議員も参加して次々とアピールが行なわれた。(東京A通信員)


11・23〜24反空港全国連大阪全国集会へ
  
   12・2には上坂喜美さん追悼会が

 十一月二十三〜四日、大阪で第七回反空港全国連絡会集会が開かれる。六年前、大阪の田中機械で、結成集会が持たれたが、今回は釜ヶ崎を会場に全国集会が開催され、二日目は釜日労のバス「勝利号」で、関西新空港、伊丹、神戸新空港の視察が予定されている。全国の反空港の闘いの更なる結合と飛躍のために結集しよう。
 農漁業を破壊、自然を破壊し、軍事利用に結びつく空港建設に反対する闘いは、全国的に大きな山場に立っている。三里塚での暫定滑走路による「東峰の森」破壊。羽田の沖合展開による平行滑走路の供用。最も不用な公共工事に挙げられながらも、強行される静岡空港。基準以下にもかかわらず強行された関西新空港の二期供用。そして既に開港された神戸空港・新北九州空港は採算性が問題とされ、順調といわれる中部空港でも前島建設を含めて採算性が問題となっている。更に、南端の軍事空港の危険性をはらむ石垣島白保で、土地収用攻撃が強まっている。
 不採算が確実であるにもかかわらず強行される全国の空港建設は、軍事利用の可能性を全て持っている。反空港全国集会に結集しよう。
 十一月十日には、静岡空港反対をねばりづよく継続する地権者に連帯する共有地権者総会が、新たな方向を討論するために開催される。全国連集会をはさんで、十二月九日には、暫定滑走路北伸に伴う新誘導路建設のため強行されている「東峰の森」破壊に抗議し、三里塚東峰現地行動が取り組まれる。
 また、三里塚空港反対の闘いに一貫して先頭に立ち、七月に亡くなった上坂喜美さんを偲ぶ会が十二月二日午後二時より、大阪市北区の山西福祉会館にて、関西三里塚闘争に連帯する会、三里塚相談会、関西共同行動の呼びかけによる実行委員会により行なわれる。戸村選挙以降、三里塚闘争に献身された上坂さんの偲ぶ会に参加しよう。
 (関西東峰団結小屋維持会 渡邊)