反改憲かかげ釜ヶ崎夏祭り
          「支援法」見直しで8・19釜ヶ崎講座も

 釜ヶ崎では、八月十二日から十五日まで、第36回釜ヶ崎夏祭りが行なわれた。多くが単身の釜の労働者にとっては、ふるさとでのお盆のような行事として、72年以降、警察・ヤクザの妨害を排して行なわれてきた。
 十二日、三角公園で六時から、前夜祭が行なわれた。主催者や実行委の各団体、支援も発言する集会のあと、イ・ジョンビさんのライブが行なわれ、映画『パッチギ!!』が上映された。
 今年の夏祭りのメインスローガンは、「改憲による戦争・生活破壊をぶっ飛ばし、安心して働き、生活できる釜ヶ崎を創ろう!」であった。反改憲の真正面のスローガンの下、労働者の力で仕事を作り出し、働き、生き続けようとする釜ヶ崎の意気込みがこめられている。十三日にはのど自慢大会が、十四日にはスイカ割りと綱引きが、十五日には相撲大会が例年通り行なわれ、三角公園には出店が並び、連日盆踊りが行なわれた。十五日には慰霊祭が行なわれ、闘いの中で、亡くなっていった仲間達の霊に黙とうを行なった。夏祭りは、釜の労働者が猛暑の中で、日頃の心配や苦労を吹き飛ばし、秋への闘いの英気を養う場となった。
 「釜ヶ崎講座」は、十五日、恒例の夏祭りツアーを行なった。三角公園のヤグラ下に十名が集まり、今年は「住居」をテーマに行なった。シェルターや福祉マンションや新たな釜の試みの意義がみえる新たな居住空間を作り出そうとしている現場も訪問した。
 八月十九日には、第11回釜ヶ崎講座の講演の集い・シンポジウムが、「新たな野宿生活者支援に向けて――ホームレス『自立支援法』中間見直しへの議論」をテーマとして、大阪市立総合生涯学習センターにて開かれた。
 水内俊雄さん(大阪就労福祉居住問題調査研究会)が、「もう一つの全国ホームレス調査から見えてきたもの」を報告し、松繁逸夫さん(釜ヶ崎資料センター・ホームレス支援全国ネットワーク世話人)が、国・自治体の「基本方針見直し」への提言を行なった。
 討論の後、山田實さん(釜ヶ崎反失業連絡会共同代表)から、基本方針見直しへの今後の取り組みが報告され、終了した。(関西Si通信員)