5・24大阪
  沖縄集団死の書きかえ許さず
     沖縄では、「6・9沖縄戦の歴史歪曲を許さない県民大会」

 五月二四日、大阪市のエルおおさかにて、シンポジウム「沖縄集団死の書きかえ許さない 教科書検定と大江・岩波裁判」の集会が大江・岩波沖縄戦裁判支援連絡会の主催で開かれ、約百三十名が参加した。また翌二五日には大阪地裁にて、沖縄戦裁判の第九回口頭弁論が行なわれた。
 来年度高校教科書の検定で、沖縄戦「集団自決」に日本軍の強制があったとする記述に検定意見が付けられ、各出版社が書き換えていたことが、三月三十日に報道解禁され大問題となった。文部科学省は検定意見を付けた理由の一つとして、この裁判での原告側主張を挙げている。結論が出ていない裁判での、当事者一方の主張を根拠とするという検定基準にも反するデタラメさである。
 集会は、沖縄戦裁判支援連絡会世話人の服部良一さんを進行役として、岡本厚さん(『世界』編集長)、秋山幹男さん(沖縄戦裁判主任弁護士)、津多則光さん(沖縄国際大)、小牧薫さん(大阪歴史教育者協議会)がパネラー報告を行なった。
 秋山さんは、この裁判中での、教科書書き換え検定意見という動きは誤算であったが、軍の集団死強制の諸事実はより具体的に証明できるようになっている。原告弁護士は「手榴弾の使い方を教えていないので軍命にはならない」など失笑をかう弁論を行っている、と報告。津多さんは、沖縄では、守備隊長の「赤松」「梅澤」という名前が人々の記憶から消えつつあったが、再び忘れられぬ名として浮上している。強制集団死を渡嘉敷、座間味の事としてだけでなく、沖縄戦総体の視点から知ってほしいと述べた。岡本さんは、岩波は書店の名誉を守るために裁判はしない、沖縄戦の実相を歪めないための一点でがんばりたいと述べた。
 また沖教組から、「6・9沖縄戦の歴史歪曲を許さない県民大会」へ向けたアピールがあり、東京からは、裁判支援の「首都圏の会」が六月六日発足することが報告された。
 沖縄では、那覇市議会が五月十五日、「『集団自決』が日本軍による命令・強制・誘導等なしに起りえなかったことは紛れもない事実」として、検定意見の撤回を求める意見書が全会一致で採択され、すでに座間味村・渡嘉敷村を含め二十余の市町村議会で同趣旨の意見書が採択されている。東村では高校生たちが村議会へ働きかけた。県議会では、一部自民党が抵抗しているが公明党は賛成しており、六月議会で提案される。
 6・9沖縄県民大会に連帯し、反動勢力の歴史書き換えを粉砕しよう。(関西I通信員)
 

三理塚「東峰の森」伐採糾弾
 関西では、4・22泉州現地集会から今秋反空港全国集会へ

 四月二十二日、大阪府泉南市の岡田浦浜にて、「4・22関西新空港反対! 泉州現地集会」が開かれた。主催は、泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会で、「勝利号」で大衆参加した釜日労を中心に八十名が参加した。あいにくの雨に、浜辺より高速高架下に集会場を移して行なわれた。
 集会が住民連絡会の阿部陽一さんの司会で開始され、代表の若野正太郎さんがあいさつに立った。「住民連絡会も結成されて三十五年を迎えた。闘いつづけてよかった。あかんものはあかん、と言いつづけていきたい。八月に第二滑走路が供用開始されようとしています。十六万回を超えると滑走路一本では足りなくなるという理由が、十三万回と何の理由もなく下げられ、昨年実績がそれすら満たされない中で、供用が強行されようとしています。何より関西新空港は、軍事利用される可能性が強い空港です。引きつづき闘っていこう」と述べた。
 現地報告を元泉南市議の小山弘明さんが行なった。石垣島・白保に空港をつくらせない大阪の会よりの連帯メッセージが読み上げられ、また、釜ヶ崎日雇労働組合の山田実委員長、関西共同行動の古橋雅夫さんが連帯のあいさつを行なった。関西三里塚闘争に連帯する会として渡邊が、三里塚現地の状況を報告した。根本博事務局長が基調報告を提起したあと、雨の中、岡田浦周囲をデモ行進した。
 関西では、関空の住民連絡会を始めとして、空港反対に取り組む団体・個人が中心となり、今年の十一月二十三〜二十四日に反空港全国連の集会を開催することを決定、準備会を開始した。
 全国的にみると、三里塚では、四月二十三日から、成田国際空港株式会社が「東峰の森」の伐採工事を強行し始めた。暫定滑走路北伸工事の強行の中で新誘導路を、東峰部落の入会地である「東峰の森」に建設することを目論んでいる。
 東峰住民の伐採中止を求めた「現状変更禁止」仮処分申請は、千葉地裁で一月に不当にも却下されたが、直ちに抗告し、東京高裁で審理中である。空港会社は「抗告の結果が出るまで、本格的な工事には入らない」と言い続けていたが、四月になり突然「二十日過ぎより工事をしたいので説明したい」と申し入れてきた。東峰住民は、「森をどうするか」を話し合おうとし、成田市の立会いのもとで、十九日に東峰区内で話し合いが行なわれた。住民が「東峰の森」の重要性を訴え、空港会社より申し入れがあり森を整備・管理してきた経過を確認させ、社長に伝えることを約して終ったが、数時間後に「二十三日より工事を開始する」と通告してきた。住民は二十二日に抗議の声明を発表した。
 石垣島・白保では、昨年、建設用地の半分も取得できていないにもかかわらず、「起工式」を強行した。
 今年三月二十八日には、沖縄県は土地収用法に基づく「説明会」を石垣市で強行した。説明会は、石垣市民会館大ホールで行なわれたが、参加者は百名に満たないものだった。県が売買契約を結んだ地主は、百三十三名中五十二名(39%)に過ぎず、もちろん六百五十名を超す共有地主とは合意はできていない現状である。用地取得交渉に入ってから、わずか十ヶ月(共有地主に対しては六ヶ月)しかたたず、共有地主からの要求のあった説明会をも拒否、わずかに二回の用地取得を求める文書を送付してきただけである。この中で、土地収用法に基づく未買収地の強制収用手続きに着手、説明会を一方的に形式的に実施してきたのである。
 現地では、昨年十月の起工式以降、「予備的工事」と称した大型重機の工事が始まっている。絶滅危惧種のコウモリの出産洞窟の脇で、環境影響評価書違反の工事が行なわれるというデタラメぶりである。事案認定取消訴訟は、東京地裁で、この五月二十一日、第四回口頭弁論が行なわれた。
 静岡空港では、四月二十日に、「収用裁決取消訴訟」の第一回公判が静岡地裁で行なわれた。原告は、百二十二名になっている。桜井県民の会事務局長が、収用委員会審理指揮の無謀を糾弾し、県空港部に対する批判を行なった。
 事業認定取消訴訟はすでに九回目の公判となっており、裁判闘争強化のため裁判の併合と原告、弁護団の統合も検討されている。
 一方、三月二十六日に明渡し期日を過ぎた空港西側制限表面部だが、県は、県の所有となった収用地と行政代執行対象地となる使用地との境界を明示できないままでいる。また使用地と隣接する残地との境界線も特定されておらず、裁決で「使用地の山林を伐採し」とされたにもかかわらず、県は代執行が不可能な状態となっている。強制代執行に対する物理的な阻止は避けた県民の会、地権者ではあるが、共有地権者が自ら「伐採」もできず、代執行を強行できない状態が続いている。
 これらは、県の収用委の一方的なうち切りにより、境界測量が中断されたままになったことの結果である。いずれにしても県の強硬な空港建設の推進の矛盾が明らかになる状況が深まっている。
 農業破壊、自然破壊の空港建設、軍事利用につながる空港建設に対し反対しよう。反空港での闘いを強め、十一月反空港全国集会へ結合させよう。
(東峰団結小屋維持会 渡邊)


鹿児島県議選弾圧事件で、6・17講演討論集会
  司法権力の由々しき現状

 五月十七日に都内・総評会館で、首記「連帯運動」の第一回講演・討論集会として「鹿児島県議選の弾圧冤罪事件をとおして日本の司法・国家の変革を考える」が行なわれ、私も参加した。
 基調となる講演は、鹿児島県議選弾圧冤罪事件に当初から関わり、また元民主党代議士でもあった辻惠弁護士によって行なわれ、警察・検察・裁判所等の司法権力がいかにほしいままに振る舞っているかという実情が報告された。
 討論では、北海道警の裏金問題を告発し、その後も警察の健全化・透明化・民主化に向けて精力的に活動中の原田宏二氏(元道警警視長)、「警察はなぜ堕落したのか」など多数の著作を発表し活躍中の警察ジャーナリスト黒木昭雄氏(元警視庁巡査部長)が発言し、法権力の実態が更に詳しく明らかになった。
 特記すべきは、左翼と旧警察官僚とが一同に会して、日本が直面している由々しき現状にいかに対抗すべきかが議論された、という点であろう。元警察官僚の一人がいみじくも言ったように、日本を良くしていこうというこれからの運動は、イデオロギーではなく具体的な課題を基に結集しなければならないと実感した。
(牧梶郎)


長崎市長銃殺事件
  治安問題へ行政は歪曲
         民主主義擁護の問題として5・17長崎市民集会

 四月の伊藤一長長崎市長銃撃・殺害事件から一ヵ月目の五月十七日、長崎市では銃撃現場の長崎駅前に近い教育文化会館にて午後六時半から、「5・17暴力の追放と民主主義の擁護を訴える市民集会」が市民グループや平和団体の人々によって開かれ、約一六〇名が参加した。
 講演は、一九九〇年に天皇戦争責任発言で右翼から銃撃され重傷を負わされた元長崎市長の本島等さん。本島さんは「暴力に反対し、民主主義を守ろう」というテーマで講演し、私の事件と今回の事件は同じ形の暴力であり民主主義への挑戦だ、暴力に立ち向う市民運動が重要だ、今後もこうした集会をと訴えた。
 つづいて「市長射殺事件一ヵ月、今、何をなすべきか」を共通テーマとして、パネル討論が行なわれた。市民運動ネットワーク長崎の舟越耿一さん(長崎大学教授)をはじめ、原和人さん(銀屋町教会牧師)、柴田朴さん(元長崎市議)、若い世代から福田美智子さんが発言した。
 集会宣言として「平和市民宣言」を、第九代高校生平和大使の石井美保さんが提案し、採択された。その宣言では、「この事件が風化することがないよう、あしもとの平和と民主主義を守るための市民の決意を示すため」今日の集会を行なったとし、「真の平和都市長崎を取り戻さなければなりません。市民、県民一人一人がその決意をもって行動すべき時です」とアピールしている。
 なお、この長崎市民集会には、四月に東京で開かれた「民主主義を封殺するあらゆる暴力を許すな!長崎市長銃殺事件抗議4・27集会」の実行委員会から連帯のアピールが寄せられた。
 一方、同日十七日の昼間には長崎市公会堂にて、県警や暴力団追放県民会議が主催する「暴力追放・銃器根絶県民大会」が開かれ、県・市・議会の関係者など二三〇〇名を動員した。しかしこの「県民大会」は伊藤前市長に黙祷をささげたものの、民主主義への挑戦として事件を受けとめ、民主主義を守るために県民の奮起を促すという内容ではなかった。それは、「銃器根絶」「暴力団壊滅」というお定まりの内容であり、近年保守系の政治家がよく口にし、田上新市長も強調している「安全・安心なまちづくり」ということを、警察・行政・住民が一体となって進めようという基調であった。
 また五月二八日には、長崎市主催の「市民葬」が盛大に行なわれている。田上市長は、銃殺事件直後の四月二十二日の市長選で、伊藤前市長の娘婿の候補者を僅差で押さえて新市長に当選した人である。田上は伊藤の遺志を継承するものであることを示さんがための、政治的パフォーマンスとも考えられる。
 こうして、市長銃殺事件の本質があいまいにされたまま、事件は「風化」されようとしている。事件の本質は、民主主義の問題であって治安問題ではない。政治活動を始めとする言論・表現の自由への攻撃に、主権者市民がどうたたかうかという問題である。そう立てずに、暴力団対策など治安問題に集約させようとするのは問題の矮小化であり、行政・警察に都合のよい立て方である。長崎県警が、銃殺犯人の短銃不法所持を摘発できなかったことを含めその警備ミスを棚に上げ、暴力団壊滅などといつものことを言っているのは笑止ではないか。
 また事件の風化に手を貸しているのは、諸議会政党でもある。事件は選挙活動中の候補者に対する殺人テロであり、本来、議会主義政党こそ自分自身の課題として、右翼テロ糾弾・民主主義擁護の国民運動を組織して当然であった。ところが民主、共産、社民など野党系においても抗議談話は出しても、それ以上のことは何もやらなかった。民主主義闘争の感覚が麻痺しているのではないか。
 このままでは、政治家へのテロを英雄視する極右分子によるテロが繰り返されるだろう。右翼テロを広範な民主主義運動によって封じ込め、右翼跳梁の土壌となっている現政権の右派政治を打倒・一掃することが必要だ。(九州A通信員)