【沖縄からの通信】


違法な「事前調査」許すな!海上阻止行動が再開
  新基地阻止!三度目の勝利へ

 四月二四日の午後六時、仲井真沖縄県知事は「公共用財産使用協議書」に同意し、那覇防衛施設局によるいわゆる「事前調査」にOKを出した。これに先立つこの日早朝、防衛施設局は環境影響評価法(環境アセスメント法)に違反する現況調査、海域調査に辺野古現地で着手した。
 アセス方法書の公告縦覧など必要な手続きなしに、実質的なアセス調査に入っている。しかも作業仕様書等を非開示としている。これは違法行為であり、環境アセス法を踏みにじるものである。「アセスではない、その前の事前調査だ」などの政府・県・マスコミの言は、まさにタワ言である。仲井真知事および島袋名護市長は、翌二五日の久間防衛相に対する「V字型滑走路の沖合移設」の要請において、この「事前調査」同意を手土産とした。そして安倍首相は、調査開始を手土産にして、二六日訪米して行ったのである。
 何ゆえ、法治国家の体裁をかなぐり捨ててまで、「事前調査」に乗り出したのか。アセス法に決められた通りに実施すると、二〇〇九年まで環境影響評価手続きがかかる。この年には、またもや県知事選が始まる。ブッシュも退陣する、イラク撤退もありうる。安倍にしても首相の座はどうなっているのか。日米同盟は、進捗しない新基地建設に焦り、追い詰められているのである。
 仲井真知事のゴーサインは、不意打ち的であり県民世論に影響を与える。これまでは、「現行V字案には反対」、「条件が入れられるまでアセスはやらない」等々の姿勢をすくなくとも体裁上は保持していた。「事前調査」を容認することは彼のカードを捨てるようなものであり、県民世論に持ちこたえられない。県当局内部の、時間をかけるべきとの慎重論を、訪米前の安倍と会うために一気に潰してしまった。
 違法調査開始と同時に基地反対勢力は、現地では、カヌーやゴムボートを洋上に繰り出して、防衛施設局側の「潜水・目視調査」に対峙している。単管足場はなく、危険を伴う困難なたたかいを強いられている。那覇では、かってない未知の洋上のたたかいを支援しようと、人々が結集を強めている。
 海上保安庁が民事不介入、公平・中立をかなぐり捨てて、カヌー隊に対して妨害行為を行なっている。これは重大な犯罪ではないのか。法律家や議会人らの支援も必要になっている。
 四月二八日、へり基地反対協は、「辺野古(ボーリング調査阻止)座り込み3周年闘争宣言」を発した。「海上での闘いの火蓋がきって落とされた。名護市民投票の勝利、ボーリング調査阻止闘争の勝利―海上基地の破綻―の地平を引き継ぎ、V字形滑走路―辺野古新基地建設の阻止を最後の闘い、3度目の勝利にするために粘り強く闘う」と宣言した。
 同日、ヘリ基地反対協、平和市民連絡会、平和センターらの仲間たちは、キャンプ・シュワーブを「人間の鎖」で包囲した。豪雨の中、一千名が集まった。同時に、海上デモも敢行された。陸海から、「アセス法違反の『事前調査』を阻止するぞ」の声がくりかえされた。ゲート前は、県道の両側が米軍基地である。基地内にある辺野古ダムからあふれた雨水が、シュワーブに占拠された辺野古崎へ向かって落ちていく。遺跡群があることからも分かるように、豊かな山と海だ。しかし辺野古の村落は片隅に追いやられている。日本政府と対峙しぬいて、自然破壊と新軍事基地建設を阻止しよう!

4・22補選
  沖縄の争点を否定した民主党の全国版政治

 さて、四月二十二日投票の参院補選は、自民・公明の候補に対して、野党四党の統一候補・狩俣氏が惜敗する結果となった。この、かりまた選挙は案の定、低投票率に終わった。沖縄ならではの、沖縄民衆の争点を投げ捨て、民主党の全国政治をそのまま沖縄に持ち込んだ結果であるといえる。
 マスコミは、「沖縄の選挙は様変わりした、経済か基地かの争点が消えて、生活重視になった」と繰り返し報じた。それは、沖縄の反基地感情の弱体化を策す世論誘導である。同日の宜野湾市長選での、伊波市長の圧倒的再選勝利についてはほとんど報道しない。「辺野古NO」「普天間明け渡し」の伊波が圧勝しても、「様変わり」なのか。
 かりまた選挙が民主党主軸で行なわれ、民主党の「格差是正」をキャッチコピーにし、沖縄で勝って全国モデルとし、政権交代を夢見るという政治が持ち込まれたのである。こうして「基地問題は消え、様変わりした選挙」となった。辺野古の情勢の緊迫が予想される中で、かりまた選挙は活動家の気持ちと全くかみ合わなかった。一対一の重要な政治戦であるのに、活動家の積極性を引き出せないまま終わった。
 沖縄は日本の中で、他のどことも決定的に異なって特徴的に、米軍基地社会である。経済問題・格差問題も、この米軍基地社会からの脱却という文脈で語る必要がある。日米の安保体制を成り立たせている沖縄は、日本政府と決定的に対立する存在なのである。民主党のように、この核心を不問にしては、沖縄人の心から遠ざかり選挙で勝てるはずはない。
 しかし、辺野古NOを成し遂げるためには、今後、知事も市長も取りに行かねばならない。日本政府と対決できる、その結集の基軸を明確にする必要がある。路線的論議をすすめ、沖縄民衆の統一戦線を前進させよう。(T)