全国・全世界労働者団結            万歳!


日比谷メーデー
  労働時間規制はメーデーの原点

 第78回日比谷メーデー式典が五月一日、一万二〇〇〇人の仲間を結集して、日比谷野外音楽堂で開催された。主催は、全労協などによる実行委員会。
 午前十時に田宮高紀・民間労組懇代表が開会宣言を行ない、阿部力・国労東京委員長が主催者挨拶を行なった。連帯挨拶は増淵静雄・都労連委員長が、来賓挨拶を島田東京都産業局長と福島社民党党首が行ない、そして韓国民主労総委員長からの連帯のメッセージが読み上げられた。
 金子いづみとタブーショーによるサルサの軽快な労働歌の披露の後、外国人労働者実行委員会、均等待遇実現を目指す女性たち、国労闘争団からの決意表明と訴え、また郵政労働者ユニオンからのアピールがあり、最後にメーデーアピールが採択された。
 今年のメーデーアピールでは、「メーデーは、1日8時間労働制を勝ち取るなど、全世界の労働者が生活と権利をかけて闘ってきた統一行動日」であると再確認しつつ、「私たちは、メーデーを『闘いの広場』と位置付け、統一メーデーの実現を求めてきました。1日8時間労働制が危ぶまれる今こそ、労働者の幅広い結集と一層の団結が求められている」と強くアピールした。
 またアピールは、政府・財界によってしかけられている労働ビッグバンが「格差・差別社会」を作り出し、外国人労働者に対して「雇用対策法改正」、研修生制度を通じた人権無視が行なわれている。これは安倍政権による憲法改悪、戦争への道の踏み込みとひとつのものであり、すべての労働者の総団結でこれらに反対する闘いに決起しよう。それは、世界的な市場原理優先の規制緩和グローバリズムとの闘いに連帯する道でもある、と呼びかけている。
 集会のあと、参加者は降り始めた雨をはねのけ、意気高く都心をデモ行進した。(東京H通信員)


新宿メーデー
  野宿労働者先頭に

 五月一日、新宿に於いて、「『地域生活移行支援事業』の大規模実施」を掲げた13回目の野宿労働者のメーデーが闘い取られた。
 小雨にもかかわらず公園には、二百名近くの仲間が集まった。
 新宿連絡会の仲間の司会で始まった集会では、新宿の仲間、池袋の仲間が発言し、また、前日「自由と生存のメーデー」を闘ったフリーター全般労組の仲間のアピールを受け、最後に新宿の仲間から「山谷、川崎の仲間も参加していること」が報告され、都庁へのデモが闘われた。
 闘いの成果で、野宿の仲間は、たしかに減ってはいるが、まだまだ野宿の仲間が多く存在する現実をしっかり見据え、また「スポット派遣」なる新たな日雇層の増大を踏まえるならば、非正規労働者の闘いにとって野宿労働者の「屋根と仕事をよこせ!」という闘いは、より一層重大になってきている。
 「支援法」を闘い取った闘いをより一層発展させ、公園からの追い出し攻撃を打ち破り、地域生活移行支援事業の大規模な実施を闘い取っていかなければならない。
 こうした闘いの要は、野宿労働者の闘いと団結に他ならず、そして多くの非正規労働者との団結であろう。 (東京S通信員)


中之島メーデー
  
競争より共生社会を!

 第78回「中之島メーデー」は五月一日、朝から冷たい雨が降る中、全日建、全港湾、国労、教育合同、郵政全労協、各ユニオンなど約2500名の組合員が大阪市・中之島剣先公園に集まり、戦争国家に進む改憲阻止!格差拡大NO!競争より共生社会を!などをメインスローガンに掲げて開催された。
 全港湾大阪支部から開会あいさつ、そして全日建近畿地本から、現在全日建関西生コンにかけられている弾圧粉砕、労働法制の改悪阻止、憲法改悪をはじめ反動諸立法反対などを訴える基調あいさつが行なわれた。
 つぎに、メーデー前段行動報告として、全日建の争議現場行動と、大阪市に対する臨時職員(五千名ともいわれる)使い捨て反対、および市教育委員会による外国人講師の違法派遣・偽装請負への抗議行動との二件の報告がなされた。
 連帯あいさつでは、大阪労働者弁護団からは北本弁護士が労働法制改悪反対について、関西共同行動からは中北弁護士が改憲国民投票法案阻止を訴えた。さらに、沖縄とともに基地撤去をめざす関西連絡会が、米軍再編強化・海兵隊グアム移転経費のための米軍再編法案に反対し、違法な「事前調査」が開始された辺野古新基地建設を阻止しようと訴えた。また、四月の統一地方選挙で勝利・当選した社民党、新社会党、市民派の各議員からも連帯あいさつが行なわれた。
 争議アピールでは、郵政ユニオンからは「ゆうメイト」解雇争議について、大阪教育合同からは新任免職裁判(教師一年を経験したが大阪市教委から不採用通知)を闘っている当該女性からの発言が行なわれた。
 最後にメーデーアピールの採択、大阪全労協の音頭で団結ガンバローを行ない、『第九で9条』の歌を唄いながらデモ行進に出発した。西梅田公園までのデモでは、途中にある米総領事館に抗議のシュプレヒコールを行なった。
 労働者派遣法が一九九九年に原則自由化されたことを始め、このかんの雇用破壊により、いまや右を向いても左を向いても無権利・低賃金の非正規労働者で溢れている。日雇いを全産業に拡大させた派遣法の廃止が必要であり、また非正規労働者の連帯と組織化を(たとえば時給最賃一千円の要求実現を含め)どう進めていくのかが大きな課題であるが、これを乗り切らなければ労働運動の前進はないと思う。メーデーの日に決意を新たにした。(関西N通信員)


釜ヶ崎メーデー
  
戦争よりも仕事をよこせ!

 五月一日午前七時より、労働福祉センターで、第三十八回釜ヶ崎メーデーが開催された。
 六時にセンターのシャッターがあくと、同時に多数の労働者が集まってくる。むしろ旗ならぬ、ブルーシートにペンキでスローガンが書かれ、準備が進む。今年のメインスローガンは、「戦争よりも仕事をよこせ!安心して働き、生活できる釜ヶ崎を!」。山中釜日労執行委員の呼びかけのあと、「赤旗の歌」「メーデー歌」が、ギター演奏で皆で歌われた。
 山田実反失業連絡会共同代表が、あいさつに立つ。「六九年全港湾西成分会の結成。七十年センターができる中で、釜メーデーが始まった。七十年に分会より越冬闘争委員会が作られ、七二年釜共闘結成とつづき、以降、暴力手配師と対決し、仲間の権利を守り抜いてきた。九十年代からの大失業時代に入ってからは反失連を結成、反失業闘争を闘ってきた。九四年より高齢者特別就労事業を府と市より獲得し、要求を出し、獲得すれば責任を持って実施していく姿勢でこれまでやってきた。安倍政権になり、ますます戦争への道が強まり、ワーキングプアの増大という状況の中で、釜ヶ崎の労働者が、戦争に反対し、仕事を要求し、作り出していく闘いに更に取り組んでいこう」と訴えた。
 八時、センターを出発。四百名余が地区内をデモし、三角公園へ。「勝ちとる会」の炊き出しで腹ごしらえをする。連帯して参加した「釜ヶ崎連帯委員会」、「釜ヶ崎講座」等があいさつを行なった。九時半、三角公園を出発、激しい雨の中、霞町から大国町を回り、釜ヶ崎を包むデモ行進を行なった。
 例年通り、大阪城公園での連合大阪のメーデー会場整備に百名が、更に特別清掃に二百名の労働者が同時刻に従事しており、千名近い労働者が、釜ヶ崎のメーデーを闘った。
(大阪Si通信員)


「5人のキューバ人を救うために」4・23集会
   テロ防止の5人は囚われ
  テロリスト・ポサーダは保釈



 四月二十三日、「Free the CubanFive 五人のキューバ人を救うために」4・23集会が東京・神田の日本教育会館にて開かれ、約七十名が参加した。主催は、アメリカに囚われている五人のキューバ人士の解放を求める日本百人委員会。
 一九八八年、マイアミ在住のキューバ人五人がスパイであるとしてFBIに逮捕され、〇一年終身刑などの重い判決が言い渡された。〇五年には控訴審で判決の無効とマイアミ以外での裁判のやり直しが命じられたにもかかわらず、検察庁と第一審によって否定されてしまい、今日まで九年間近くも獄中に囚われている。この事件の事実関係で重要な点は、検察がスパイ罪を立証できなかったこと、つまり被告五人は、反キューバ民間団体に対する情報収集活動は行なっていたが、米国政府・軍隊に対する非合法な情報収集は立証されなかったということである。それは、亡命キューバ人グループによるテロを未然に防止せんとする活動であった。
 近年、このキューバ人五名を無罪釈放せよの国際世論が広がっており、日本でも昨年十月に日本百人委員会が発足して、この日の集会に到ったものである。
 集会では、百人委員会の鎌田篤則さんの挨拶のあと、オルランド・エルナンデス・ギリェン駐日キューバ大使の挨拶と、来日中のキューバ諸国民友好協会副総裁ブエナベントゥーラ・レイエス・アコスタ氏の講演が行なわれた。エルナンデス大使は、反キューバ・テロリストのポサーダが四日前に保釈されたことと、獄中に囚われている五人とを対比させつつ、ブッシュ政権の「反テロ」二重基準とその犯罪性を批判した。東太平洋諸国を歴訪中のレイエス氏は、五人の救援を含めた各国国民との友好運動の現況を述べ、国際連帯とキューバ革命を継承する正義の確信とが私たちを支えると語った。
 集会では、五人の無実と解放を訴える『ミッション・アゲインスト・テロ』日本語字幕版の上映が行なわれ、そのDVDが参加者に配布された。
 直前にポサーダ保釈があったため、この集会のテーマはより一層明瞭になったようである。でたらめなブッシュ政権は、人権の国際世論の前に屈服しなければならない。
 米国で拘束中だったポサーダが四月十九日に保釈されたことに対し、米州をはじめとする国際的怒りが高まっている。同日キューバ政府も抗議声明を出している。
 ポサーダは、七十三名が殺害された一九七六年のベネズエラ発キューバ民間航空機爆破事件によって起訴されたが、結審前にベネズエラの監獄から脱獄・逃亡。その後、キューバの観光施設などへの爆破テロ、カストロ暗殺未遂など多くのテロ犯罪に関わっている。(4・23集会でのDVDにも映像があるが、彼は暗殺に二回失敗したとテレビ番組で広言している)。
 その後パナマで再逮捕・服役していたが親米政権によって恩赦され、〇五年に米国へ逃亡。世論の告発によってブッシュ政権はやっと彼を拘束したが、数々のテロ犯罪容疑ではなく、入国管理法違反でしかない。微罪扱いであり、今年五月十一日の不法入国裁判を前に、保釈が懸念されていた。
 この事態に対し四月十五日、「ルイス・ポサーダ・カリレスは犯した罪により裁かれなければならない」と題する知識人の国際共同声明が開始された。ノーム・チョムスキーやイラク死亡兵士の母シンディ・シーハンなどの署名もみえるこの声明参加者は、すでに二千名を超えているとみられる。声明は、「現ワシントン政権の行動基準の倫理的欠如の明白な証拠をまさに眼前にしている」と指摘しつつ、七六年航空機爆破テロなどすべての罪により告訴すること、またベネズエラ政府の引き渡し要求に応えることをブッシュ政権に要求している。
 西半球最大のテロリストとも言われてきた元CIA要員に対する今回の事実上の釈放と、予想される不法入国裁判での微罪判決は、ブッシュ政権をますます国際的窮地に追いやることとなるだろう。(東京W通信員)