改憲国民投票法案の衆院突破策動を粉砕し
統一地方選挙に勝利しよう!

 右派政治一掃の始まりへ

 
自民・公明与党は三月二七日、改憲国民投票法案のより悪質化した修正案を国会に提出し、その安倍連立政権と共に今国会で死ぬか生きるか、廃案か成立かの、反動的突破を図る姿勢をあらわにした。
 統一地方選挙(四月八日、四月二十二日)から七月参院選挙への過程を含んだ当面の数ヵ月は、重要である。「改憲手続き法案」を始めとする反動諸法案を粉砕し、安倍政権を打倒できるかどうか、当面の決戦情勢となっている。このかんの右派政治を敗退させ、当面の政治転換を実現し、労働者人民の闘いをさらに前進させていくことが問われている。労働者共産党は、「広範な共同戦線で右派を打倒しよう」(昨年二中総決議)の実践を今こそ断固進めていく。
 提出された改憲国民投票法案修正案は、昨年来の民主党案との擦り合わせ協議が行き詰まったことを受け、自民党本来のより反動的な内容が復活したものとなっている。
 自民・公明と民主の修正協議では、国民投票運動において国家公務員法・地方公務員法での公務員の政治活動制限条項は適用しない、と一致していた。しかし提出修正案ではこれをくつがえし、付則で、法施行までの三年間の内にどのように適用するかを検討するなどとしている。この法案じたいでの罰則規定(自民党の原案)までは復活していないが、国民投票運動での公務員労働者や教育労働者の活動が、国家・地方公務員法によって罰せられる方向がはっきりした。公務員や教育者の「地位利用による国民投票運動の禁止」という罰則のない規定(これでも行政処分の危険がある)の上に、さらに国家・地方公務員法での罰則規定を重ねるものである。自治労や日教組などの公務員労働者が憲法改悪反対に投票を、と運動することを弾圧できるようにし、それによって運動を抑制させようとする悪質な攻撃である。
 自治労や日教組などの労働者は、「改憲手続き法案」の攻撃を労働者の政治的権利への重大な攻撃としてもはっきり認識し、全力をあげて法案成立阻止の先頭でたたかう必要がある。

石原を打倒するために
浅野史郎候補に投票を


 東京都知事選を始めとして、十三の知事選挙などが行なわれる四月八日投票の統一地方選挙・前半戦は、改憲国民投票法案の衆院での山場に行なわれ、その結果が国会を直撃するものとなっている。とくに東京、北海道の知事選挙の勝敗は大きい。東京、北海道で自民・公明側の候補を打倒し、このかんの右派政治・格差拡大の政治はもう通用しないという情勢の転換を明確にする必要がある。
 東京都知事選挙では、石原反動都政に終止符を打つために、浅野史郎候補に投票することを我々は呼びかける。
 都知事選の主要候補は、民主党、社民党などが支援する浅野候補、自民・公明が支援する現職石原、日本共産党が推薦する吉田候補である。このかん、排外主義・女性差別・憲法改悪推進の石原をなんとしも打倒するために、多くの人々が反石原を一本化する共同候補の実現のために努力してきたが、それは実らなかった。その責任は、石原と政治路線が同質の都議を多く抱える民主党、国政選挙と連動し「自民・民主」対決に埋もれることを恐れる日共などに問われるが、そうした既成政党利害を制するだけの力量を、我々を含めた労働者・市民の側がまだもっていないということでもある。
 日共は早くから吉田予定候補を立てたが、当初は共同候補の可能性を否定していなかった。しかし結局、日共中央政治が貫徹してきた。『赤旗』による石原の都政私物化のばくろは、多くの人々が評価していたが、吉田擁立への固執はそれを帳消しにしてしまった。この過程を疑問とする日共党員も少なくはない。
 日共・志位指導部は、右派を打倒するために左派・中間派をまとめることよりも、わが党こそ本物の野党として野党票を食い合うことを基本方針としている。このセクト主義は、国会で自党が多数を占めることを革命の唯一の道とする議会主義によって規定されている。統一戦線を発展させ、統一戦線によって革命を実現するという路線は見失われている。
 浅野候補は、宮城県知事時代の評価を含め基本的にブルジョア改革派であり、その政治路線を我々は支持するものではない。石原に勝てる可能性のある候補者を勝たせ、情勢をきりひらくために彼に投票するのである。
 しかし、彼が言うように「選挙のありようが当選後のありようを規定する」。彼の出馬は民主党の主導ではなく、さまざまな色合いをもつが市民運動の要請に応えるという経過であり、その後も、市民運動各勢力との連携、労働者人民の「勝っ手連」的支援の動きが広がっている。こうした中で、情報公開と地域福祉を特徴とする浅野候補の諸政策にも、東京オリンピック招致の全面見直し、正規雇用化への対策、など評価すべき前進がみられる。
 浅野を勝利させ、首都から右派政治の一掃を開始しよう。
 全国で市町村議会選挙などが行なわれる四月二十二日の統一地方選挙・後半戦では、前半戦の県議選を含め、労働者人民の地域的な統一戦線の形成・前進に有利な候補者を当選させ、安倍政権支持の候補者を落選させなければならない。改憲に対する候補者の態度をはじめ、国政課題はおおいに関係がある。小泉・安倍の国政による「格差拡大」は、「地域格差拡大」としても重大問題となっている。安倍政権と闘わなければ、地方も生きていくことはできない。

4・22沖縄参院
補選に勝利を

 
またこの日、沖縄では参院補選がある。社民・社大・民主・日共の統一候補である狩俣候補に投票しよう。昨秋県知事選に出馬した糸数さんの辞職による補選であり、知事選での惜敗から状況をまきかえすうえで必勝が問われている。
 沖縄のこの選挙戦は、全国の与野党対決の一部分なのではない。日本政府に対決する、沖縄民衆の独自の統一戦線を形成・前進させるための、一つの過程として闘いぬく必要がある。沖縄補選に勝利し、辺野古新基地の「事前調査」を阻止して、米軍基地再編強化を粉砕しよう。


衆院山場、「改憲手続き法案」通すな!
  今こそ国会闘争へ

 改憲国民投票法案の衆議院での情勢が緊迫してくる中、この「改憲手続き法案」を絶対に許さない諸行動が国会前などで次々と展開されている。
 三月十二日には、「STOP!改憲手続法3・12国会へ行こうアクション」が行なわれ、衆院議員面会所前の歩道沿いに約六〇〇名が参加、キャンドルやペンライトを振りかざし、与党のみでも採決との方針を明らかにした政府・与党を糾弾した。この行動は、このかん憲法改悪や教育基本法改悪などに反対してきた十七市民団体が呼びかけ、三月末で千人近くの呼びかけ人が連名する超党派の行動。
 三月二十日には、60年・70年安保闘争の元学生闘士たちを主力とする「9条改憲阻止の会」が、前日に「共同声明」を発表したうえで、国会前連続ハンスト座り込みに突入した。(記事四面)
 政府・与党にとって通過儀式である中央公聴会が三月二十二日に国会内で強行され、自民党は四月十二日・衆院憲法調査特別委員会、十三日・本会議で強行採決という手前勝手な日程を立てている。まして一法律ではなく国の基本法である。これほど主権者国民を愚弄するものはない。憲法は国民のものでなく、政府のものということか。
 この目論みを許さず、三月二六日・午後六時には、第二波の「国会へ行こうアクション」が取り組まれ、再び約六〇〇名が参加した。この日のリレートークでは、西野瑠美子さん、俵義文さんなども発言し、安倍政権が軍隊慰安婦問題での「河野談話」を否定せんとする言動を公然と行ない、また、四月二四日に全国学力テストを強行して改悪教育基本法を実動化せんとしていることを糾弾した。また民主党の喜納昌吉参院議員も参加し、世界の宝・9条を守れと叫んでいたことが目をひいた。(民主党と与党による昨年来の改憲国民投票法案修正協議は、結局破綻し、民主党議員の多くは政府案に反対せざるを得なくなっている。喜納議員がその先頭にたって闘うことを期待したい。)
 最後に、高田健さんが行動提起。参院選挙があるので継続審議はない、廃案か成立かだ、このかんの反対運動によって安倍首相の「五月三日までに成立」はすでに破綻させた、さらに闘いを広げれば廃案は可能だ、四月十二日の委員会強行採決を阻止するためにその日、野音から国会へ大きな行動をと呼びかけた。
 なお、「国会へ行こうアクション」の第三派は、四月十七日・午後六時から行なわれる。
 当面問われる最大の行動は、四月十二日・午後六時半からの日比谷野外音楽堂での大集会に結集し、衆院審議の山場に、国会を請願デモで包囲・圧倒することである。
 また大阪では四月九日、「STOP!改憲手続き法案4・9大阪集会」とデモ行進が、午後六時半・中之島公園女神像前で行なわれる。主催は、「とめよう改憲!おおさかネットワーク」。関西各地で抗議の声を急速に拡大しつつ、四月十二日などは、関西からもぜひ国会闘争に馳せ参じてほしい。
 五月三日の憲法施行記念日には、日比谷公会堂とその周辺で一万人集会が行われる(主催は、憲法八団体による5・3憲法集会実行委員会)。一万人と言わず、十万人を集める気概でもって改憲手続き法案を葬り去ろう。(東京A通信員)