【投稿】

「国会前連続ハンスト座り込み」(3・20〜5・3)に突入
  改憲国民投票法案を粉砕しよう
                  9条改憲阻止の会  佐藤 浩一

 三月十九日、衆議院第二議員会館で記念すべき会合がもたれた。全学連・全共闘・学生運動OB・賛同人による共同声明の発表と、四十名の出席者による交流、そして記者会見である。
 内閣発足以来その政策的力量不足からの支持率低下に見舞われた安倍晋三首相は、自身の本来の立場−戦後レジュームの打破、すなわち任期中の憲法改正とそのための改憲手続法=国民投票法案の制定を政治日程に乗せるに至った。五月 三日の憲法記念日までに国会通過を目指すという。
 問題は、よろめきながらとは言え議会内の多数を背景に「国民投票法案」が現実のものとなっていることである。そしてこれに対する有権者の声も、行動も、まだまだ不十分なことである。この事実が、かってさまざまな形で改憲につながる政治的攻撃との闘いを担ってきた学生運動OBたちの危機感となり、共同声明となった。またそうした思いこそが昨年の6・15国会デモ、10・21 銀座デモとつづいた「9条改憲阻止の会」による闘いを、今回の共同声明(3 月18日現在41名)に見られるように全自連系へ、全共闘系へと広げることにつながったのである。
 同交流会では、京都・大阪・静岡を含む出席者から、そして各分野からそれぞれの思いを込めた発言があった。親の介護、連れ合いの介護と厳しい環境にある友人が多くいる女性からの運動への思い、あるいは社民党市民運動委員会事務局の藤田さんからの、「改憲手続法」には両院に審査会を設置し、同審査会は国会休会中にも持続できるからくり=国会法改正まで含まれており、三年間は改憲はできないと言いながらその間に内容的に準備することができるものとしていることへの警戒、さらにはこうした内閣による改憲への取り組みじたいがそもそも三権分立の憲法違反であるとの発言があった。五十年もの昔の学生時代に受講した田畑忍教授(同志社大学元学長)の憲法論が、土井さんを通して氏の発言につながっている…という個人的な感慨にしばしひたった。
 翌二十日(イラク侵攻4周年)、共同声明を受けて「9条改憲阻止の会」による連続ハンスト・座り込みに突入した。期間は5月3日(憲法記念日)まで、土・日・祝日をのぞく45日間で午前10時〜午後5時、場所は国会前(第二議員会館前)だ。
 初日のハンスト者は小川登さんを含む7名、座り込みをした人を含め約50名(のべで約100名)が共に行動した。多少の差はあれ年そうおうの持病を持った60歳代〜70歳代の旧学生にとって、ハンストは決してラクとはいえないが、にもかかわらず決起集会は意気軒昂で活気に満ちたものとなった。ハンスト参加者、座り込み参加者の決意表明、社民党保坂展人議員による国会報告、さらに行動に連帯し参加した日弁連の弁護士数名からの発言が熱く続いた。通りかかった人たちも足を止め、ビラを積極的に受け取るなど反響も多く、また当日は同時並行でいくつかの国会前集会がおこなわれ、場所取りも一仕事になるなど政治の季節の到来を予感させた。
 ハンスト・座り込みは22日以降もつづいている。闘争現場にはさまざまな人が訪れ、非戦への思いを交流している。現場からは闘いの日誌がインターネットを通して発信されている。そしてこの闘いを通して同じ思いの仲間が行動に参加すること、若い人たちが参加することを呼びかけている。(3 月28日)


3・19共同声明 

 権力の「強制」に異議申し立てを!

                    全学連・全共闘・学生運動OB

◆子どもも、若者も、私たちのような壮・老年も、いま共通の思いは、「自分の生き方を干渉されたくない」という切実な気持ちではないでしょうか。何をしたいのか、どんな人生を送りたいのかは多種多様です。そのためにも「強制されたくない」のです。いいえ、それだけではなくて、より積極的には「十分な自己実現をしたい」と願う人もいます。
◆だから、私たちは、政治的社会的な、あるいは教育の面における「干渉」や「強制」の意図や気配に対しては、敏感に異議申し立てをする感性を養う必要があります。年齢を重ねたのだからもう勝手気ままに暮らしたいし、他人や社会に何が起ころうと無関心でありたい。でも、そうすると、野放しの「干渉」や「強制」がやってきます。どうしますか?
◆極端な「干渉・強制」が戦争です。戦争は貧しさから抜け出すために起こるかのように言われます。あるいは身を守るためだと。でも、核兵器・生物兵器を含む武器の開発で、戦争は人間や、生きものや、自然の死しか生みません。戦争はもうできません。それなのに世界では戦争が続いています。軍備増強が図られています。戦争について は最優先の異議申し立てが必要です。
◆私たちはかつて、学生運動という形で、政府や権力を持つ者の動きに異議申し立てをし、その暴走を食いとめようとしました。それは私たち学生が、異議申し立てをしなければ、政府や権力がどこへ行くか分からないという危惧があったからです。人々の不断の異議申し立てのないところに、人々による、人々のための、人々に責任を持つ政府は出来ません。だから、市民運動として、戦争につながる動きに対して異議申し立てを強めなければならないと思い立ちました。その具体的な表われとしての行動は、もとよりさまざまです。しかしその根幹については一致しています。すなわち、「学生運動、全共闘運動に身をおいた者として、自衛か侵略かを問わず戦争につながる一切の動きに異議を申し立て、侵略戦争の内外の犠牲者に謝罪し、非戦を誓った憲法前文と9条を変えない努力を続ける」ことです。
◆ 当面の課題は、9条改憲阻止の行動に対する、より具体的な意思表示です。とくに
「9条改憲阻止の会」が3月20日を期して開始する、9条改憲を許さない一連の行動
に対して、また関西「5/3決起集会・梅田デモ」に対して、各自がその意志や行動の
一半を共有し、できる限りの連帯・支援・参加されるよう、心から呼びかけたいと思い
ます。       
(2007年3月19日)

 世代を越え、知恵と力を合わせ、9条改憲を阻止しよう!
 思想、信条、政治活動の自由を奪う「国民投票法」粉砕!
 連続ハンスト・座り込み! 改憲への一里塚! 国民投票法粉砕!
◆期 間:3/20 (イラク侵攻4周年)〜5/3(憲法60周年)
     連続45日間(土・日・祝、休み)                 
◆時 間:午前10時〜午後5時                   
◆場 所:国会前                        

 歓迎します! 連続ハンスト・座り込み参加を希望される方は下記宛てご連絡ください。
9条改憲阻止の会  T&F 03-3356-9932 
E-mail kyujokaikensoshi@utopia.ocn.ne.jp
http://www.jca.apc.org/kyujokaikensoshi/


〔共同声明賛同人〕

星宮煥生(56年・全学連副委員長)
佐藤浩一(58年・同志社大学友)
塩川喜信(58年・全学連委員長)
仲尾 宏(58年・同志社大学友会委員長)
由井 格(58年・中大自治会)
井上淳一(59年・大阪府学連委員長)
小川 登(59年・京大同学会副委員長)
藏田計成(59年・東京都学連副委員長)
篠原浩一郎(59年・社学同委員長)
葉山岳夫(59年・東大緑会委員長)
平井吉夫(59年・社学同副委員長)
森迫嘉和(59年・立命館大自治会委員長)
岩崎 義(60年・大阪府学連書記長)
木村愛二(60年・東大文自治会)
黒羽純久(60年・全自連議長)
小塚尚男(60年・中大二部自治会委員長)
最首 悟(60年・東大教養自治会)
下山 保(60年・全学連中執)
新開純也(60年・京大教養委員長)
鈴木達夫(60年・東大教養自治会)
鈴木迪夫(60年・安保改定阻止高校生会議議長)
中村幸安(60年・明大中執委員長)
林  弘(60年・東京都自連議長)
前原和彦(60年・明大中執事務局長)
丸山茂樹(60年・全自連中執)
三上 治(60年・中大自治会)
矢沢国光 (60年・東大自治会委員長)
小野正春(62年・全学連副委員長)
塩見孝也 (63年・京都府学連書記長)
篠原竜夫(63年・立命館大自治会委員長)
渕上太郎 (63年・学芸大闘争委員長)
川上 徹(64年・全学連委員長)
中沢広凱(64年・大阪経大自治会委員長)
横山 一(64年・関西学院大自治会委員長)
小口恭道(65年・東大緑会)
片山正彦(65年・立命館大自治会)
野田雄一(65年・立命館自治会)
大口昭彦(66年・早大全共闘議長)
成島忠夫(67年・全学連副委員長)
秋田明大(68年・日大全共闘議長)
山本義隆(68年・東大全共闘代表)

3/18現在、41名(活動年順・アイウエオ順)