静岡空港反対
  代執行の強行さけ、長期戦への方針確認
    開港阻止へ決意新たに

 静岡空港では、〇九年三月開港に向け、〇五年秋に強制測量を行ない、昨年、矢継ぎ早に収用委員会を開き、昨十月二十日に畑部分、十一月八日に山林部分の収用決裁が行なわれた。昨十二月十九日が畑の明渡し期限と通告され、千七百名の共有者と立ち木トラスト所有者の山林部分の明渡し期限が、一月十日と通告されていた。
 この中、一月八日、「空港はいらない静岡県民の会」は、第十二回総会を開いた。総会は、せまり来る県の収用代執行に対しての戦術方針を確定する重要な場となった。
 激論が交わされ、結論的には、地権者からの、「闘いの拠点」=「オオタカの森の小屋」の自主移転と立ち木の自主伐採という提案を受け入れ、反対運動の長期戦略からいって「戦略的後退」(島野房巳共同代表発言)を選択した。代執行での収用費用(約一億四千七百万円)の請求による反対運動の解体攻撃に対し、開港後をも見据えた反対運動の継続・空港廃港へ向けた運動への、地権者からの「苦渋の選択」を行なったうえでの提案であった。
 県民の会事務局長は、総会を次のように総括報告している。「総会は闘う側の全体のまとまりを維持し、〇九年開港阻止に向けて闘うことを確認した。強制収用と行政代執行について具体的な対応方針を決定し、収用裁決取消訴訟の取組みとともに、どのようにこの空港の絶望的な将来を鮮明にしていくかが問われた。その意味で、行政代執行をさせない、これを『通過点』とするにしても、その先の闘いの展望に確信を持つに至ったかという重い課題は今後に残された。二十年に渡る闘いを続けてきた地権者の思いと判断は尊重されるべきで、その闘いを受け継いで県民多数の支持を結集していく課題が県民の会にあり、新たな運動に向け総会はスタートしたのである。」
 この中で一月十八日には、静岡地裁に「収用裁決取消訴訟」が八名の原告で提訴された。二月には八十名あまりの原告の第二次訴訟が準備されている。現地では、二十日に地権者達が立ち木二百五十本を自主伐採し、二十七日は「オオタカの森の小屋」を二十メートル移動させ、根本さんの畑に設置した。翌二十八日には、その「オオタカの森の小屋」の前に八十名が結集し、緊急抗議行動が行なわれた。地権者四名が各々闘いを継続していく決意を述べ、今後の闘う決意を確認した。
 今後、静岡空港設置許可取消し訴訟(最高裁審理決定)、事業認定取消し訴訟(審理中)、新たに提訴された収用取消し訴訟を支援し、収用反対署名の強化も図っていこう。
 三里塚では、一月十四日、三里塚芝山連合反対同盟の〇七年旗開きが、横堀研修センターで五十名の参加で行なわれた。世話人の柳川秀夫さん、農民の加瀬勉さん、東峰地区の石井紀子さんの発言があり、らっきょう工場の平野靖識さんがあいさつし、また静岡空港反対のメッセージをうけた。
 なお、暫定滑走路の北伸と新誘導路建設のための「東峰の森」破壊策動に抗して現状変更禁止を求めた仮処分申請に対し、一月二十三日、千葉地裁は却下の不当決定を行なった。ただちに高裁に抗告準備に入った。工事を二月にも着工するとのNAA黒野社長の発言もあり、「東峰の森」破壊工事着工への反対が問われている。
 関西では一月二八日、「関西三里塚闘争に連帯する会」が、〇七関西三里塚闘争旗開きを開催し、三十名が参加した。
(東峰団結小屋維持会・渡邊)