1・13日雇全協反失業総決起集会
  論議しつつ統一・団結強化へ

 一月十三日、「佐藤さん虐殺22年、山岡さん虐殺21年弾劾!追悼!日雇全協反失業総決起集会」が東京・山谷の玉姫公園で開かれ、機動隊の弾圧、右翼暴力団の妨害を許さず、全国から約一五〇名が結集、集会とデモンストレーションを貫徹した。
 集会は十時半から、山谷争議団の仲間の司会で始まり、「山岡さん、佐藤さんが、八一年の日雇全協結成を担い、日雇労働者解放の大衆的実力闘争の過程の中で右翼暴力団に殺されたこと、その二人の意思を引き継いで今も我々の闘いがあること、そして今日の失業者・野宿者の増大という新たな課題をふまえて闘っていこう」と提起を受けた。
 全体で黙祷を行なったあと、連帯アピールがATTACジャパン、アジア共同行動、三里塚空港反対同盟(北原派)、破防法・組対法反対共同行動から寄せられ、また争議団連絡会議・地域共闘交流会、長居公園仲間の会、大阪北越冬実、山谷労働者福祉会館活動委員会から決意表明を受けた。
 続いて日雇全協各支部の発言に移り、釜ヶ崎日雇労組の仲間は、「野宿者支援法を完全実施させ、野宿者問題を地域の闘いと結合させて闘うこと、それと同時に、日雇労働者の原則的な闘いで、行政が支援法を野宿者排除に利用することを絶対許さないことが必要だ。新自由主義グローバリズムに対決し、労働者の連帯を広げよう」と力強く訴えた。
 横浜市の寿日雇労組の仲間は、「寿地区では地域共闘の長い歴史があるが、このかんの中田市政による反動と差別の強化の中で、我々もより主体的な越冬闘争を闘ってきた。今後共、我々全協の団結が必要だ。全協の闘いを豊富化し、強化しよう」と提起した。
 野宿労働者支援では、名古屋の仲間が、「このかんの名古屋、東海地方での野宿者虐殺攻撃は、資本と行政の差別攻撃に大きな原因がある」と弾劾し、渋谷のじれんの仲間は新宿中央公園でのハンストなどを報告した。
 最後に山谷争議団の仲間が、「情勢は、野宿者、フリーター、不安定労働者が激増している大変きびしい時代だ。我々全協の活動領域をどう把握し、どう広げていくのか。全協の仲間、野宿者支援の仲間と論議を深め、闘いを強化しよう」とまとめ、集会を締めくくった。
 集会後、機動隊の不当規制を打ち破りつつ、山谷の街を大デモで席巻した。
 本年〇七年の全協集会は、大きな課題を示した。国内での野宿者をはじめ非本工・不安定労働者の激増、また第三世界、第四世界への絶対的搾取・抑圧の激化という二十一世紀の現況は、国際的連帯と国内での階級的かつ柔軟な闘いが必要であることを示している。日雇をはじめ不安定労働者の多様な要求を組織し、何よりも大衆と共に闘うことを原点にして、統一と団結をうちかためること、それが山岡さん、佐藤さんの遺志に応える道でもある。徹底的に論議しつつ、行動では絶対的統一を!(東京Y通信員) 


大阪・釜ヶ崎
12・25〜1・10第37回越冬闘争
  排除反対!実効ある施策を

 釜ヶ崎で、〇六〜〇七年第三十七回釜ヶ崎越冬闘争が、昨年十二月二十五日から一月十日まで行なわれた。今年のメインスローガンが、「安心して働き、生活できる釜ヶ崎を!」「実情にあった対策で!野宿しなくてもよい施策を!格差社会を作るな!平和憲法を守れ!憲法改悪反対!」である。
 十二月二十三日、三角公園にて「第三十七回越冬闘争総決起集会」が行なわれた。山田実・越冬実委員長、医療連、長居公園の労働者、野宿者ネットワーク、西成公園の野宿解消をめざす仲間を支援する会、釜ヶ崎講座などの発言、越冬実行委各班の決意が述べられ、最後に釜日労、反失連が闘いの方向性をまとめて集会を終った。
 越冬闘争は二十五日のセンター下での布団敷き、釜地区内の医療パトロールと毎日の炊き出しから始まった。三十日には集中期への突入集会が開かれ、この日より連日の人民パトロール(地区内、梅田、天王寺、戎橋、日本橋等へ仲間の安否確認と差入れ)が行なわれた。また、二十九・三十日と、南港での臨時宿泊所への申込みがあり、合計千三百名余の労働者が厳寒の中、体を休め、春に備えるため入所した。
 三十一日から三日までは、「越冬まつり」が行なわれた。
 残念ながら七日の医療パトロールで、仲間がガード下で死亡していた事が報告された。未だ年間二百名に達する野垂れ死(路上死)の現実がある。国・府・市への更なる施策への要求と追及が必要だ。
 四日には、恒例の「お礼まいり」デモが行なわれ、府市への要求書提出が行なわれた。越冬闘争は、十一日の布団あげをもって終了した。
 なお、釜ヶ崎講座の恒例の「越冬ツァー」は、一月三日に行なわれた。水野阿修羅さんの案内で、今回は多数の学生の参加もあり、十六名が釜ヶ崎内外をまわり、歴史と現実を視てまわった。新たな参加者には、じっくり釜ヶ崎をまわる機会であり、常連の参加者にも闘いの中で変化する釜ヶ崎を確認する機会として、定着している。
 釜ヶ崎では、会館や事務所への必要にせまられての住民登録を、あたかも犯罪の如くみなすキャンペーンが行なわれ、根本策を提示することなく選挙権の剥奪につながる移籍が強行されようとしている。また、世界陸上大会にかこつけた長居公園での強制排除も強行されようとしており、野宿の解決に向けた根本施策実施をせずに排除を強行する大阪市への抗議・糾弾が行なわれている。
 支援法の見直し年度である今年、野宿からの脱出に向けた、仕事を柱とした対策を迫っていこう。  (大阪Si通信員)