編集部だより

★朝、おきぬけで窓をあけると、サァーと冷気が流れ込む。ああ、やっと今年も、どうやら酷暑を乗り越えられるのか、というのが実感だ。★年をかさねて、夏は目覚めるのが早く、出勤時間も冬に比べると、二、三時間は早い。そのためか、出勤途中、老人ホームの隣の空地の叢から虫の声を聞くことができる。★最近は、都心でも空地が目立つ。一頃前は、商店街で櫛の歯が欠けたように、廃業のお店をよく見かけたが、今はさらに進んで空地をよく見る。★廃屋をさら地にできるのは、まだよいほうである。過日訪れた大阪では、廃屋が朽ち果てるままに放置されている。まさに、窓は破れ、瓦は部分的におち、家全体も傾いていた。★非常に危険な状態なのだが、私有財産保護の法律のため、行政も処置することができない。ただ、危険だから近かよらないようにと警告し、縄張りをもって通行止めにするだけである。★こんなことも、少子高齢化の時代だからという一言でかたづけるわけにはいかない。大資本や自民党政権がシャニムニ推し進める新自由主義で、都市も地方も猛烈なスピードで、自営業がつぶれているからである。★弱肉強食の新自由主義は、競争!競争!効率!効率!で、人の命を粗末にし、心も蝕んでいる。あの高度成長時代の「豊かさ」なるものの教訓はつかみえていないのである。★今朝もまた、停車場の隅の叢で虫が鳴いていた。(竹中)