阻止しよう!小泉8・15靖国参拝
  8・11〜15平和の灯を!ヤスクニの闇へキャンドル行動
  韓国、台湾、沖縄民衆と共に8・14明治公園へ


 退任まじかの小泉首相が、何と無責任にも八月十五日に靖国神社を公式参拝する危険が高まっている。日本の民主主義と対アジア外交を最後まで破壊し続けようとする、この小泉の暴挙を絶対許してはならない。
 六月二十三日、最高裁が、小泉靖国参拝違憲訴訟(大阪地裁提訴の第一次訴訟)について棄却の不当判決を出した。この判決は、原告の信教の自由が侵害されたとはいえないとして損害賠償請求を退けつつも、政教分離と平和主義の現憲法からすると首相参拝は違憲なのか合憲なのか、という肝心の憲法判断を回避したもので、下級審の判断をただ追認したものである。
 この判決によって、小泉参拝の危険が高まった。判決に対し、安倍晋三官房長官は「初の最高裁判決が確定した」と小躍りし(もう一つの確定判決、大阪の第二次訴訟いわゆるアジア訴訟での、小泉靖国参拝を違憲とした〇五年九月の大阪高裁判決のほうは無視している)、また小泉首相はあろうことか「慰霊の日」の沖縄で、「哀悼の念をもって参拝するのは憲法違反だとは思っていない」として判決を歓迎している。(小泉よ、靖国神社は沖縄全戦没者追悼式のように戦争犠牲者に哀悼の意を表しているのではない。それは侵略戦争責任者を賛美し、その誤まった国策の犠牲となった戦争犠牲者を哀悼するのではなく、「英霊」として顕彰し、侵略戦争を正当化している宗教施設である。)
 六月二八日、小泉は訪問中のカナダで、「一年に何回靖国に行こうが、個人の自由だ。」「中国側の言い分に従いなさいという人が、『靖国を参拝してはいけない』という人たち」などと暴言をエスカレートさせた。行政権の長という立場を顧みず個人の「心の問題」などとして、最悪の公私混同を意図的に行ない、また、外国に言われようが言われまいが日本自身が正しい歴史反省を行なうべき課題を、論点をそらして外圧反対にすりかえている。小泉のあいも変わらぬ手法である。首相靖国参拝への批判と懸念が、国内的には、総裁選を前に自民党内ですら広がり、国際的には、アジア諸国のみならず米国をはじめ旧連合国など世界中に広がってきたことに対して、居直るしかすべがなくなっているのである。米大統領ブッシュ唯一人が大目にみてくれているのが、唯一の頼りである。
 小泉の8・15参拝の策動は、首相やめぎわの無責任さというだけでは済ませられない。「靖国は、総裁選の争点にならない」との小泉の言は、次期自民党総裁(それは次期首相の可能性が高い)も靖国参拝を続けるのは当然だとする態度である。小泉の六度目の靖国参拝の策動は、靖国参拝でアジア外交が行き詰まったと小泉外交の五年間が総括されることを自暴自棄的に拒否し、自分の対米一辺倒外交路線を次期政権も継承せよ、と今後へ向けて反動的にアピールするものである。
 しかし、こうした小泉の賭けは墓穴を掘ることになるだろう。小泉政権の終わりをもって首相・閣僚の靖国参拝を永遠に終わりとさせ、「小泉外交」からの全面的転換が始められなければならない。
 小泉の8・15参拝強行に反対し、来たる八月十一日から十五日にかけて東京で「平和の灯を!ヤスクニの闇へ」キャンドル行動が展開される。これは、小泉靖国訴訟に参加してきた沖縄、台湾、韓国、また大阪をはじめ各地の原告など多くの人々が東京に結集して、国際的な大きな行動を実現しようとするものである。
 日程は八月十一日・午後四時、首相官邸前で靖国参拝抗議集会。十二日・午後七時、銀座キャンドルデモ。十三日・午後三時、証言とコンサートの集会(神田の日本教育会館)。メインとなるのが十四日・正午〜午後八時、明治公園での大イベント集会(午後六時からキャンドルで人文字メッセージをつくる)。十五日・午前八時半、小泉参拝に対する早朝抗議デモ(茅場町の坂本町公園)となっている。
 首都圏の人々の各行動への参加、とくに八月十四日・明治公園への大きな合流を呼びかける。(A)