〔献本紹介〕

  『自衛隊 そのトランスフォーメーション』
                小西 誠著  社会批評社  2006年7月刊    

 本紙読者や著者の皆さんから、しばしば書籍や小冊子の献本をいただきます。ありがとうございます。勉強させてもらってます。
 それで、献本いただいた書籍等のなかで、労働者人民の闘いにとって価値が高いと思われるものを、このコーナーで紹介させていただくことにします。
 さて、この本は著者の小西さんによると、「〇四年新防衛大綱の策定、〇五年日米安保再編以来の自衛隊の大再編の全貌を叙述したもの」で、「その創設以来といわれる再編の動きを著したのは、おそらく本書が初めて」。
 どういう再編か、というと「対中国抑止戦略のもと北方重視から南西重視へ」という意味と共に、「特定正面に対する強襲着上陸侵攻への対処」から「対テロ・ゲリラ・コマンドウ作戦」への再編という、冷戦後の基本作戦の変更がある。著者はこれを、〇一年に改定された新『野外令』など自衛隊内部文書の分析をつうじて詳述している。
 米軍の世界的再編も、冷戦対峙から「対テロ戦」へ、国家間戦争から非国家的勢力に対する治安戦争への再編と思えるが、「自衛隊と米軍の一体化」の意味がよく分かる一冊である。(新世界通信W)