編集部だより

★小泉政権末期となり、ライブドアの粉飾決算や村上ファンドのインサイダー取引、それに福井日銀総裁の村上ファンドへの投資・利殖と、立て続けに事件が暴露されてきた。★福井総裁の投資については、「規制改革・民間開放推進会議」の議長をつとめる宮内氏が会長であるオリクックスもからんでいる。★今年の三月期連結決算で、六大金融・銀行グループ全体の当期利益は、合計三兆一二〇〇億円余となり、バブル期ピーク(八九年三月期、一兆六六〇〇億円余)の約一・九倍となった。★これもひとえに、歴代自民党政権の銀行優遇策と日銀の世界に類をみない超低金利政策(この総元締めが、福井総裁)のおかげである。預金者からの数百兆円という膨大な金を「収奪」したうえでの不良債権処理と収益改善ということである。庶民の犠牲の上での金融機関救済は、誰が見ても明らかだ。★小泉政権の構造改革なるものが、庶民のための改革でないことは確かである。と共に、中央政府による地方支配という伝統的な保守党の体質は小泉政権でも変わっていない。それは三位一体改革なるものが、中央財政改善のために地方に犠牲を押しつける点に明瞭である。地方の財政自主権は依然として確立されていない。そもそも地方交付税などというのは、お上のお恵みという思想でしかない。(竹中)