教育基本法の改革をとめよう!
6・2全国集会&国会デモ

  闘い拡大し臨時国会へ


 六月二日、東京・日比谷野外大音楽堂で「教育基本法の改悪をとめよう!6・2全国集会&国会デモ」が行なわれ、全国から約三〇〇〇名が参加、国会に提出された教育基本法改悪案を必ず廃案に追い込むことが意思一致された。主催は、去る三月三十一日にも同所で提出反対の大集会を開いた「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」。
 集会では、呼びかけ人の高橋哲哉、三宅晶子、小森陽一の各氏がアピール。
 高橋さんは、「全国連絡会としては〇三年に最初の集会をやって以降、情勢はここまで来てしまった。継続審議となっても気の置けない闘いが続く。臨時国会、通常国会で必ず廃案に!」「教育基本法改悪案の核心は、教育の主体を、市民から国家へ再び逆転させること。与党は国家主義ではないなどと言っているが、愛国心の対象が統治機構かどうかなどは的外れの議論。愛国心の法的強制とは、統治機構がその都合の良い方向に国民を動員するためのもの。私が、市民一人ひとりが、何を愛するかを法律で縛るな!」と訴えた。
 三宅さんは、教育基本法改悪案は、官製道徳教材『心のノート』での「徳目二十三項目」をすべて網羅しており、いわば『心のノート』を全国民に広げるものとなっていると批判した。小森さんは、審議が始まったが、麻生外相が教育勅語を暗唱し、また「国体」の文言が乱発される現状になっている、こうした右傾化と日米同盟の軍事再編とがむすびついている批判した。
 各地からの報告では、埼玉の埼教組の組合員が、改悪案反対のティシュペーパー30万個配布の宣伝活動、また「愛国心」評価の通知表が埼玉でも問題となっているが、是正の動きとなっていることを報告。九州からは、大分県教組の仲間が地元での反対運動の広がりを報告。東京都からは、壇上に「被解雇者の会」「予防訴訟の会」などの横断幕が揃うなか、都教委による「日の丸・君が代」強制との闘いが被処分者の仲間から報告された。
 こどもの人権の立場から坪井弁護士、また大学生の立場からは東大の石田精一郎君が発言した。石田君は、東大の駒場寮つぶし、最近の法政での退学処分攻撃に触れつつ、教育基本法改悪案が「大学」の項を新設していることに注意を喚起した。
 国会議員からは、日共の穀田衆院議員、社民党の福島みずほ参院議員があいさつ。
 そして、呼びかけ人の一人・大内裕和さんが、当面の運動方向を以下の三点、改悪案の中味を知り、広く知らせること。国会闘争、国会に押しかける力を強めること。国会闘争と地域・職場の闘いとを結合すること、として提起した。
 最後に、京都の仲間が「集会アピール」を提案し拍手採択した。このアピールの特長の一つは、民主党案についても、「この案も教育基本法の基本理念を否定する点で大きな問題があります」として明確に批判していること。
 参加者全体が「廃案!」を唱和するパフォーマンスで盛り上げたあと、国会へ向けてデモ行進を行なった。
 この6・2集会は、思ったよりも結集がイマイチであった(会期延長なしの見込みで油断か?)。しかし、五月三十一日に教育基本法改悪阻止の共同アピールを出した東京都の三つの組合、都教組(全労連・全教)、東京教組(連合・日教組)、都高教(全労協に参加)が揃って参加していたことが目を引いた。この重大な闘いを通じて、教育労働者の枠組みを超えた共同が全国で進むことを期待したい。(東京W通信員)


憲法改革のための国民投票法案いらない5・19集会
  憲法情勢は重大化

 自民・公明が与党単独で改憲国民投票法案を提出することを決めた直後の五月十九日、東京・日比谷野外大音楽堂で「憲法改悪のための国民投票法案はいらない5・19集会」が開かれ、約二二〇〇名が参加した。主催は、先日の憲法記念日に四千余の集会・デモを行なったばかりの「5・3憲法集会実行委員会」(許すな!憲法改悪・市民連絡会、憲法改悪阻止各界連絡会議など八団体)。
 集会は、八団体の一つ、平和を実現するキリスト者ネットの大津健一さんが主催者あいさつ。続いて日弁連憲法委員会の内田雅敏弁護士、小森陽一東大教授、グリーンピース・ジャパンの星川淳事務局長がアピールした。
 内田さんは、日本弁護士連合会として改憲国民投票法案に一致して反対とはなっていないが、先の会長選挙でも示されたように「九条二項の堅持」では日弁連は一致しており、弁護士は憲法改悪阻止の先頭で闘っていくと法曹界での憲法闘争の現況を報告した。小森さんは、おもに教育基本法改悪阻止を語って、先月二八日に提出された教育基本法改悪案では「平和の希求」がバッサリ削除されている、平和憲法改悪と一体の教育基本法改悪を必ず止めようと訴えた。星野さんは、おもに共謀罪反対を訴えた。(「国際犯罪組織」を対象とするとされる共謀罪新設法案では、国際的市民団体による反対運動が目立っている)。
 政党からは、日共の市田書記局長と社民党の福島党首からの挨拶を受けたあと、改憲国民投票法案の提出をとりやめることなどを求める集会アピールを採択、銀座方面へデモ行進を行なった。
 こうした抗議運動にもかかわらず、五月二六日には与党の改憲国民投票法案と民主党案の両方が国会に提出された。今後は両案の擦り合わせが予想される。どちらの案も改憲を意図したものであるが、とくに与党案の場合、平和憲法改悪のためにのみ国民投票法制を作るという露骨なものであり、このような改憲国民投票法案は国民の大多数が何ら求めていないものである。(平和憲法改悪には反対であるが国民投票法制自体は必要として、提出された両法案にアイマイな態度を取る傾向が一部にあるが、これは政治の現実をみない危険な態度である)。
 情勢は、憲法改悪の手続き法案が審議に入るという重大な段階に入ったのである。平和憲法改悪に反対する国民大多数の意思を反映できる、大きな共同戦線の実現が問われている。5・19集会は、時宜を得た行動であったが、全労連や全労協の若干の動員を主とする低調な参加でしかなかった。共・社系の共同はもちろん、すべての民主的な勢力と個人が大きく合流できるような設定が問われている。(東京F通信員)
 
 
教育基本法改悪ストップ!5・27集会に五千名
  教育労働者の総決起へ

 五月二七日、「教育基本法改悪ストップ!5・27集会」が集会実行委員会の主催で東京・芝公園で開催され、降りしきる雨の中、全国から約五〇〇〇人が結集した。政府・与党が教育基本法「改正」案を四月二八日に国会に提出し、緊迫した情勢が続いている最中の開催であった。
 この集会実行委員会は、日本教職員組合(日教組)をはじめ、フォーラム平和・人権・環境、部落解放同盟、教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会よびかけ人、等で構成され、日教組は組織動員をかけてこの集会に臨み、全国から多くの教職員が結集した。
 集会は、実行委員会の熊谷一乗さん(平和・人権・民主主義の教育の危機に立ち上がる会)のあいさつに始まり、教育基本法改悪阻止全国連絡会の大内裕和さん、平和フォーラムの福山真却さんなどから闘争報告がなされた。最後に、全国連絡会の八尋麻子さんから集会決議が提案されて、教育基本法改悪を断固許さず闘う決意がさらに打ち固められた。
 集会終了後、参加者は時折はげしく降りしきる雨をものともせず、銀座・東京駅方面へ二時間のデモ行進を貫徹した。参加者は口々に、教育基本法改悪・憲法改悪を許さない決意を表明し、その思いを道行く人々に訴えた。
 日教組の中央は四月二八日、その日の小泉内閣による教育基本法改悪案の閣議決定・国会提出に対し、「教育の危機宣言」を発表して、「教育基本法・政府『改正』法案に反対し、国民的な論議を求めます!」というアピールを行なった。
 そして五月十六日から二六日までの十一日間、国会前での座り込み闘争に入っている。それは、日教組の各地方ブロックごとに取り組む日時を決め、動員するという方法で闘われている。また一方では、「教育基本法改悪反対全国キャラバン」を企画し、駅頭での情宣や街宣車での宣伝、日教組出身の各地方議員などによる街頭演説等に取り組んでいる。
 今回の集会は、これら一連の取り組みの一環として開催されたものである。そしてさらに六月五日には、全国キャラバンの結集として「6・5教育基本法改悪反対中央行動」が日教組主催で設定されている。
 しかし、教育基本法改悪案がついに国会に提出されるという危機的局面にあっても、いぜん日教組中央の取り組みは弱いと言わざるをえず、政治的な問題点をも抱えている。
 日教組は、改悪案提出前の四月十四日、中村書記長談話を発表し、その中で「教育基本法を改定する必要があるならば、多くの国民の意見が反映されなければならない」と述べ、「『教育基本法調査会』を衆参両院に設置…することを求める」と表明している。日教組中央は、平和を希求し、こどもを大切にして人権を尊重する教育基本法を断固守るのではなく、言わば改定論議自体はごもっともなどとして、政府・与党に初めから屈服してしまっているのである。
 それゆえに日教組はこのかん、「教育基本法調査会の設置に関する請願」署名を提起し、連合加盟の各組合などで署名運動をひろげ、これが教育基本法改悪反対の決め手であるかのようにして取り組んできている。
 また日教組中央は、与党案以上に反動的な内容を含む野党・民主党の教育基本法「改正」案に対して、明確に否定せず、アイマイな態度を取っている。五月十五日に中村書記長は、「日本を愛する心を涵養」を前文に盛り込んだ民主党案について、「前文であろうと、条文であろうと法律に規定されることには問題がある」との談話を発表した。しかし、与党案をつぶすための対案であるとして、民主党案を擁護する姿勢がある。組合出身の民主党議員を多く抱えているからといって、小沢党首や西岡元文相の一派が政略的に作った対案などに、日教組が肩を持つ必要はまったくない。
 教育労働者は、こうした日教組中央の日和見を許さず、5・27集会で勝ち取った団結をもって、さらに運動を強めなければならない。日教組中央を揺り動かし、潮流を超えた幅広い共同・団結を実現し、市民運動とも更に連携して闘いを拡大しよう。
 教育基本法を断固死守し、その平和・人権の理念を活かす教育現場を実現しよう。共に奮闘を!(日教組O通信員)


千葉県下の「5・3憲法集会」と6・18松戸市長選挙
  各政党・市民団体の統一戦線が実現

 5・3憲法集会は、首都圏では日比谷ばかりではなく各地でおこなわれている。その中でも近郊の松戸市でおこなわれている憲法集会は、歴史的長さと規模の大きさでは誇れる内容が在るのではないか。
 今年で二十二回目、実行委員会を形成し大規模になって四回目となる松戸「憲法記念日の集い」は、澤地久枝さんを招き、会場定員をはるかに越える千四百名の人々を集めて開催された。会場管理担当者からはもう入れないでくれとのクレームがつけられるほどで、ホールに入れない人々はロビーのモニターに多くが群がる光景さえでた。小泉政権のこれほどまでの憲法改悪の波に、人々の危機感がはっきりと現れているのではないだろうか。
 松元ヒロさんの政治コントに引き続き、澤地久枝さん講演は少女時代の侵略戦争体験から、中国北東部での難民生活、引き上げの中で現憲法への触れ合い、そしてジャーナリストとして兵士の軌跡を追跡し、その悲惨な人々の歴史から多岐にわたり平和と人権そして民主主義の重要性が語らえた。
 また翌四日、「九条の会・千葉地方議員ネットワーク」による憲法9条の集会が、船橋市でおこなわれた。当日千人収用の会場に、立錐の余地のない千五百名が結集し熱気にあふれる集会が持たれた。千葉地方議員ネットは、憲法9条を守るという一点で政党政派を超え、百五十五名の県議会議員、市議会・町議会議員が結集する全国唯一の九条の会である(すでに当紙433号において既報のとおり)。
 集会は、九条の会事務局長の小森陽一さんから、米軍のトランスフォーメイション(基地機能の再編成)と9条改憲の係わりについて語られた。九条の会の呼びかけ人である小田実さんからは、自身のかつてのアメリカ留学から、アメリカの力の論理に対抗する新たな世界の流れが起こりつつあることが報告された。二人の講演を踏まえて千葉地方議員ネットも改憲阻止の闘いを訴えた。
 この二つの千葉県における憲法集会に連動する形で、六月十八日に松戸の市長選がおこなわれる。松戸は基地問題や環境問題など市を二分する決定的な争点があるわけではない。千葉県を象徴するように、六十年余に渡り保守市政が続いてきた。首都圏近郊都市に顕著な傾向である国政選挙では、一定の投票率のうえ野党は強いが(四月二十三日の衆院千葉七区補選・松戸の有権者半数弱における民主党候補の勝利、本紙439号既報)、保守市政が続いてきたのは、居住地域の首長選挙への無関心ともいうべき事態が続いた結果と言える。六十年代美濃部都政に代表される革新首長を持つことの出来なかった松戸で、市民運動グループが中心となり民主党、日本共産党、新社会党が参加する候補者の擁立に成功している。
 市民派候補・本郷谷健次氏は、各市民団体、各政党と六項目の政策に合意し、単一の選挙母体「本郷谷けんじと松戸を変える会」を組織した。これは東京都下、国立、小金井、小平などの各市で実現した政党間のブリッジ共闘的な取り組みを一歩超える、市長選挙と言う課題別の統一戦線の実現である。
 われわれはこの松戸市長選の帰趨が、どのように決しようが、このような試みを断固として支持する。勝利の場合は、地方自治の典型を作る市民の民主主義の実現を見守りたい。このような地域における統一戦線を課題別重層的に全国に拡げることが、労働者民衆の団結の前進には緊要な課題と言えるだろう。(千葉Ku)


静岡空港問題
  5・31収用委員会公開審理
  地権者らの抗議で7時間余ストップ

  
強制土地収用NO!

〇九年春の開港を強行しようとしている静岡空港問題において、五月三十一日、県の収用委員会の第一回公開審理が、静岡市のグランドシップで行なわれた。
空港建設に反対する地権者・共有地権者、立木トラスト者たちは、「土地収用申請却下を実現する会」(却下を実現する会)を四月に結成し、去る五月十三日には、「事業認定取消」と「収用裁決却下」を実現する集会を開催し、闘う体制を整えてきた。
事業認定取消訴訟原告団は原告七十四名等三百名、地権者・共有地権者は千四百名を抱え、計千七百名余の権利者から、公開審理には百五十名が参加した。県からは三十名が参加し、十時から開催された。
しかし収用委員会は、意見陳述を希望した七十余名から十三名を選別的に選び、時間を指定するなどの運営を行なってきた。会場では、収用委員の席が高く設けられることなどがあり、地権者たちは、開催と同時に壇上にあがり演壇を占拠し、委員会に抗議を行なった。地権者代理人弁護士が代表で協議を重ね、七時間余も審議をストップさせた。
ようやく五時に開催され、収用委・増田堯会長が「コミュニケーションが欠けていた」と述べ、次回以降、事前協議の場を設ける表明を行なった。県による事業説明と、地権者代表が「静岡空港は過大な需要予測に基づいており却下されるべき」との主張を行なった。収用委員会の一方的なペースと運営を阻止し、事前協議を行なうことを認めさせたのは、圧倒的な県民の会の結集と闘う体制によるものであろう。
次回は七月四日。「却下を実現する会」は、土地収用「NO!」を求める署名活動を呼びかけている。積極的に署名活動に取り組んでいこう。
一方、静岡空港と同様、昨年十二月、異例のスピード審理で、国交大臣が設置を許可した新石垣空港では、国の沖縄県に対する用地取得の補助金の措置があり、県は担当職員を倍増して、用地取得の体制を強化してきた。更に石垣市は、地元白保公民館が条件賛成に転じた要求の、新公民館の建設を〇七年度中に実施することを表明するなど、反対運動再燃をおそれ、用地取得を急いでいる。
地元での反対運動の苦しい情況の中で、「八重山・白保の海を守る会」を中心に、「新石垣空港設置許可取消訴訟」が準備されている。訴訟は、新石垣空港設置許可が環境影響評価法に違反し、航空法の要件を満たさず、生物多様性条約を守っていない等を争点として構えられている。
南方への軍事的な拠点として転ずるのが明白な石垣島での新空港建設に反対し、また、県民の意志を無視し、ムダな公共事業の典型としての静岡空港に反対する闘いを、全国の空港建設反対、空港の軍事利用反対の闘いと連携して闘っていこう。
(東峰団結小屋維持会 渡邊)


 6・3〜4 釜ヶ崎
  中西五洲『理想社会への道』発刊記念集会
  「対抗軸」へ仕事・地域づくり
 
六月三〜四日、大阪・釜ヶ崎において、中西五州さん著作の『理想社会への道』(同時代社)発刊記念集会が、「釜ヶ崎講座」の主催により開催された。一日目は中西さんによる講演がおこなわれ、釜ヶ崎NPO、釜ヶ崎反失連、釜日労、釜ヶ崎講座のメンバーを中心に二〇名が参加、二日目は中西さんを囲んだ実践的交流ということで、NPO法人スローワーク協会、近畿労働金庫、部落解放運動、愛隣労働福祉センター、三重県健康福祉生協、釜ヶ崎NPO、釜講座で活動しているひとびと十四名が参加した。
第一日目の講演の中で、中西さんは次のように話された。
「私の原点は、二十五〜六歳ころ敗戦直後の社会状況の中で、幹部と組合員が一体となった職安闘争(講演会場は元職安の建物。当時を思わせる部屋のつくりだとのこと)。失業のない、貧乏のない、戦争のない社会を創るためにどう運動すればいいのか?資本主義をどう乗り越えたらいいのか、一生かけて考えてきた。目先のことだけではダメ。最近の日本は、小泉の構造改革にやられっぱなし。対抗軸を創っていかねばならない。ソ連方式ではだめ、国民の支持がなかった。助けあい、協同、分かち合いの社会を目指そう。いま、生産者と消費者が一緒になってやる市民企業というものを考えている」と。
二日目は、諸団体の実践の交流がおこなわれた。
各団体の実践と問題意識が報告され、活発な討論が展開された。この交流会は、おのおのの事業がたこ壺化している現状をこえて、横の結びつきを形成し、地域社会作りへ高めていこうとする志向、中西さんの言う「対抗軸」の形成への流れを前進させていく上で、ささやかながらも良い集まりになったと言えるだろう。(大阪M通信員)


4・15
 第10回釜講座「釜ヶ崎と福祉」
   生保はじめ多様な活動が

一月二十一日、会員の集いを行ない発足以降のマトメを行なった「釜ヶ崎講座」は、四月十五日、第十回講演の集いを七十名の参加で開催した。テーマは「釜ヶ崎と福祉――高齢・野宿労働者を取り巻く福祉の現実から」で、NPO釜ヶ崎支援機構福祉部門スタッフが講演を行なった。
NPO釜ヶ崎福祉部門では、年間千名を超える新規の相談者に対応している。日に平均三十名もの相談をうけている。高齢化し、病弱になってきた釜ヶ崎労働者に対し、生活保護適用を中心とした福祉的な対応を軸としている。
法的運用も変化し、釜ヶ崎のドヤも福祉マンションに転用するなど受け皿も大きく変化しており、西成区とりわけ、釜ヶ崎地区内での生保受給は大幅に上昇した。福祉部門の活動は生保取得だけにあるのではなく、療養、生保取得後のフォローなど、多様にわたって釜ヶ崎労働者を支えている等の、福祉部門の多様で多忙な取組みが報告された。
昨年の「医療――健康支援」の講座のテーマに続き、就労を中心軸としながら、幅広い支援機構を中心とした活動が明らかになった。
講座では、続いて「仕事づくり」をテーマに、中西五洲さんの著作発行記念講演会に取組んでいった。(大阪S通信員)