編集部だより

★本紙が発行されている頃には、ワールドカップが開催されているだろう。教育基本法改悪、国民投票法案、共謀罪の問題点をマスコミが論議の焦点とするよりも、ジーコジャパンが決勝トーナメントに残れるかどうかのほうが問題であるがごとくに扱っている。確かに日の丸を掲げ、国家意識を高揚させるには、またとないチャンスと言える。★四年前のW杯日韓共同開催では、米軍装甲車による女子中学生轢殺事件があり、韓国中が反米闘争に燃え上がった大会であった。ここに民族主義と国家主義の違いを垣間見る思いがする。民族問題におけるコミンテルンを始めとした、マルクス主義者の過ちの歴史も存在するが。★愛国心の強要や国家権力の露骨な介入を法制化しようという企ては、立憲主義に対する露骨な挑戦といえる。一部の改憲論者の中には立憲主義を歴史の中から都合よく個別に抽出をおこない法解釈的な立場に終始し、階級闘争の歴史的な所産としての民主主義に対する無理解もしくは無視から改憲を強要する主張も見られる。★ともあれ現在の日本では、主戦場が職場生産点での後退から地域市民住民運動にシフトしている。住民自治の徹底化は有利な条件を形成するだろう。各地の先進的な市民住民運動に着目しよう。そこには職場闘争や各種議会活動にはない直接民主主義の実現が可能だ。(日下部)