JR採用差別事件の勝利解決をめざす4・4全国集会
  大同団結で闘争の再出発

 四月四日、「国鉄労働者一〇四七名の総団結で不当解雇撤回? JR採用差別事件の勝利判決をめざす? 4・4全国集会」が、四千六百人の参加の下、東京・日比谷野外音楽堂で開催された。この集会は、昨年九月十五日の鉄建公団訴訟・東京地裁判決を契機に勝ち取られた三つの労働組合に属する五つの闘争団、争議団、原告団の総団結、「1047連絡会」の発足を受け、JR採用差別事件の勝利解決をめざして設定されたものである。
集会は、芹沢寿良さん(高知短期大学名誉教授)が、「大同団結を歓迎する。これうあ早期解決に向けた闘いの新しいスタートだ」とあいさつして開会。呼びかけ人を代表して中山和久さん(早稲田大学名誉教授)が立ち、「国鉄民営化は、社会党と総評をつぶすための政府・支配階級の攻撃だった。労働委員会は一つ残らず、一〇四七名の解雇を不当労働行為だと認定した。ILOは勧告を出し、日本政府がその責任において早急な解決を図ることを要請している。早急な政治解決を求めよう」と訴えた。つづいて、憲法九条改悪反対の立場から小森陽一さん(東大大学院教授)が、「日の丸・君が代」強制・教育基本法改悪反対の立場から大内裕和さん(松山大学助教授)が、呼びかけ人としてアピールした。
社民党衆院議員の阿部知子さんのメッセージが紹介された後、国労の佐藤勝雄委員長が、共に登壇した支援共闘の中里議長のあいさつを入れ込みながら、「国労は、組織の混乱を克服して一つになった。一〇四七名の被解雇者のうち三十九人はは既に亡くなり残された人々の生活苦は深刻だ。一日も早い解決にとって何が必要かを議論し、行動に立ち上がろう。具体的な要求と統一交渉団を作り上げ、解決のための舞台を形成しよう」と発言した。つづいて国鉄闘争に勝利する共闘会議の二瓶久勝議長が、「当事者・支援者が総団結して解決に向かって取り組もうという佐藤委員長の発言に大賛成だ。しかし、9・15判決の成果は、鉄建公団訴訟四年間の運動が引き出したもの。まだ裁判を起していない人は起していただきたい」と発言した。
そして闘争団、争議団、原告団がステージに上がり、1047連絡会各代表の決意表明。
国労闘争団全国連絡会議長の神宮義明さん、動労千葉鉄道運輸機構訴訟原告団代表の高石正博さん、全動労争議団事務局次長の森哲雄さん、鉄建公団訴訟原告団団長の酒井直昭さんがそれぞれアピール。参加者全員が拍手で応じた。
最後に集会は、宮田和保さん(北海道教育大学教授)が提起した集会アピールの採択、山口孝さん(明治大学名誉教授)による閉会あいさつ、団結ガンバローで締めくくられた。
集会後、東京駅近く常盤橋公園までのデモを行い、沿道の人々に解雇撤回を訴えた。
 「大同団結」の意義は、計り知れない。もちろんそれは、JR採用差別事件の勝利解決にむけた闘いの「新しいスタート」にとって、なくてはならないものであった。だが同時にそれは、「戦後政治の総決算」として発動された支配階級の政治攻勢の流れを止め、労働者階級・人民総体の団結を再構築して反撃への「新たなスタート」を準備する上でも、不可欠のものであった。正念場である。早期解決に向けて頑張ろう。(東京M通信員)


06春闘−賃金闘争の新方向問われる
  日本のCPE状況打破しよう

 〇六春闘は、久しぶりの「賃上げ春闘」などと言われた。しかし、ベースアップを闘ったがゆえに、ほころびかけていた春闘の実情も見えてきた。金属労協での同一業種の格差回答に見られるように、業界横並び回答は完全に崩れた。企業内に埋没し、配分も会社主導、賃上げ内容の不透明、歯止め設定失敗など、今まで指摘されていた課題が明白になった。
 これは大企業労組だけの問題ではない。中小企業労組でも同様の問題を抱えている。成果賃金の導入など賃金体系が変化しているし、非正規労働者が増大している中で、いままでどおりのベースアップ論で良いのか、連合の言う「賃金改善」論の内容は何かが問われている。
 このように賃金闘争で新しい基本方針が問われるなか、雇用と権利についても深刻な課題に直面している。厚生労働省で労働契約法制の検討が行なわれているが、フランスCPE(二六歳未満に首切り自由の二年間試用期間を導入)に劣らない試行有期雇用契約の導入が課題になっている。日本の有期雇用、派遣労働などはCPE状況ではないのか。
 今春闘では、全労協や全港湾などによる「〇六けんり春闘全国実行委員会」が、非正規労働者の権利確立を前面に掲げてたたかったが、理論と政策の十分な検討なしには、フランスの闘いのように社会を揺るがす大きな運動を形成することはできないだろう。共に奮闘していきたい。
 そのフランスCPE闘争の勝利(四月十日にドビルパン政権はCPE撤回を声明)は、日本の労働運動や青年運動の活動家にも大きな刺激を与えている。

レイバーネット4・27
  「仏CPE反対闘争の現場から」

 四月二七日に、「フランスCPE反対闘争の現場から」と題して、レイバーネット日本の例会が東京で開かれた。語り手はフランス郵便労組(SUD−PTT)のエルワン・ケレンさん、聞き手は佐々木有美さん、通訳は菊池恵介さんによってすすめられた。
 ケレンさんは次のように語った。この闘争は、労働者の課題であるが、先進的な学生の決起から始まり、政治的無関心といわれる若者の参加者が増え、ついには学校占拠や、当局による学校閉鎖に至った。学生は労働者に共闘を呼びかけ、労働者が参加していった。闘争を担った全国組織である「連帯」には、学生組織、労働組合、政党、ATTACやPTA連盟などの市民団体など二十六団体が参加した。学生の呼びかけと、世論の支援の中で、地域から幅広い共闘組織ができあがった。
 底流には、昨年五月の国民投票で、多国籍企業の一層の自由を保障するEU憲法の批准を拒否したこと、昨秋の「郊外暴動」と言われる若者の決起など新自由主義に反対する運動の流れがあった。
 労働組合ではこれまで、二〇〇二年から〇三年にかけて年金改悪反対でゼネストを打ち、百万人のデモを闘ったが阻止できなかった敗北感が大きかった。しかし今回のたたかいで、成立した法律を撤回させた勝利感が大きな自信になった。
 フランスでは、社会党より左派の政党への支持が43%、極右が12%であり、既成政党からの離反が広がっている。フランスは例外ではない。新自由主義によって窮乏化がすすんでおり、新自由主義に反対する動きは、イギリス、ドイツ、イタリアにあるし、南米では政権を握るまでになっている。フランスのメディアは当初政府の代弁をしていたが、学生たちへの支持が世論の70%に広がる中で論調が変化していった。
 その他、警察の弾圧、「壊し屋」にも話しが及び、とても有意義な会合であった。(K)


日比谷メーデー
  憲法・教基法改悪に対決し

 第77回日比谷メーデーが五月一日に行なわれ、全労協に参加する労組など一万五千人の労働者で日比谷野外大音楽堂が埋め尽くされた。
 午前十時に開会が宣言され、主催者挨拶に阿部力・国労委員長が、また連帯挨拶に増渕静雄・都労連委員長が登壇した。さらに決意表明を、フォルムコンドルユニオンの仲程モニカさん、均等待遇アクション21の柚木康子さん、国労闘争団の小野浩二さんが行なった。
 メーデーアピールは、東水労青年女性部長の本木寛さんが提案し、万雷の拍手で確認された。アピールは、「06春闘は企業が史上最高利益を上げるなか闘ったが、経営側はベースアップを否定している。小泉政権の『小さくて効率的な政府』は労働者民衆を襲っている。それらがJR事故、耐震偽装、BSE問題などを引き起こしているが、さらに政府は日米軍事同盟再編強化や憲法改悪を目論んでいる。私たちは公平・公正な社会、共生・共存、平和と民主主義を掲げて闘うメーデーを成功させよう」と訴えた。
 集会参加者は四梯団に分かれて、銀座付近までデモ行進を行なった。今年のメーデー行進では、四月二八日に教育基本法改悪案の国会提出が強行された直後ということもあり、都高教など教育労働者を先頭に、教育基本法改悪阻止の声が強くあげられていた。(東京H通信員)


新宿メーデー
  下層・非正規の仲間力強く

 五月一日、新宿・柏木公園において、「新宿野宿労働者の生活・就労保障を求める連絡会議」主催によるメーデーが開催された。
 「地域生活移行支援事業の大規模実施を!」と掲げられた横断幕の下には、新宿はもとより、全都の寄せ場労働者、野宿労働者が結集した。
 新宿連絡会の葛西さんの司会で始まった集会では、山谷、池袋、新宿での闘いの報告や、「三鷹夜回りの会」による三多摩の闘いの報告があり、また最後に「フリーメーデー救援会」が登場して、「フリーター全般労働組合」呼びかけによる「自由と生存のためのメーデー06」(四月三十日開催)で三名の仲間が不当逮捕されたことが報告され、支援が呼びかけられた。
 集会後、中央公園までのデモが闘われ、権力の不当な弾圧に抗して、都庁前では代表団による都・23区への要望書提出行動が行なわれた。
 「連合」が5・1メーデーを放棄してから久しいが、「全労連」や「全労協」のメーデーとともに、労働者の力強いメーデーの闘いが、下層労働者・非正規労働者の闘いとして続けられているのである。
 「格差社会」が進行し、一方で「改憲」―「戦争をする国」へと突き進む小泉政権と対決し、下層労働者を推進翼とする階級的労働運動の創出こそが問われている。
今日、非正規労働者は、全労働者の三分の一を超え、青年・女性労働者では過半数となっている。
昨年十月の連合会長選での、全国ユニオン会長の善戦に見られるように、非正規労働者の労働潮流が今こそ問われている。
こうした運動の推進翼として、日雇労働者、野宿労働者の運動の力強い発展が問われている。
第12回新宿メーデー(全都メーデー)万歳!
4・30「フリーメーデー」での三名の仲間への不当逮捕を許すな!
各地の排除や差別襲撃を打ち破ろう!
                     (東京S通信員)


中之島メーデー
  命を守り、弾圧と闘う

 第七十七回大阪中之島メーデーは、五月一日中之島剣先公園に千名の労働者の参加で行なわれた.。主催は、全港湾大阪支部、全日建関西生コン支部、大阪全労協の各委員長および国労近畿地本副委員長を呼びかけ人とする中島メーデー実行委員会。
 今年も「競争より共生の社会を」のスローガンで闘われ、JR福知山事故一周年の国際シンポ、尼崎アスベスト問題など、いのちを守る闘いと、一年余の長期拘留を打ち破り武委員長の保釈を勝ち取った関西生コン支部の弾圧に対する闘いが報告された。
 大阪労働弁護団、関西共同行動の連帯あいさつ、社民、新社、無所属の地方議員のあいさつがあり、梅田までのデモ行進を行なった。(大阪N通信員)


釜メーデー
  仕事獲得を軸に更に

第三十七回釜ヶ崎メーデーが闘われた。前日、四月三十日夜、三角公園にて前夜祭が行なわれ、映画『あたりや大将』が上映され、多くの労働者が楽しんだ。
五月一日、早朝七時より、センターにて集会が行なわれた。今年は、仕事を持ってこい!野宿をさせるな!タコ部屋飯場追放!安心して働き、生活できる釜ヶ崎を!―のスローガンの下に行なわれ、当日連合の大阪城講演でのメーデー会場清掃に百名が、特別清掃事業に二百名が就く中で、センターには四百名が結集し、闘われた。
山田実釜日労委員長・反失連共同代表が、釜ヶ崎メーデーの闘いの歴史を再確認し、シェルター・特掃・炊き出しの固定化を打ち破り、野宿しなくてすむ、仕事獲得を軸とした更なる闘いを進めていこう、と述べた。釜ヶ崎講座、夜回りの会などの連帯のあいさつがあり、八時半、センターを出発し、地区内をデモし、三角公園へ。腹ごしらえの後、九時、三角公園を出発、「釜ヶ崎席捲デモ」を貫徹した。  (大阪S通信員)