米日軍事再編「最終報告」を粉砕しよう
  各自治体からの連帯で対峙を

 日米両政府は三月末までに、在日米軍・自衛隊の再編計画の最終合意を強行しようとしている。この米日軍事再編「最終報告」の合意を阻止すること、また、合意が強行されたとしても関係自治体・住民をはじめとする労働者人民の闘いを堅持・拡大し、政権末期の小泉連立政権を打倒し、「最終報告」の実施が不可能な政治情勢をかちとること、こうして東アジア連帯・改憲阻止などの日本政治の当面の転換を実現することが緊要な課題である。
 昨年十月の日米2プラス2協議で合意した「日米同盟・未来のための変革と再編」は、日本では「中間報告」と称されているが、ブッシュ政権側はすでに確定したものという態度を取っている。小泉首相も二月下旬、額賀防衛庁長官に「中間報告どおり、自治体を説得せよ」と改めて支持している。軒並み反対の基地再編関係自治体を条件交渉に導くために、小泉政権はあえて「中間報告」とメディアに流したが、修正も一切ないと開き直っている。ブッシュのみに顔を向け、「本土」・沖縄の民衆には強圧的に臨むという独裁者に他ならない。ラムズフェルド米国防長官にしても、〇四年の来日・来沖時に「歓迎されない所には米軍基地は置かない」と発言したが、今はまったくこれを反故にしている。
 しかし、「最終報告」は強行できるのか。できるような政治情勢なのか。「中間報告」で基地再編・強化が頭ごなしに降ってきた自治体は、そのすべてが白紙撤回あるいは修正なしでは拒否という態度を現在に至っても続けている(横田基地周辺のごく一部が容認見解を示したのみ)。沖縄、岩国、座間・相模原、鹿野、築城、千歳、そして(「中間報告」の枠外で原子力空母の母港化が押しつけられようとしている)横須賀などなど、すべてが中央政府に同調していない。日本国憲法の原則の一つである地方自治を撲滅してしまわないかぎり、「最終報告」は宙に浮く情勢にあると言って言いすぎではないのである。
 その基地強化拒否の原動力は、各自治体の労働者・住民の闘いである。「労働者・市民の力で各自治体を平和の側へ踏み止まらせよ」(本紙〇五年十一月号)という闘いが、まだその勝利とまではいかないが、それなりの対峙状態を生み出しているのである。
 沖縄では、一月の名護市長選挙に敗北したものの、新基地建設の辺野古沿岸案・基地の北部集約案への全民衆的怒りに規制され、島袋新市長も沿岸案についての政府との協議を拒否している。また、海上案を頭ごなしに反故にされた稲嶺知事も、もはや県外移設しかないという態度を維持している。
 三月五日には、九五年の大田知事を先頭としたあの県民大会と同じ会場(宜野湾市海浜公園)で、「普天間基地の頭越し・沿岸案に反対する3・5沖縄県民総決起大会」が開催される。今のところ稲嶺知事の参加はないようであるが、超党派の島ぐるみ的決起となることは明らかだ。
 岩国市では、厚木から岩国への米空母艦載機の移転案を問う3・12住民投票が迫っている。これは全国情勢を左右する当面の決戦である。そして市民運動が相対的に強いとはいえない岩国市で、この住民投票を成功・勝利させることは岩国市民の大きな挑戦である。全国の支援で岩国市民を支え、安倍官房長官の地元県でこそ中央政府派に打ち勝とう。その意義は基地再編の力関係にとどまらず非常に大きい。
 座間市・相模原市では、座間基地への米陸軍第1軍団司令部の移転案、相模総合補給廠の自衛隊基地化などに反対し、市長・市議会・住民ぐるみの運動が拡大している。一月二九日に相模原市では自治会連合会が決起し、千二百名のデモを初めて行なって白紙撤回を求めた。三月十二日には座間基地への三回目の大行動が行なわれ(午後二時、座間公園)、四月にはゲート前座り込みに入る。
 こうした現在の各自治体での労働者・住民の闘いは、最大野党・民主党や連合に対しても米日軍事再編を容認しない姿勢を強制している。この闘いの発展は、民主党内や連合内での、9条改悪と集団的自衛権行使を認める勢力に打撃を与える。左翼勢力だけでなく、すべての野党系勢力が小泉連立政権を包囲する状況をかちとらねばならない。(民主党は現在、その用意不十分な「ライブドア送金問題」追及によって、逆に小泉政権から反撃される失態を演じているが、昨年総選挙前に堀江から自民党に非合法にカネが流れたこと自体はおおいにありうることだ。腐敗した新自由主義政権を徹底追及し、打倒せよ)。
 あらゆる力を結集し、日米軍事一体化・共同侵略戦争体制をすすめる「最終報告」を粉砕しよう。