空母艦載機「岩国移転NO!」の圧倒的住民意思を
3・12岩国住民投票の成功・勝利へ

 三月十二日に実施される山口県岩国市の住民投票は、米空母艦載機の岩国基地への移転の是非を問うものであり、圧倒的に成功させ(過半数で成立)、かつ勝利すること、すなわち艦載機移転反対の岩国市民の意思を圧倒的に日米両政府に突きつけることが問われている。岩国住民投票の成功と勝利は、日米基地再編合意を押し返す全国的力関係にとって、また住民自治という民主主義の根幹にとってもきわめて重要だ。必ず勝利すべき闘いである。
 本紙読者の皆さん! 岩国市に家族・親類、友人・知人がおられる方は、「投票場へ、そして移転反対に○を」とぜひ一報されることを訴える。また、住民投票の成功・勝利をめざす地元の人々は全国からの応援を呼びかけている。可能な方は、現地に行って集会参加・ビラ配布などを手伝おう。
 この岩国住民投票は、井原勝介・岩国市長が二月二日にその実施の意向を明らかにし、つづく七日に発議したことによって実施が確定したものである。岩国市議会はすでに昨年六月、空母艦載機の移転反対の決議を行なっているが、昨秋の日米基地再編合意「中間報告」以降、市議会ではいわゆる振興策と引き換えに艦載機移転を容認する動きが強められた。移転「白紙撤回」の井原市長と、条件交渉に傾く市議会との間で矛盾が出てきた以上、住民投票を実施し、住民自治の基本に帰って自治体の意思を改めて明確にしようとすることは当然である。
 また、岩国市は三月二十日に周辺町村と合併し、四月に合併後の市長選挙が実施されることになっている。続投の意思の井原市長に対し、その移転反対姿勢を転換させることをあきらめた自民党とその山口県連はすでに、現職井原氏を引きずり降ろすべく対立候補を擁立している。市長選と連動した政治構図であり、住民投票の成功で支持を固めるという現職市長なりの大きな勝負になっている。こうして、このかん岩国基地沖合拡張を押しつけられ、基地反対の声が上げにくかった岩国市民にとって、大きな反撃のチャンスが到来することとなったのである。
 市議会の八割を占める二十三人の議員は、市議会の反対決議は生きているから住民投票は不必要だ、税金のムダ使いだなどと言って市長の発議を阻止しようとしたが、その多くは、移転撤回を非現実的とし、条件交渉でいかにカネを政府から引き出すかというのが本音であった。しかし住民投票の実施が決まってからは、投票に行く方向で呼びかける議員も増えている。
 また住民投票に対し、政府や県内の保守勢力は、「防衛問題は国の専管事項だ」などケチ付けを行なっている。この論理では、市民の平和的生存権に関わる基地問題に、自治体や住民は何も口を出せないことになる。井原市長の二月二十日市議会での答弁、「岩国基地問題は市民生活にかかわる最重要事項。住民意思を確認した上で市の対応方針を示すのは当然」というのが常識だ。
 市長発議を支持し、住民投票を成功させるための運動が急ピッチで展開されている。そうした地元団体の一つ、「住民投票を成功させる会」(共同代表・大川清)は二月十八日、「徳島・吉野川河口堰の住民投票から学ぶ」講演会を姫野雅義氏を招いて行なうとともに、ビラ全戸配布を開始した。
 また三月五日には、成功させる会、ピースリンク広島・呉・岩国など市民団体を中心に、錦帯橋河川敷で大集会や「3・12GO!」の人文字行動が行なわれる。この日は、沖縄での沿岸案反対・県民総決起大会との同時行動ともなる。また三月十九日には、連合地協など労組組合の現地大集会が行なわれる。
 岩国の住民投票勝利・移転NO!のうねりに全国から連帯しよう!(A)
◆「住民投票を成功させる会」の連絡先 TEL&FAX・0827−43−0312 岩国市岩国1−19−10喫茶「昴」内
  
 
  在日米軍再編反対2・23全国集会

 二月二十三日、「在日米軍再編反対2・23全国集会」が東京・日比谷野外音楽堂で開かれ、三月末といわれる日米両政府の基地再編「最終報告」を許すな、基地強化の合意を撤回せよと訴え、労働組合員など約一五〇〇名の集会および国会までのデモ行進を行なった。主催は、平和フォーラムや一坪反戦地主会関東ブロックなどによる集会実行委員会。
 最初に平和フォーラムの福山真劫さんが、「全国の関係自治体が、全野党が、連合も含め全ての労働組合が、日米基地合意に反対している。『中間報告』と原子力空母配備とを何としても撤回させよう」と主催者あいさつを行ない、ワールドピースナウの栗原学さんが協力団体あいさつ。そして「原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会」の呉東正彦さんが、原子力空母母港化反対署名は現在三十八万、「最終報告」も原子力空母をいらないと連帯あいさつ。
 政党あいさつは、民主党の平岡秀夫さん、社民党の福島みずほさん。みずほさんは3・12岩国住民投票の勝利の必要を強調し、基地再編阻止が憲法改悪阻止に直結すると訴えた。照屋寛徳、辻元清美さんらも参加していた。
 つづいて、3・5県民大会をひかえる沖縄平和運動センター、岩国住民投票が注目される山口県平和運動センター、また自治労青年部から活動報告。
 岩国の情勢について山口平和センターは、政権に直結する山口保守政界による井原岩国市長への攻撃、地元の移転容認派による「住民投票に反対する会」の立ち上げなど情勢は厳しいものがあるが、県下・全国の連帯で住民投票を成功させようと報告した。
 最後に、日米軍事一体化に反対し小泉内閣を打倒しよう!と呼びかける集会アピールが、辺野古実行委員会の仲間から提案されて確認された。
 この集会、首都圏では地域共闘で事前宣伝に取り組んだ地域(東京東部六区の沖縄連帯共闘など)もあったが、参加者数は盛り上がりを欠くものに終わった。しかし、相模原地域など各基地現地では住民ぐるみ的闘いが前進をみせている。これと連動した対国会・対政府の中央行動の持ち方が、さらに工夫されるべきだろう。(東京F通信員)