今、職場では 

 郵政民営化は民意が得られたのか――
    組合改革のチャンスに転じよう

 一度は参議院で「否決」された郵政民営化法案だったが、小泉総理の憲法違反とも言える衆議院解散によって、先の総選挙は自民党の圧勝に終わった。その後、「民意が得られた」として、政府の自民党・公明党は郵政民営化法案をスピード可決、成立させた。
 理不尽な選挙結果とはいえ、現実には、一時は敗北感で気がボーッとしていた。だが、月日がたつにつれて、いかに今回の郵政民営化法案がいい加減なものか、改めて感じた。そこで、私の今後の活動展望を語りたい。
 選挙後の巷(ちまた)の話でも、「何故、民営化なのか?」、今でも大多数の人々が理解しているとは、とても思えない情況下で、とにもかくにも郵政民営化法がスタートした。
 労働組合も、今秋の年末オルグを開き、「現実対応」で取り組む方針をたてて、@社会システムとしての郵便機能保持、A経営の持続可能性の追求、B雇用と労働条件の確保――を柱として活動する、と本部から説明がなされた。
だが、民営化法では〇七年十月とされる「四分社化」そのものが具体的に見えてこない現状では、組合員の理解を得るのは難しいと感じている。施行された以上、組合として「現実対応」も重要だろうが、むしろ、完全民営化までの十年間に、政治改革や経済変化もおこりうることを前提で、繰り返し、繰り返し、労働組合の意義やわれわれの労働の社会的意義などを組合員と議論し、完全民営化でよいのかと、批判の声を持続することが大切であろう。
その中で、移行期の雇用問題、賃金・労働条件(とくに非正規労働者)の不安に、今の労働組合で対処できるのかと課題を提起し、また労働組合の民主党支持(今度の前原代表は小泉「改革」と同じ内容で、また戦争のできる憲法改正に熱心だ)についても問題にあげることなどによって、組合改革につなげることもできると思う。
「国民の圧倒的多数の支持」が得られたと誤解し、強引に通した郵政民営化法の化けの皮は、必ずはげると確信しつつ、組合改革も含めた現状の変革を現場から、仲間と共に追及したい。(日本郵政公社労働組合員N)