第17回コミュニティ・ユニオン全国交流集会
  100ユニオン・2万人組織化へ

 十月二十二日〜二十三日、第17回コミュニティ・ユニオン全国交流集会が、七十一ユニオンと四百数十人の参加のもと、福岡県宗像市の玄界灘を臨むホテルで開催された。
 第一日目は、コミュニティ・ユニオン全国ネットワークの第17回総会で始まった。せんしゅうユニオンの上田育子全国代表の開会のあいさつに続いて、来賓のあいさつがあった。  
 その後、議事に入り、二〇〇五年の活動報告、決算報告がおこなわれた。活動報告では、各地方のネットワーク化が進み、地方でのユニオンの共闘が定着しつつあることが報告された。二〇〇六年度活動方針では、「誰もが安心して人間らしく働き生活できる社会」をひき続き目指すこと。「社会的労働運動としてのユニオン運動」を展開していくことが提起された。全国ネットは一〇〇ユニオン、二万人の組織化をめざして活動することが提起された。活動方針は、新役員とともに参加者全員の拍手によって採択された。
 集会はその後、笹森清前連合会長の「労働者の人権」という演題での講演に入った。前会長とはいえ、つい先日の十月六日までは連合会長だった人物がコミュニティ・ユニオン全国交流会の講師として講演することは、それだけでも意義のあることだ。講演の内容にかかわらず、まず評価してよいことだと思った。
 笹森さんは、自らの立場から連合運動のこれまでを話した。生産性向上運動の理念の正しさから話に入った。彼は、生産性向上運動は雇用の維持・拡大を条件に、労使協議をおこない、公正な成果配分を従業員を主体にしてかちとる運動だと主張した。九十年代に入って、日本の政府や経営者はアメリカの指令のもとに規制緩和や民営化をすすめ、労使間のルールを無視しはじめたこと。労使協議での従業員主体の考えが弱くなってきていることを指摘した。
 笹森さんとわたしたちの立場の違いを実感した。私たちの周りには、パートや派遣労働者、中傷企業労働者、外国人労働者がいっぱいいる。皆、生産性向上運動の成果配分の権利をもたないばかりか、それによって権利や生活を奪われてきた人たちばかりである。生産性向上運動の成果配分にあずかれるのは、せいぜい20%弱の今の組織された労働者達である。笹森さんは、今もその20%の労働者に依拠して運動をやろうとしている。わたしたちは、まだ組織されていないが80%の大多数の労働者の利益を代表して運動しようとしている。
 第二日目は、十一の分科会にわかれて個別の討論をした。最後の全体集会では、男女雇用機会均等法の改正を求める決議、労働契約法、ホワイトカラーイグゼンプションの立法化に反対する決議を全員の拍手で採択した。
来年は、秋田県で開催することを約束して、今年の交流集会は閉幕した。(地域ユニオン組合員)


連合会長選挙
  鴨桃代・全国ユニオン会長が善戦
    日本労働運動の活性化へメッセージ

 十月六日、連合大会最終日は、日本労働運動に新しい歴史を記す日となった。笹森清会長の退任により、新しい連合会長を決める選挙があった。
 選挙には、UIゼンセン同盟の高木剛会長と全国ユニオンの鴨桃代会長が立候補した。結果、組合員数では圧倒的に小さい全国ユニオンの鴨会長が総数の四分の一に迫る一〇七票を獲得し、善戦した。全国ユニオンの運動に対する、連合内外の共感と期待、激励のおもいが現れた出来事であった。
 この間、連合指導部は資本家階級が打ち出す労働者の階層分化、賃金格差や不安定雇用の拡大に有効な手が打てず、大きな組合がある大企業でリストラや労働強化を容認し、中小未組織労働者には労働組合へ期待をなくさせ、結果として組合員の数を大きく減らしてきた。
今回の新会長選出でも役員推薦委員会が設置され、いわば大単産の談合の中からUIゼンセン同盟の高木会長の立候補が決まった。
UIゼンセン同盟は八十万の組合員をもつ大単産で、連合の中でも組合員数を増している組合だ。しかし、経営者の理解を得ながら組合をつくる方針で、時には経営者と一緒になって第一組合をつぶして別組合をつくることも平気でやっている。憲法問題でも、九条2項を改憲し自営軍をもつべきことを主張し、資本家階級と同様の主張をしている。いわば連合の負の部分を代表している組合である。
全国ユニオンの鴨会長は、こうした連合の現状に対して明確に異議を唱えた。鴨会長の連合会長選立候補は、連合の負の部分に対する公然たる挑戦となった。
鴨会長は第一に、非正規雇用労働者の組織化に力を入れ、均等待遇を実現し、パートも派遣も有期雇用労働者も正規もみんなが均等待遇で楽しく働くこと。第二に、連合役員選出経過を正面から批判し、「開かれた連合」のために組合民主主義を実現すること。第三に、憲法問題では、戦争につながる九条2項の改憲に反対し、労働運動の社会的役割の重要な一つとして「どのような戦争にも反対する」姿勢をつらぬくこと、を主張した。憲法問題の連合見解案で言う二つの選択肢のどちらにも反対、とする立場である。
全国ユニオン鴨会長の主張は、連合運動のもっている負の部分に大胆に批判を加え、日本労働運動の活性化、再生に向けたメッセージであった。そして、全国ユニオンは全国各地で現に活動しているコミュニティ・ユニオンの連合体として、その運動を実践している小さくても自立した運動と組織をもってきている。わが党が今夏、第三回大会で決議した労働運動政策決議の目指す方向とも軌を一つにしたものである。
日本労働運動の新しい歴史がここから始まったことが、後世評価されるか否か、われわれ自身にも問われていることを自覚しなければならない。(三橋一郎)