米日軍事再編で世界的共同侵略を策す
  撤回せよ!日米「中間報告」

 日米両政府による米日軍事再編合意とその十月二九日発表の「中間報告」は、きわめて言語道断のものである。とくに普天間基地移設については、このかん「日米対立」などと騒いだ挙句、結局再び「辺野古」ではないか。人を愚弄するにもほどがある。
 十一月中旬のブッシュ来日・日米首脳会談の予定に対し、「本土」と沖縄の労働者人民の怒りを最大限にぶつけよう。来年三月の「最終報告」を許さず、合意撤回と在日米軍の縮小・撤去を求める闘いに今こそ決起しよう。
 この日米安全保障協議委員会(2プラス2協議)の「中間報告」は、これまで取り沙汰されていた在日米軍および自衛隊の再編・強化の諸計画をすべて取り入れるものである。
 普天間移設は、このかんの沖縄の「県内移設」反対を一切無視し、辺野古崎の「シュワーブ沿岸案」としている。これは、最新鋭オスプレイを配備する新基地建設に他ならず、また沖縄基地機能の北部集約と一体化されている。取り引き材料のように宣伝されている海兵隊の一部グアム移転案は、司令部要員などの移転であり実動部隊は居座り続ける。
 米陸軍第1軍団司令部の座間基地移転と、陸自「中央即応集団」司令部の座間基地への新設も合意された。日米両軍による海外共同戦争化である。十一月十三日の「キャンプ座間包囲行動」(主催は神奈川平和センターなど、包囲行動は午後三時開始)に結集し、自治体ぐるみの闘いで合意撤回を断固迫ろう。
 空自航空総隊司令部の米軍横田基地への移転と統合運用で、米日の航空戦力も一体化である。厚木基地の空母艦載機の岩国移転は、拡張された岩国基地の一大拠点化である。
 その空母については十月二八日、米国防総省は横須賀母港の通常艦キティホークの後継を原子力空母とし、〇八年に配備することを発表した。なんと即座に小泉政権はこれを受け入れた。この問題は(第七艦隊を在日米軍の範囲に入れないというペテンのため)「中間報告」とは別の扱いとなっているが、再編合意の重大な一環をなすものである。原子力空母は原子炉事故の脅威だけが問題なのではない。「より早く展開し、より長く現場にとどまることができる」(シーファー駐日米大使)原子力空母によって、日本の世界的攻撃基地化は深まる。
 どう闘っていくべきか。第一に、沖縄は再び「島ぐるみ」の闘いに突入しようとしている、これに「本土」はどう応えるのか。結局、小泉政権は「県外移設」で収拾を図る政治能力もなく、ひたすら米軍再編との一体化で開き直るしかなかった。選挙で勝っても、統治能力があるとはいえない。基地再編関係自治体を、このような政府と妥協させてはならない。労働者・市民の力で各自治体を平和の側へ踏み止まらせよ。
 第二に、米日軍事再編は、「基地の再編」にとどまらず「安保の再編」であることを踏まえ、三月に予想される「日米安保の再々定義」を許さず、日本の外交路線全体を変えていく闘いが必要である。
 アメリカの狙いは、世界的対「テロ」戦争に自衛隊海外派兵を組み込むこと、対中国などへの「抑止力」を維持・強化して東アジアを分断することである。「中間報告」合意とともに、自民党は十月二八日、党の改憲草案を発表して米帝に呼応した。それは九条2項を抹殺し、「自衛軍は、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行なわれる活動」で武力行使を行なうとするものである。
 日本はどこへ行くのか、すべての人々に問われている。東アジアと共に生きていく政治への転換のために、今こそ行動すべき時だ。