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  憲法闘争の今

 今号から、憲法闘争の連載企画「シリーズ憲法闘争の今」をしばしば掲載していきます。去る九月の総選挙での小泉自民党の大勝によって、憲法改悪の危惧が高まるとともに、そうはさせじと憲法改悪阻止の広範な統一戦線を求める声もいっそう高まりつつあります。この連載を通じて、各地・各分野での憲法闘争を紹介し、あるいはこの闘いに、いろいろな角度からスポットライトを当てていきたいと思います。この企画が憲法闘争の前進の一助になれば幸いです。同志、読者・友人の皆さん、ご投稿をぜひお寄せください。(編集部)

 「9条の会・千葉地方議員ネットワーク」は、県と市町村の地方議員が憲法改悪阻止のために横断したものとしては今のところ全国で唯一のものであり、千葉県民の一人として、その意義をぜひ紹介したいとおもう。
 この千葉地方議員ネットは、「9条の会」の呼びかけに応える形で昨年十月、千葉県における「虹と緑の五百人リスト」の地方自治体議員が中心となり、県西部地域の市川、松戸、我孫子などの八名の議員の構想から始まった。かれらの間で「自治体議員は憲法の規定する国民主権の立場で活動すべき」という立憲主義の立場に立って、千葉県における自治体議員による9条改憲阻止のネットワークを構築すべきとの意見が統一し、地方議員ネットの構想が確認された。
 今年一月には、三十名の議員が、千葉地方議員ネットの結成集会を開くことを確認し、三月には全県下の地方議会議長を通じて全議員に手紙を発送した。四月十七日の結成集会には六十名の地方議員が集会参加、議員ネットへの参加議員は百十六名となった。
 この段階では、参加議員は、「虹と緑」などの無所属議員をはじめ、社民党、新社会党、一部民主党そして市民ネット千葉(生活クラブ生協が母体)、少数ながら保守系の県議・各自治体議員という構成であった。全国的には各種「9条の会」は、日本共産党系が主導権を握る形となっているが、9条の会・千葉地方議員ネットには日共系議員は参加していなかった。しかし、七月十日の「今こそ、日本国憲法を!市民と議員の集い」を前にして、日共系議員が大挙して参加することとなった。この結果、七月九日の段階では、百四十九名の地方議員が参加している。
 この七月十日の津田沼・京成労働会館で開催された「市民と議員の集い」には、四百名の市民と議員が参加し、「憲法行脚の会」の佐高信氏の講演が行なわれた。会場狭しと参加者が集まり、千葉から全国に、立憲主義の本質的な立場性を発信するのだという熱気に満ちた集会となった。
 全国で唯一の、この千葉地方議員による9条の会は、十月二九日に伊東真氏(法学館伊東塾)を講師に憲法講演会を予定している。市民と共に立ち上がった千葉地方議員の改憲阻止の闘いを全国に広め、地方的地域的な統一戦線の第一歩としていくべきであろう。(千葉県・一県民)