5・27東京
 民営化がもたらした最悪の結末!
     JR西日本事故を問う緊急集会

   
抵抗なくして安全なし
     安全なくして労働なし


 五月二十七日夕方、東京の中野ゼロで、「民営化がもたらした最悪の結末!JR西日本事故を問う緊急集会」がおこなわれた。この集会は、レイバーネット日本の呼びかけに、鉄建公団訴訟原告団、郵政労働者ユニオン、ATTAC Japan、日本消費者連盟、APWSL 日本委員会、協同センター労働情報、ビデオプレスが応え、これら諸団体の共催で行なわれた。
 集会は、レイバーネットの松原副代表、河添事務局長の司会によって進められた。まず最初に、レイバーネットの伊藤代表のあいさつがあった。伊藤さんは、はじめに事故の犠牲者に哀悼の意を表した。そして、次のように訴えた。安全問題をもっともチェックしうるのは現場の労働者である。だから、労働組合が事故に対して、会社と同じ態度では済まされない。殺された人達の立場に立って、闘い、安全を確保しなければならない。六十年代前半の三池炭鉱の事故、国鉄三河島事故から生み出された“抵抗なくして安全なし、安全なくして労働なし” を教訓とすべきだ、と。最期に、(事故多発の背景にある)新自由主義とグローバリズムに反対し、規制緩和に反対し、労働者と利用者が連帯して闘うことを呼びかけた。
 次に、TBSのイヴニングニュースの画像を使って、ビデオ上映をおこなった。これは、現場の声が会社上層部に届かず、事故を事前に防ぐ体制となっていないJR西日本の会社としての体質を批判したものである。
 続いて、本日のメインとして、交通ジャーナリストの立山学さんの講演がおこなわれた。立山さんは、最初に、事故によって長女を亡くした奥村恒夫さんが五月二十六日付『毎日新聞』に寄せた手記を紹介した。そこには、「JR西日本は運転士の過失で処理するでしょうが、正直言って殺人事件としか思えません。JRという会社の構造が生んだ殺人行為です。」「国はこれを機会に日本を総点検すべきです。鉄道、道路、崩落危険場所、日本中危険な場所はたくさんあります。今手を着けなければ、同じような事故が必ず起こります。」と、遺族として、また元技術者の立場から痛切な訴えがなされている。
 その上で、立山さんは、今度の事故の真の原因は、評論家がよく言う、JR西日本の金儲け第一主義などというレベルでは甘っちょろい、本当は、国鉄分割民営化なのだ、と強調した。電力の九分割民営化、炭鉱合理化、国鉄分割民営化、これらはすべて電産つぶし、炭労つぶし、国労つぶしと、労働組合つぶしが狙いであり、その結果、安全に関する技術は継承されず、効率的経営の名の下に安全が無視され、つぎつぎと事故がおこっているのだ、と歴史を振り返りながら言う。こうした教訓を為政者たちは学ばず、今また郵政の民営化に走っているというお粗末さである。最期に立山さんは、国鉄分割民営化は全く誤りなのであり、今すぐではないが、条件を整えながら、JRを元の経営形態に戻すべきである、と強調した。
 集会は、その後、JR東日本の現職駅員の方、また国鉄時代の運転士で、国鉄清算事業団からも不当解雇された国鉄労働者一〇四七名のうちの一人でもある佐久間さんの報告がなされた。
 二人の報告に共通するのは、鉄道の安全で最も重要なことは、保線や電気などメインテナンス部門なのに、それらが今は下請けに丸投げされ、会社の効率主義のために安全問題は完全におろそかにされている、ということである。そして、佐久間さんは、運転士としてのかつての経験から、危険に直面したら、まず、あわてるな!心を落ち着け、冷静に対処せよ!ということを訴えた。それが今は、合理化、金儲け主義で、本当に時間的な余裕がない、安全第一なんて、言葉だけになっている、と現状を批判した。
 もう一つ共通して訴えていたのは、労働者に世代を越えた技術の伝承がなされず、切断されている、ということである。合理化、目先の利益などのため、労働者間での技術の伝承をおこなう体制が破壊されているのである。それどころか、今は、上司に、仕事上のことで質問しても、“そんなことも知らないのか”と上に報告され、査定にひびくという状態である。これでは、うっかり質問もできない状態なのであり、こんな体制では安全が確保できないのは、当然のことである。
 集会は、最期に、参加者からの質問や意見表明などがおこなわれた。どの発言も、今度の事故の原因追及と、それから労働組合運動の復権をうったえる立場のものが多く、質疑応答の時間は足りないほどの熱心さであった。(東京T通信員)


第36回釜メーデー
  闘いなくして成果なし
      7・3釜ヶ崎講座「釜ヶ崎と医療」へ

 五月一日午前七時より、釜ヶ崎の愛隣総合センター屋内にて、第三十六回釜ヶ崎メーデーが始まった。
 今年は、反戦・反失業・就労自立を掲げて、闘われた。まず、釜ヶ崎日雇労働組合の長谷川さんの「働く仲間はメーデーを開始しよう」との、司会で始まった。
 山田実釜ヶ崎日雇労働組合委員長(反失業連絡会共同代表)があいさつを行なった。「働きたくとも仕事がない状態が続いている。特別清掃事業も減らされる状況になっている。これからは仕事をどう作っていくのか、が問われている。一方で、現役で働く労働者の労働条件の見直しも図っていかなくてはならない。早急に、野宿に対する対策を取らせる、仕事を確保する、創り出す、労働条件の見直しを図る――その方向を確認し闘いに入っていこう。行動なくして、闘いなくして成果は生まれない。差別のない、自分達がまっとうに働いて生活できていく社会を創り上げる闘いを推し進めよう」と、決意を述べた。
 参加者でメーデー歌を練習するなどして、八時半、地区内デモに出発し、三角公園へ。公園では「勝ち取る会」の炊き出しで腹ごしらえをして、闘う仲間からのあいさつを受けていった。パトロールの会、釜ヶ崎講座、釜ヶ崎連帯委員会、泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会から連帯のアピールが行なわれた。
 九時過ぎ、三角公園から釜メーデーの部隊四百名が出発した。釜ヶ崎銀座通りを通り、恵美須町駅まで上がり、左へまがって大国町から花園北へ、更に三角公園まで戻る釜ヶ崎席捲デモを貫徹した。釜ヶ崎では当日、宝塚市広報各戸配布作業に八十二名が従事し、恒例の連合メーデー会場の特別清掃に百名が就いており、計六百名余の労働者が釜メーデーを闘い抜いたのである。
 さて、「緊急地域雇用創出特別交付金」の打ち切りにもかかわらず、府・市に対する働きかけの中で、特別就労事業の枠は、昨年度の二百五十名から14%減の二百十五名となって継続された。三月十五日より開始された〇五年度輪番登録は四月二十八日に打ち切られ、登録者数は二千七百八十四名で、昨年度より10・2%減となった。登録者は減っても就労枠は大幅に減少しており、輪番労働者の生活は厳しいものが続くことになる。
 釜ヶ崎ではNPОを中心に、「ホームレス対策予算確保の請願」を国会に提出している。国の「ホームレスの自立支援法」の施策を実行させるためにも国への闘いの手をゆるめる訳にはいかないのである。
 一方で、国の新規事業として「就労支援センター事業」が、大阪では、大阪市・府、財界団体、連合大阪を構成員として「ホームレス就労支援運営協議会」が設立され、要求してきた南職安跡地に「就労支援センター」が建設され始めた。しかし、建物が建っても、仕事は黙っていては舞い込まない、創り出していく事が必要だ。
 この実験・予行演習的事業としての宝塚市広報の仕事は、四月から五月にかけ二回、最初が延べ配布者百六十六名・運転(兼配布)五十一名、四日間で約九万軒の配布(ポスティング)事業であった。四月二十九日〜五月一日は、配布二百名・運転六十名で、三日間でやり切った。採算ベース的にはまだ遠いが、慣れないポスティング作業を釜の労働者がやり切った意義は大きい。更に新たな事業拡大、仕事創りに進んでいる。
 釜メーデーにも参加した「釜ヶ崎講座」は、来る七月三日(日)昼より、西成区民ホールにて、第九回講演の集いを「釜ヶ崎と医療」(野宿生活者への医療支援)をテーマに行なう予定である。
 釜ヶ崎や府下での野宿労働者への健康・生活相談は、この二、三年、特掃労働者への健康診断や治療、社会医療センター入院者への調査などを中心に大きく飛躍し、他方で、巡回医療等も始まり新たな展開をみせている。「釜ヶ崎講座」の「医療支援フォーラム」は、これらを学習し、参加を広げる機会として話題を呼んでいる。7・3講演の集いに参加しよう。  (関西Si通信員)


都議選
  福士敬子(杉並)、大久保青志(世田谷)に投票を
    石原反動都政打倒へ

 七月三日投票の東京都議会議員選挙において、わが労働者共産党首都圏委員会は、杉並区では福士敬子さん(無所属・現職)、世田谷区では大久保青志さん(社民党・元)の二人の候補を支持・支援する。また他の選挙区でも、憲法改悪阻止、イラク反戦など大衆運動で共闘関係が存在する候補であれば、出身政党に関わりなく、関係を継続し共に運動を発展させる立場から支持すべきものと考える。
 都知事・石原による、このかんの平和に対する挑戦、民族差別都政の推進、自然環境の破壊、人権無視の横行と、そのあまたの悪行を一つひとつ挙げていたら限りがない。最近は側近の副知事の偽証問題で民主党もまきこんでの騒ぎとなっているが、これら石原、浜鍋、横山らのやからは「日の丸・君が代」を東京都の教育現場に強制し、大量処分を二年に渡って強行したA級戦犯たちなのだ。都議会の民主党は、このかん石原の反動都政となんら闘わなかったばかりか、板橋の土屋らはその尖兵となってきた。
 福士敬子候補は、石原の姑息な外形標準課税の導入(結局、銀行側との和解で都財政に損害を与えただけに終わった)に唯一反対した議員として知られており、また都の強制的な教育行政への明確な批判など、民主主義的な「行政のチェック」を基本とした議員活動を行なってきた。
 大久保青志候補は、PKO法案反対の頃に新人都議として先頭に立っていた姿が記憶されるが、その後保坂展人衆院議員の秘書を務め、都社民党の市民派というべき人である。「平和と平等をあきらめない」を選挙スローガンとし、イラク反戦では福士さんともども先頭でたたかっている。
 議員と連携した都下の大衆運動を発展させるため、また石原反動都政を打倒するためにも、福士、大久保の勝利をかちとろう。(首都圏委員K)


天皇の戦争責任を問い続ける4・29京都集会
  アジアの人々と共に

 四月二九日の昭和天皇ヒロヒトの誕生日を「みどりの日」から「昭和の日」に変更する祝日法「改正」案が衆議院本会議で賛成多数で可決され、また、中国の「反日」運動の高まりを受けて参議院本会議での審議が中断しているなか、今年の4・29集会が各地で取り組まれた。
 京都では四月二九日、部落解放同盟や労働組合・市民・宗教団体らで組織する「天皇制の強化を許さない京都実行委員会」の主催で、「天皇の戦争責任を問い続ける京都集会」が京都府部落解放センターでひらかれ、約一八〇名が参加した。「昭和の日」制定の動きや、東京・立川での「昭和天皇記念館」竣工など天皇賛美がますます強まり、憲法や教育基本法の改悪の動きも高まっていることから、この集会では、闘いの後退は「いつか来た道」へ再び進むことになることを確認し、反戦・反天皇制を掲げた闘いの重要性を訴えた。
 集会では、京都実行委員会共同代表世話人の府上征三・洛陽教会牧師が、「ナショナリズムが正当化されようとする時代に、戦争責任をあいまいにせず、アジアの視点からしっかりと見る、とらえる、対応していく行動力を」とあいさつした。
 講演は、インドのダリット女性運動と連帯するニームの会の山下明子代表が、「アジアの人びとと共に生きるために」をテーマに、アジアの女性運動に学び、治安立法の進むなか、私たちの生活・社会を変えていこう、と訴えた。
 最後に、三月十六日の狭山事件特別抗告棄却への抗議ハガキを、などを確認して終了した。
 なお、「昭和の日」法案は五月十三日に参院で成立させられてしまったが、この戦前・戦後の区別もなく昭和天皇の支配時期を賛美するための祝日などは絶対に認められないものである。アジアの人びととの対立を助長するだけの天皇賛美を許さない闘いを、今こそ前進させよう。(関西D通信員)