編集部だより

★小泉の「靖国」参拝問題で韓国、中国からの当然の厳しい指弾に対し、わからないとか、内政干渉などと閣僚や自民党幹部ともども居直っている。日本国内ではA級戦犯の合祀が問題のすべてであるがごとくあつかわれている。確かに合祀も問題だ。★読者諸姉兄には、ヤスクニなどに見学で行かれた方はほぼいらっしゃらないと思うので、資料に基づき紹介する。ヤスクニには遊就館なる資料展示館がある。ここには特攻兵器などがある。そして、ここで配布されているパンフは、「近代史の真実を明らかにする」とうそぶく。その内容に至っては、日本帝国主義軍隊同様に「自存自衛の戦争」であったときた。侵略戦争、帝国主義間強盗戦争を美化して止まぬ宗教法人こそヤスクニなのである。その意味では、A級戦犯の合祀も当然の帰結と言える。★多くの諸姉兄もご存知のことと思うが、ヤスクニの歴史は一八六九(明治二)年、東京招魂社として創設された。時の薩長政府が、幕府軍討伐の戦意高揚のため、官軍戦没者慰霊のために作られた。幕府軍戦没者は除外されている。七九年には、靖国神社と改称し、その後も度重なる侵略戦争でその「役割」を増してきた。そのほとんどの期間を旧日帝軍の管轄下に置かれていた。このようなところに毎年参拝する小泉の意識構造こそ、わからないというものだ。★ついでながらドイツでは、ナチスによる犠牲者の慰霊モニュメントがベルリン中心部に作られ、キューバでは革命軍・反革命軍かかわりなく戦没者は慰霊されている。(日下部)