全国で3・19〜20世界反戦一斉行動
  自衛隊イラク即時撤退を


3・19東京

 ワールド・ピース・ナウに四千名
  「自衛隊は占領者です」

 米英侵略軍がイラク全面攻撃を開始してから二周年の3・19〜3・20、ロンドンでの十万人デモを筆頭に世界各地で、米英などのイラク占領に反対し占領軍の撤退を求める反戦行動が展開された。
 日本でも、東京での「3・19ワールドピースナウ」や「3・20国際共同行動」を始め、全国各地で集会・デモ・人文字などの行動が展開された。
 イラク侵略・占領の「有志連合」軍が縮小・崩壊しつつあるなかで、日本の自衛隊イラク派兵は、ただブッシュ政権への忠義立てのために、撤退期限も明らかにしないまま続けられている。他方、占領軍の内米英に次ぐ大部隊であるイタリア軍は、今年の九月から部分撤退することを伊ベルルスコーニ政権が三月十五日に表明した。イラクで人質から解放されたばかりのイタリア人女性記者らの一行を米軍が乱射し、同行の政府要員を殺害するという事件(三月四日)が起きた。それを機にイタリア国内の撤退要求がさらに高まり、保守政権が窮地を乗りきらんとするための撤退表明であった。部分撤退の表明で済む問題なのか。
 すでに二月下旬からは、サマワなどの「治安」を担当してきたオランダ軍の全面撤退が開始され、また年末に劇的な政権交代があったウクライナも、三月中旬からイラク派兵部隊の全面撤退を開始している。こうして、オランダ軍の穴埋めで増派決定を強行したオーストラリア、その豪軍に自衛隊が守られるという日本、そして韓国、これらイラク居残り組の孤立ぶりが明瞭となってきた。
 多くの国が、ブッシュ政権の遺憾の意の下で、あえて撤退に踏み切っている。小泉はアジア外交の総破産と言うべき現況の中で、漠然と自衛隊派兵部隊をサマワに立て篭もらせているのみである。これ以上、小泉に政権を任せていることはできない。小泉連立政権を打倒し、自衛隊をイラクから即時撤退させる日本人民の闘いは、いよいよ重大なものになっているのである。

 東京・三月十九日の「ワールド・ピース・ナウ3・19終わらせようイラク占領・撤退させよう自衛隊」の行動は、日比谷野外大音楽堂の内外に市民団体などが約二五〇〇名、野音裏の公園に平和フォーラムの労働組合などが約一五〇〇名が参加して、それぞれ集会を行なった。
 野音の集会では、最初に主催のワールドピースナウ実行委員会からピース・ボートのチョウ・スミさんが挨拶。最近は力で対決する外交が強まり、平和主義は非現実的という風潮があるが、平和主義こそ最も現実的な選択肢だ、今こそ武力を捨てた憲法九条を今こそ訴えようと述べた。
 沖縄からは、琉球大学の崎間南津子さんがアピール。昨年八月の普天間基地米軍ヘリの墜落が示した沖縄の現状、辺野古での海上基地建設との闘いなどを報告し、イラク侵略基地でもある普天間基地の即時返還を求めて行なわれる「5・15普天間基地包囲行動」への参加を訴えた。
 また昨年四月、イラク抵抗勢力に拘束されたジャーナリストの安田純平さんも発言、拘束したのは普通の地域の人々だった、日本はかれらを攻撃している側にいることをもっと考えようと語った。
 ピースコンサートの後、イラク現地からアル・バハードリィさん(イラク民主的国民潮流)が登壇し、大要つぎのように報告した。「アメリカは、大量破壊兵器、9・11への関与などを口実にイラクへの戦争を始めましたが、そんな事実はなかった。最近の口実はイラク・中東の民主化です。しかし民主化の名で行なわれていることは、ファルージャ、ナジャフでの殺戮と破壊、バグダッドの軍事要塞化です。イラクの前途は見えない状況がつづいています。」「破壊と占領を経験した日本の皆さんはイラク人の友人です。しかし、ムサンナ州の自衛隊を復興を助けに来たものとは思っていません。かれらは占領者です。両国民の友情を保つためにも、自衛隊は即時撤退すべきです。かれらが無事に帰国することも考慮せねばなりません。」「現在起きている、子どもなど無辜の民衆を殺害しているテロは、抵抗闘争とはまったく関係のないものです。外部から入ってきた連中による内戦を煽る行為であり、強く非難します。」
 バハードリィさんの報告の最後の点は、一月末の「選挙」後、シーア派を無差別に攻撃するテロ(二月二八日の中部ヒッラでの大量爆殺事件など)が頻発していることを念頭に置いたものとおもわれるが、最近の憂慮すべき情勢として彼が強調した点であった。
 集会後、平和フォーラムの部隊と合流して、銀座方面へピースパレードを行なった。虹色のピース旗を先頭に、「自衛隊は撤退せよ」の声は延々と続いた。(東京W通信員)


3・20東京
 いまこそ平和を守るとき
     国際共同行動に六千名

 
陸海空港湾20労組先頭に

 イラク戦争開始二年目の三月二十日の午後、前日のワールドピースナウに続いて東京・日比谷野音では、「いまこそ平和を守るとき国際共同行動3・20集会」が行なわれ、会場に入りきれない超満員(主催者発表では六千名だが、それ以上と言ってよい)の反戦行動となった。主催は、陸海空・港湾二十労組が呼びかけて、全労連、全労協などの労働組合、宗教者、各種諸団体の賛同によって作られた集会実行委員会。
 最初に、平和をつくりだす宗教者ネットの木津代表から開会挨拶。二十労組や宗教者が呼びかけての共同行動は五年前の周辺事態法反対の時から続いている、イラク開戦にも反対してきた、この共同をさらに発展させ自衛隊撤退や憲法改悪阻止をかちとろうと訴えた。(こうした経緯から、この集会では「イラク占領反対・自衛隊撤退」だけでなく、「STOP有事法制」「許すな!憲法改悪」のスローガンが掲げられている)。
 次ぎに平和への決意表明として三団体、二十労組の一つの航空安全会議、全労連、マスコミ文化情報労組会議が発言した。運輸や報道で働く労働者の立場からの、戦争協力拒否のアピールであった。
 国会議員挨拶は、日本共産党の志位委員長、福島社民党党首代理で保坂展人さん。各界からの発言では、前レバノン大使の天木直人さん、映画『草の乱』の神山征二郎監督が登壇した。ワールドピースナウの高田健さんも、前日の行動を報告し連帯の挨拶を行なった。
 大きな拍手の中、イラク人のハッサン・アボットさん(ジャーナリスト、自衛隊派兵差し止め訴訟にも原告として参加)がアピール。「劣化ウラン弾の放射能で、わたしの兄弟の内四人がガン死してしまった。米軍による射殺、検問所での死の恐怖は日常茶飯事」と占領の悲惨な現実を訴えた。アボットさんは、午前中には大阪城公園、前日には名古屋と、全労連が主力の諸集会で連日の訴えであった。
 最後に、「有事法制の発動阻止」「憲法九条を守ろう」の内容を含むイラク反戦の集会アピールを採択して、銀座・東京駅へデモ行進を行なった。(東京W通信員)


3・19大阪
  平和人権センターと共同し四千八百名
   危険高まる自衛隊居座り

 三月十九日、「軍隊はいますぐイラクから出て行け!3・19グローバル反戦行動デーinおおさか」集会が、しないさせない戦争協力関西ネットワークの呼びかけによる実行委員会の主催で大阪市・扇町公園において午後一時より開催され、約八〇〇名が参加した。また同所で二時からは、大阪平和・人権センター主催の「―世界同日行動―イラク占領支配反対!自衛隊の即時撤退を求める3・19集会」が開かれ、前者が合流して計約四八〇〇名の参加となった。
 イラク侵略戦争の開始から二年たったいま、全世界で戦争反対の声がますます大きくなってきている。開戦二周年に当たる19〜20に、全世界の民衆が「全占領軍の撤退、戦争停止」のために起ち上がる同時行動が、三十カ国以上の呼びかけ・参加で実施された。
 二つの集会はこの世界行動の一環であるが、まず前者の集会では、最初に実行委を代表して中北龍太郎氏があいさつ。「イタリア女性記者誤射事件を見ても明らかなように、スペインやオランダ、イタリアなど米国を支えてきた連合国でも急速に撤退が進む中、小泉政権は憲法に違反して自衛隊の多国籍軍への編入−派兵部隊の強化を続けている。自衛隊が抵抗するイラクの人々に銃を向け、あるいは攻撃される危険性がますます強まっている。今すぐ撤退させるべき時である」とアピールした。
 連帯メッセージは、イラクからは日本軍を含む全占領軍の撤退を求める署名運動をしている「イラク女性の意志委員会」代表のハナ・イブラーヒムさん、沖縄からは「戦争は最大かつ最悪の環境破壊である」と訴える名護ヘリ基地反対協代表委員・安次富浩さん、韓国からは「イラク派兵反対非常国民行動」、さらに平澤(ビョンテク)の米軍基地拡張に反対する平澤対策委員会から寄せられ読み上げられた。
 決意表明では、全日建連帯ユニオン関西生コン支部・川村副委員長が、「三月十九日に第二次不当弾圧がかけられた。四月七日の大阪地裁の初公判には、全ての闘う労働者の力で裁判所を包囲しよう」と怒りの表明を行なった。また憲法九条関西の仲間は、イラクで人殺しをさせず憲法改悪を阻止しようと訴えた。
 約一時間の集会を終了し、続いて平和人権センターの集会に合流した。
 この集会には、参加の多くを占める大阪市職・市従、また教組を軸に多くの労働組合員などが結集した。しかしながら集会の中で、大阪市労連にかけられた「カラ・ヤミ・厚遇」キャンペーン攻撃に対する反撃の言葉が一言も出ないということはどうしたことか? 今回の攻撃こそ公務員労働者だけへの攻撃ではない! 団結権を否定し、労働組合を否定する全ての労働者への一大攻撃なのである。いまこそ反転攻勢に入る時ではないのか。(大阪Sa通信員)
 また同日夕方六時半より扇町公園では、「イラクの子どもを救う会」の主催による「STOP・WAR!キャンドル集会」が行なわれ二百名が参加、二千個の紙コップのロウソクに点灯し、「STOP!WAR」の文字を浮かべ、その後大阪駅までのピースウォークを行なった。
 翌二十日には二つの取り組みがあった。ひとつは、大阪城公園に八千名が集まり、憲法九条を守る思いで「9」および「平和」の人文字を作り、集会後難波までピースパレードを行なった。この主催は、安保破棄実行委など日共・全労連系を始めとする六十団体による3・20世界反戦共同行動大阪実行委員会。
 もう一つは、「END OCCUPATION OF IRAQ イラクの占領を終わらせるために」と名付けられた集会で、中之島剣先公園に百五十名が参加してダイ・インを行ない、難波までピースウォークを行なった。主催は、ユースピースや全交などが作る行動実行委員会。(大阪S通信員)
 

3・20京都
 STOP!イラク派兵ピースアクションに一千余
  改憲阻止など広範な共同で

 京都では三月二十日、午後二時より三条大橋北側の鴨川河川敷に一千名以上が参加し、「イラク戦争開始二周年・世界同時行動 STOP!イラク派兵3・20ピースアクション」が開かれた。主催は、このかん京都で連続的な取り組みを行なっている「STOP!イラク派兵・京都」(連絡先・京都YMCA)。
 この集会では、「やめさせようイラク占領!歩こう世界の人々とともに、自衛隊の即時撤退を!京都からのイラク派兵を許さない、憲法九条改悪・教育基本法改悪反対、軍事費を雇用・社会保障・教育に使え」のタイトルが掲げられ、共同代表の服部待さんの呼びかけ団体あいさつから始まった。
 在日韓国青年同盟のアピールがあり、また京都府の大久保および福知山の自衛隊基地からすでに一〜二月にイラク派兵が強行されたが、その地元よりの反対アピールが行なわれた。京都うたごえ協議会による音楽演奏のあと、「やめて!イラク派兵」京都訴訟、憲法署名京都実行委員会、教育基本法の改悪やめて!京都の会、京都総評、ユニオンネットワーク・京都、3・20ピースアピール実行委員会がリレートークを行なった。最後に、「もうこれ以上イラクの人々が犠牲とならないように、世界の人々とともに行動に立ちあがりましょう。私たちは、軍事占領に加担することによって、イラクの人々への加害者となることを拒否します」とする集会宣言を確認した。
 そして三時半より、同じ河川敷の南側で集会を行なっていた「ピースウォーク京都」の人々と合流し、四条河原町を経て東山区の円山公園までデモを行った。
 なお京都では四月十日、第六次派兵の中心となる宇治市・大久保基地への抗議の行動「STOP!イラク派兵!平和と連帯ヒューマンチェーン・大久保」が、STOP!イラク派兵・京都と宇城久地区労や洛南労組連で作られる「STOP!イラク派兵・平和憲法を守れ!宇城久実行委員会」によって行なわれる予定である。
 神戸市では、神戸三宮の東遊園地で二十日午前中に、ピースフェスタ実行委員会による「ピースフェスタ05in兵庫」に二千名の参加者が集まり、舞台でのパフォーマンスや出店、「平和への大きな波を起こそう」との参加者が手をつないでのウェーブが行なわれた。
 午後からは同所で、「KOBEピース!ネット」も参加して、「イラク占領反対、自衛隊の即時撤退を求める兵庫県集会」が実行委主催(連絡先・自治労兵庫県本部)で行なわれ、二千名が参加、沖縄・辺野古からヘリポート建設阻止協議会の宮城保事務局長が報告を行ない、JR元町駅までピースパレードを行なった。
 滋賀県・大津市では同じ二十日、「ピースウォーク・イン滋賀」による集会とピースウォークが行なわれ、その他、和歌山や尼崎でも取り組みが行なわれた。
 関西では、陸自中部方面隊による五月からの第六次イラク派兵(兵庫県伊丹の第三師団が主力)に反対し、前述四月十日の大久保基地包囲行動と、四月二四日の伊丹基地ヒューマンチェーン行動が予定されている。この4・24行動は、「やめろイラク派兵!行くな、もどれ自衛隊」イラク派兵反対実行委員会の主催で、午後一時半より伊丹昆陽池公園にて開始される。
 延長されたイラク派兵の中心となる関西の自衛隊基地への、4・24伊丹を始めとする四〜五月の取り組みが全力で取り組まれる。(関西S通信員)