3・1朝鮮独立運動から86年を迎えて2・27集会「日本と朝鮮半島―過去・現在、そして未来へ

 3・1朝鮮独立運動から86年を迎えて2・27集会「日本と朝鮮半島―過去・現在、そして未来へ!」が東京・水道橋の韓国YMCAにおいて開催された。この集会は、日韓民衆連帯全国ネットワーク(日韓ネット)などの呼びかける「朝鮮侵略100年、朝鮮解放・分断60年、日韓条約から40年を問う2005年運動」が主催した。
 集会は、日本人側から日韓ネットの渡辺健樹共同代表、韓国人側からは韓統連の孫亨根副議長が、それぞれ主催者あいさつを行った。引き続き中津義人監督による映画「日韓併合への道」が上映された。30分ほどの作品であったが江華島事件に始まる、日本帝国主義の朝鮮侵略・併合支配の過程と朝鮮民衆の抵抗闘争が簡明に描かれた作品であった。会場からは、この映画を他でも上映できないだろうか。ビデオはないだろうかと言う声が多数聞かれた。
 講演は、奈良女子大名誉教授の中塚明さんから「記憶は長―く、未来に生きる」と言う演題で行なわれた。日韓併合史を130年前の江華島事件からとらえ、鈴木淳、韓洪九、布施辰治、山辺健太郎の各氏の仕事とその著作から学ぶことを、そして記憶を回復する道として@長い歴史的スパンから考えるA第一次史料から事実を徹底的に確かめ、そこから歴史を考えるB韓国・朝鮮の目線から日本のことを考えてみると指摘した。「韓流ブーム」の一方で「北朝鮮バッシング」と言う、朝鮮への再侵略戦争を口にする輩がいる現状では、中塚さんの提唱する学術的方法もおおいに意義があるのではないだろうか。
 休憩をはさみ、日朝民謡のコーラスがおこなわれた後、韓国の民衆団体が組織する「6・15南北共同宣言の実現と朝鮮半島の平和のための統一連帯(統一連帯)」からの「2005年運動」への連帯メッセージが紹介された。
 そのあとVAWW−NETジャパン共同代表の西野瑠美子さんから、NHKによる女性国際戦犯法廷の改竄放映問題と安部晋三による反動的な事実歪曲発言について、東京江東区の枝川朝鮮学校の校長先生から、石原の学校つぶし策動に抗する闘いの報告が行なわれ、そして共和国の子供たちに粉ミルクを中心に人道支援を続けている北朝鮮人道支援ネットワークの上野さとしさんから、人道支援活動とこれを妨害する経済制裁についてスライドを交えて報告された。
 沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックと東京立川の昭和天皇記念館建設阻止団からアピールを受け、ウリトによる朝鮮の伝統楽器による演奏とパフォーマンスで集会を閉じた。
 昨年から取り組まれている「2005年運動」は、昨今の「拉致問題」を口実として北東アジアの平和と安定を願うのではなく、朝鮮半島への戦争策動と在日韓国朝鮮人に差別分断を強要する輩を輩出するこの日本の風潮にハッキリと対決し、痛苦で真摯な反省にたった戦後補償を基礎とする日朝国交正常化と日韓条約の見直しを迫る、日韓日朝民衆連帯の運動である。その実現のためこの一年、さらなる前進が期待される。
 2月10日に朝鮮民主主義人民共和国(共和国)が、核兵器の所有と6者会談無期限中断を発表した。二期目を迎えた米帝ブッシュ政権は、共和国の要求する米朝間での平和協定の締結のための二国間交渉を拒み続け、一層の敵対視を強めている。イラクと同時に共和国を攻撃できないし、朝鮮半島隣接国との同意も得られていないと言う事情から6者協議に臨んでいるだけで、米朝間の正常化に正面から向き合っているとはとてもいいがたい。むしろ、日本、韓国にMD計画を持ち掛けるのが熱心なのである。6者会談を共和国の核開発問題にねじ曲げてきたのは米帝だったのではないか。これまでの6者会談では、朝鮮半島の平和と安定を望む韓国、中国、ロシアと米帝との溝は深く、米帝は日本を引き入れるしかない状態が続いていた。その日本とて「拉致問題」が第一と言う姿勢で、過去清算もアイマイとしたままの一方的な主張は、問題外となっているのが現状ではないか。
 このような折2・10共和国声明は、ブッシュ再選後の一般教書演説における一層の反共和国の姿勢に対して、核先制攻撃を仕掛けるなら核兵器で対抗するという姿勢を示し、米帝との二国間協議に引きずり出そうとする戦法と考えられる。この場合共和国の核兵器の保有は、自衛的手段と理解できる。確かに米帝を始めとした国連常任理事国は、核武装し否核拡散を口実として核独占を進めてきた。共和国が、インド、パキスタンに続いて核兵器の保有を宣言することは核独占を事実上無力化させるのには役に立つだろう。
 しかしながらわが党は、第二回大会憲法決議において憲法九条を革命的に発展、活用し正規軍無き社会主義国家の実現を目指すことを決議した。当然にして、核武装・核兵器の保持は革命と労働者階級にとって不必要なものと認識する。現代世界においては、核問題が戦争と平和の問題のみならず、最大の環境問題の一つと認識する。それゆえ、共和国の「核」並びに商業的核開発を含めて全世界の核開発の停止と廃棄を主張する。なぜならば現在の科学技術の水準では、核を完全にコントロールには到っていないからである。
日韓日朝民衆連帯の力で、北東アジアの平和を勝ち取ろう。(東京Ku通信員)


2・13大阪
 障害者自立支援法案に反対し「精神障害者福祉の充実を求める集会」
   打ち切るな通院治療費公費負担

 二月十三日、大阪市の大阪府福祉人権推進センターで、「精神障害者福祉の充実を求める集会」が開かれ二五〇名が参加した。主催は、「精神科通院治療費公費負担の削減ではなく、存続を求める三十万署名」の呼びかけ団体でもある全国ピア・サポートネットワーク(準)、NPOこらーるたいとう、大阪精神障害者連絡会、福岡県精神障害者連絡会、熊本県精神障害者団体連合会、家族会からは大阪府精神障害者家族会連合会である。
 昨年来、厚生労働省は障害者施策と介護保険の統合を押しすすめようとしていたが、障害者団体の強い反対運動により見送られた。しかし厚労省は昨年十月、「今後の障害者保険福祉施策について(改革のグランドデザイン案)」を発表している。その内容に沿って厚労省は、〇五年度での介護保険制度と障害者施策との統合は見送るが、五年後の介護保険制度改革の際には統合する地ならしのため、「自立支援」「三障害統合」の名の下に、「障害者自立支援法」案を二月十日閣議決定し、国会に提出したのであった。
 この法案は、介護保険との統合が難しくなる中で、従来の法律は残しつつ共通なものを「自立支援法」として一本化し、第一に、「公平な費用負担」なる名目で、従来の所得能力に応じた「応能負担」からサービスの量に応じて負担の変わる「応益負担」が法制化され、上限設定を設けるとしながらも家族所帯の負担を強いるものになっている。第二に、三障害共通に障害度判定を行ない、「重度で継続して医療費負担の発生する者」を基準とし、重度の障害に限定して公費負担を継続するが、それ以外は〇五年十月より医療費負担を導入、さらに〇六年からは福祉サービス部分にも介護保険と同様の一割負担を導入しようとするものである。
 本集会は、精神障害者がこれまで地域で生活し、通院を継続していくうえで不可欠となっていた精神保健福祉法第三十二条にもとづく外来通院治療公費負担制度が、このグランドデザインにより削除される問題を中心に、この「サービス抑制法案」に反対の声を強め、二月十五・十六日の中央行動を呼びかけるものであった。
 集会では、厚生労働委員会の委員である朝日俊弘参議員が、法案の動向を解説し、障害者の共同した運動が必要と訴えた。続いて、社会学者の北野誠一さんをコーディネーターにパネル討論が行なわれた。
 討論では、当事者の立場から「こーらるたいとう」の加藤真規子さんが、「グランドデザインは厚労省の相手によって話がクルクル変わる。当事者を抜きにした判定になっている.署名はすでに一万名集まった。反対の声を」と訴えた。大阪精神障害者家族会連合会(大家連)会長の大野素子さんが、「全家連は三十二条署名活動を中止せよといってきている中で断固、生活破壊・医療棄否に通ずるグランドデザインには反対していく」と固い決意を述べた。グループホーム「ほっこりクラブ」の井上孝彦さん、地域自立支援センターのNPOソーシャルハウスさかいの中本明子さんが各々現場から、グランドデザインで利用者サービスは後退し、負担は増えるのみと訴えた。大久保クリニックの精神家医・大久保圭策さんが、三十二条の削除は外来通院治療の破壊につながることを説明し、さらに病院により対象も狭くなる危惧を述べた。
 集会は最後に「精神障害者福祉の充実を求める決議」を採択し、二月十五・十六日の国会行動を始め、闘いを継続していくことを確認しあった。(S関西i通信員)


2・11京都
  「紀元節・日の丸・君が代」とたたかう京都集会
   アジア・在日・沖縄の側から平和憲法を

 二月十一日、京都市の京都会館会議場において、「『紀元節・日の丸・君が代』とたたかう2・11京都集会」が約二五〇名の参加でもたれた。主催は、天皇制の強化を許さない京都実行委員会。
 冒頭、司会の寺田みちおさん(京都「天皇制を問う」講座実行委員会)が、「本日、『紀元節』反対の集会が全国百ヵ所余でもたれている」、全国的な連帯が重要だとあいさつした。続いて主催者あいさつを部落解放同盟京都府連の大野委員長が行ない、「あいも変わらず、この時期に合わせて皇室賛美の報道がなされている。紀元節はまったくのデッチ上げの記念日だ。これを粉砕するには、イラク侵略への派兵などに対して断固として阻止していく我々の武装化、解放歌に言う『泪は憂いのためならず、断々固として武装せよ』が必要だ」と檄を飛ばした。
 講師の丹羽雅雄さん(弁護士、すべての外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク代表)が、「アジア・『在日』・沖縄から学ぶ平和憲法」と題して次ぎのように講演を行なった。戦争は最大の人権侵害であるが、今日の情勢の中にあって、差別の拡張と容認は必ず戦争へつながる。在日への差別、外国人排外、沖縄への常態的な差別、また小泉の靖国参拝を容認する傾向。これらの現実を踏まえつつ、アジアの中にあって憲法の「平和主義」を貫いていくためには、@歴史認識の深化とアジアとの共有化、A戦後補償の確立、B地方参政権に代表される住民自治の確立、C「沖縄を沖縄に返せ」、の四点が問われており、アジア・沖縄の側から憲法を解釈していくことが必要だ。そして、支配者にこそ憲法の遵守義務があるという視点を忘れてはならない。
 集会後のデモは、恒例の四条河原から市役所へのコース、解放同盟、教組、自治体労働者を先頭に三百名に増えた隊列で行進した。「天皇の元首化許すな!」などのシュプレヒコールに、観光客も足をとめていた。
 京都では、沖縄・イラク・天皇・憲法の諸戦線がリンクしてきており、3・19イラク攻撃二周年行動、「平和憲法の会・京都」の立ち上げ等々、多様に運動が継続している。(関西I通信員)

2・11大阪
  北九州「ココロ裁判」(4・26判決)に学ぶ

 大阪では同日、「『建国記念の日』反対、教育基本法・憲法改悪を許さない!2・11『日の丸・君が代』強制反対ホットライン2005大阪集会」が、エル大阪で約二百名の結集でもたれた。
 主催のホットライン大阪から、教育基本法・憲法改悪の本質は、個人は国家のためとすること、企業では実直な労働力であれということ、「日の丸・君が代」強制はその象徴だとあいさつが行なわれた。
 黒田伊彦さん(関西大学講師、ホットライン大阪事務局)は、洞部落の強制移転と神武天皇陵の歴史的話しを絡め、最近の天皇発言、女性天皇論議などを批判した。
 講演は、「思想・良心の自由を憲法に問うココロ裁判の結審を迎えて」のテーマで、原告の一人竹森真紀さん(北九州学校ユニオン・ゆい)が、二十年間の闘いを報告した。北九州市の「君が代」強制の処分は二十年前。原告十九名は弁護士に頼らない本人訴訟で、良心の自由を訴えた。この「ココロ裁判」の初公判は九七年二月、今年一月二五日に最終弁論が行なわれ、四月二六日に判決(福岡地裁301号法廷)となる。
 最後に、各地域(高槻、吹田、枚方、箕面、大阪市内)から、直面の卒業式での強制反対などについて報告があった。集会後、大阪駅までデモを行なった。(関西N通信員)