1・10「学校に自由の風を!」大集会で、本年の闘い始まる
  今春卒業・入学式での「強制」許すな

 新年早々の一月十日、「変えよう!強制の教育 学校に自由の風を!」大集会が東京・日比谷公会堂で開かれ、父母・教育労働者・市民など約一九〇〇名が参加して盛況であった。教育関係をはじめ、非常に多くの市民団体等が賛同参加しているのが目立った。主催は、都立高校生の父母などによる「学校に自由の風を!ネットワーク」を連絡先とする集会実行委員会。
 集会では、このかんの都立高校での「日の丸・君が代」強制と大量処分や、教育基本法改悪の問題をはじめ、教育をめぐる多くの課題が提起された。フリートークで、枝川朝鮮学校立ち退き裁判について弁護団の師岡康子さん、警察・学校相互連絡制度について長澤彰弁護士の報告をはじめ、私学での強制、特別支援教育の問題、品川区の「教育改革」、定時制高校の統廃合など、多くのテーマと運動課題が示された。また〇四年の都立高校卒業生、現役の都立高校生も登壇して発言したのは大変よかったと思う。
 講演は教育評論家の青木悦さんと、このかんの教育基本法改悪反対でお馴染みの高橋哲哉東大教授。他に、「扶桑社版・新しい歴史教科書」を使っての寸劇、李政美さんの歌など盛沢山なプログラムであった。
 最後のアピールでは、昨年十二月三日に板橋高校元教員・藤田さんが不当にも起訴されたが、これを含む都立高校反処分闘争での四裁判等について加藤文也弁護士が報告、また、自由の風ネットワークから、都立学校の卒業生・保護者・元保護者で地域ごとにネットワークを作ろうという提起などが行なわれた。
 さて、教育基本法「改正」法案は今春通常国会では自民・公明の調整が進まず、提出が断念されたと報道されている。しかし、具体化する憲法改悪計画との関連性をより意識した形で、教育基本法改悪が具体化されることは間違いなく、それを阻止する広範な共同行動をひきつづき拡大する必要がある。
 五月七日には「教育基本法の改悪をとめよう!全国集会」が、野外集会・パレードとして、教育基本法改悪をとめよう!全国連絡会の主催で行なわれる(代々木公園、午後一時)。
 直面する闘いでは、都公立学校の今春の卒・入学式で「日の丸・君が代」強制を許さない取り組みが重要となっている。都教育委員会は一昨年の「10・23通達」につづき、昨年秋の都立高校周年行事について「適正に生徒を指導せよ」という職務命令を校長に出させている。「日の丸・君が代」強制が、生徒への強制というレベルに達している。
 これらを許さず、卒業式を目前とした二月六日には、教育労働者を中心とする都教委包囲ネットワークによって総決起集会(神田の日本教育会館、午後一時)が行なわれる。
 また、今年は中学校教科書の採択が全国で一斉に行なわれる。「つくる会」の扶桑社板・反動歴史教科書は四年前には広範な批判を受けてほとんど採択されなかったが、今回はまき返しを狙っている。各地で、教育委員会に働きかけ、「つくる会」教科書を再び許さない取り組みが必要だ。(東京W通信員)
 

1・23福岡
  「博多で考えたい、沖縄のこと、平和のこと」集会
    沖縄と連動し、広範な結集

一月二十三日、福岡市の中心にある大名カトリック教会にて、「博多で考えたい、沖縄のこと、平和のこと」と題する集会が「沖縄と結ぶ市民行動・福岡」(岡本茂樹代表)の主催で開催され、約百人の市民が集まった。主催者は、九五年の米兵による女児暴行事件を契機に沖縄に連帯する行動が福岡で何かできないかと結成され、これまで活動してきた市民団体である。
  集会ではまず、辺野古でのボーリング調査阻止行動のビデオが映され、次に琉球朝日放送による、八月十三日の米軍ヘリ墜落直後の現場を撮影し、米軍から奪われそうになった未編集の貴重なビデオが映された。
 続いて沖縄国際大学の石原昌家教授が講演。本日の集会は昨日現地で開催された「八・十三の記憶の場を考える市民の意見交換会」と連動するもので、墜落現場の大学の「一号館壁」を平和のシンボルとして保存していく取り組みが紹介された。一九六八年に嘉手納基地でB52が核貯蔵庫付近に墜落し、爆発炎上。もう少しで地球規模の核被害が起きる危険があったのにもかかわらず、この事件が沖縄でも風化しつつあることを指摘。それはその時の痕跡がまったく消されたことにあるという。保存の取り組みには現場の大学生が立ち上がり、八千三百筆に及ぶ署名を集め、現在も署名続行中であるが、大学当局は解体を画策している状況にあるという。
 次に各団体・個人から福岡での取り組みが報告された。北九州の学校ユニオンに所属する杉田祐子さんは昨年十二月に辺野古に赴き、様々な支援者と交流したことを現地の資料を使って紹介。次に「普天間基地撤去を求める沖国大OB・OGの会」の東京出身で福岡に就職した五十嵐ゆりさんが、インターネットなどで全国から五千七百七十人の署名(八割は沖縄以外)を集め、沖縄選出・出身の国会議員に直接手渡した取り組みを報告。続いて主催者の岡本さんが、当時九大生であった一九六八年にファントム米軍機が構内に墜落し、保存運動が高まるなか大学の陰謀で機体が引き下ろされた事件を紹介。当時の学生の政治闘争の高まりはその後個別闘争に分散していったが、沖縄の基地問題を取り組むなか、安保など政治を変える必要を訴えた。
 最後に平和委員会より、福岡(板付)空港が米国から返還された現在でも米軍の通信基地や弾薬の輸送基地として使用され、米兵が少数ながら常駐していること、自衛隊も使用し、米軍との合同演習をするほか、空港内に半地下の指揮室を持っていることが写真を使って説明された。また博多湾の人工島で国が造成する水深マイナス十五mの岸壁・航路は、大型空母が接岸・回頭できる軍事的ねらいがあると指摘。 
 まとめとして石原教授は、米軍ヘリが市街地を飛行するのは市街戦を想定したものであり、現在沖縄の米軍基地はがら空きの状態であるが、これはイラクに出撃しているもので、沖縄の基地がイラク侵略に直結していることを指摘した。
  集会の最後に「WeLove9条市民ネットワーク福岡」からは、今晩その結成集会が開催されること、また「 NHK番組改ざんを考える市民の会」からは学習討論会を開催することが報告され、それらへの参加が呼びかけられた。
 今回の集会は、無党派を中心に元全共闘の活動家から共産党まで幅広く結集したものであり、沖縄に連帯した福岡での運動が広がっていくことが期待されている。(九州M通信員)