1・16同日行動
 中部方面隊・伊丹総監部など陸自三基地へ
   やめろ第5〜6次派兵

 一月十六日、名古屋市守山、宇治市大久保、兵庫県伊丹市で同時に自衛隊イラク派兵反対の行動が取り組まれた。
 自衛隊イラク派兵は陸上自衛隊では、昨春から北部方面隊、東北方面隊と四次に渡って強行されてきたが、今春からは兵庫県伊丹市に総監部がある中部方面隊であり、二月からの第五次派兵が第10師団(名古屋市守山区)、五月からの第六次派兵が第3師団(伊丹市)を中心に強行されようとしている。京都府宇治市の大久保駐屯地からは、両方に派兵されるといわれている。愛知県小牧基地からの航空自衛隊輸送機のイラク派遣に反対する行動も持続して取り組まれてきているが、派兵部隊本体の出兵を許さない関西・名古屋での大きな闘いが問われている。

  名古屋・伊丹

 まず、名古屋市守山区小幡緑地西公園で一月十六日・十二時半より、地元の市民団体「有事法制反対ピースアクション」(水田洋・寺尾光身共同代表)主催によって、「イラク派兵反対!行くな守山自衛隊 もどれ小牧自衛隊1・16ピースアクション」が行なわれ、全国各地から約二百名が参加した。この全国の仲間の多くは、前日からの「全国交流合宿in名古屋」で派兵反対、改憲反対、朝鮮・沖縄・アジア連帯の共同行動について討論をしてきての参加である。
 集会は、水田洋共同代表のあいさつで始まり、全国各地と地元の発言があり、集会後、守山駐屯地正門までデモを行なった。
 当日、「1・16愛知県民集会実行委員会」(日共系の安保破棄愛知県実行委や、守山からイラク派兵をさせない会等で構成)の主催による集会も行なわれており、同じくデモで駐屯地へ到着。両主催団体の共同行動として、三時より計一千名の参加者によって「人間の鎖」行動を行なって、駐屯地を包囲した。さらに師団長に派兵中止の申し入れを行なった。
 さらに翌十七日より駐屯地正門前で座り込み共同行動が連日行なわれ、二十二日、二十九日と再び集会が行なわれ、座り込みは一月末まで続けられている。
 
   宇治・大久保

 また同日一時半より、宇治市の大久保基地に対しては、「自衛隊のイラク派兵反対!〜とめよう派兵!大久保からも〜」としての集会・デモが、「STOP!イラク派兵・京都」の主催で行なわれた。
 集会は、城南勤労者福祉会館に約百五十名が参加して、海外派兵の中での大久保基地の役割について講演等が行なわれ、三時半より近鉄大久保駅へのデモが行なわれた。
 また京都では、三月二十日に、イラク戦争開始二周年の世界同時反戦行動に取り組む予定である。
 
   伊丹

 そして中部方面隊全体の司令部がある伊丹では、同日一月十六日・午後一時半よりJR伊丹駅アリオ前公園において、「やめろイラク占領!往くな・もどれ自衛隊!」イラク派兵反対伊丹集会が約三百名の参加で開かれた。主催は「やめろイラク占領!行くな・もどれ自衛隊!」実行委員会。 
 集会は、地元高校生による阪神センター合唱団の歌声で始まり、主催者を代表して地元伊丹教組の和田氏が、「今日の集会は、約五十団体が参加して、二回の実行委員会を積み重ねて行なわれている」とあいさつ、「イラクでは十万人以上の死者が出ていると言われている。現状は各国の相次ぐ撤退が行なわれる中、アメリカと共に日本は自衛隊の派兵延長を強行している。サマワの自衛隊基地内にこれまでロケット砲弾が十四発も撃ち込まれている事態は、もはや非戦闘地域とは言いがたい。今日は名古屋・守山基地と京都・大久保基地でも、同時に集会が開かれている。五月には、ここ伊丹から第3師団のイラク派兵が準備されている。その派兵阻止集会を三千人規模で、四月に実現しよう!」と締めくくった。四月の共同行動を大きく成功させる必要がある。
 続いて、名古屋、京都よりのメッセージが紹介・朗読され、各団体からの五十二に上る一分間スピーチが行なわれた。集会アピール採択後、阪急伊丹駅までのデモンストレーションが闘い取られた。
 この集会は、地元伊丹や尼崎の労組・市民団体や関西共同行動などなど、また日本共産党、社民党、新社会党など幅広い参加で構成されており、このかんこの広い枠組みで、毎年一月に伊丹基地に対するヒューマンチェーン(人間の鎖)行動を実現してきている。こうした地域での統一戦線を各地に一つでも多く作り上げ、派兵阻止運動を拡大していこう!(関西D、Sa通信員)


1・16三里塚「05年旗開き」
  暫定滑走路「北伸」許さず

 一月十六日、三里塚芝山連合反対同盟主催で、「〇五年旗びらき」が、横堀農業研修センターで開かれ、東峰、横堀の住民や、全国からの支援等四十名が参加した。
 まず反対同盟世話人の柳川秀夫さんの開会のあいさつから始まった。柳川さんは、「千葉県収容委員会が再編成された。成田空港はやらないと報道されている。そもそも事業認定申請をとり下げたのだから手続き上もできない。もしやるのであれば、国が約束を破るということだから、また『戦争状態』に入ることだ。北側国交相が、北側延伸の発言をした。国が方針を出せば工事に入れる状態にはなっている。開発を更に肥大化・巨大化しようと望んでいる人達が多数であることがわかる。南側は我々の拠点があり、これ以上の開発は許さない。今日の様な、正月の大雨のことは今までなかった。天候不順、天災、乱開発による弊害などをみれば経済発展と巨大開発はもう限界にきている。我々反対派は地域では少数派だが、世界的にみれば孤立していない。闘いを継ぎ、新しい闘いをつくっていこう」と、力強い決意をのべた。
 続いて熱田一さん(横堀地区)が、「八十六歳になっても、まだまだ皆の支えで頑張っている。東峰とともに頑張りたい。」と元気に発言し、熱田さんの音頭で乾杯となった。
 続いて石井恒司さん(東峰地区)は、「念頭から北側延伸して二千五百米を完成させるといっているが、いまさらなにを騒いでいるのかという感じだ。北にのびるか、南へくるかで構えが変わる訳ではない。動ずることはない。こちらは自分のペースで頑張るつもりだ。よろしく」と決意を語った。
 平野靖織さん(東峰地区、らっきょう工場)は、「東峰の村が存続するかぎり、あそこで仕事している。後継者の育成にも力を入れていきたい。東峰へ来たら工場に是非寄って下さい」とあいさつ。
 豚汁をつくっていた石井紀子さん(東峰地区)も、「三里塚に来たら、ここで採れた野菜と野菜の命を味わってください。じいちゃんから豚汁作りを引き継ぎました。私流の味になっています。飛行機が飛んでも野菜は元気です」とあいさつ。
 地元からは林欽治さん(ちば・市民のひろば)が、「『石井武の生涯』、おかげで完売、三千部増刷した。本が全国の人々に読まれることがうれしい」と報告。「空港はいらない静岡県民の会」からの連帯アピールが紹介され、全国の支援からの決意表明が続いた。
 〇二年四月、三里塚で暫定滑走路が強行供用されてから、三年になろうとしている。日々、頭上四十米の所をジェット機が九十五ホーンの轟音と排気ガスをまきちらして離着陸している。しかし東峰住民等は、その中で営農を続け、闘いをやめなかった。一月十一日に北側国交相が、暫定滑走路の北側延伸に向け指示を出さざるを得ない所まで追いつめられている。一昨年十二月には、東峰神社裁判で勝利の和解を闘い取った。昨年十月には、本殿の全面改修を行い、今年一月鳥居をコンクリート造りに建て替え、東峰部落の人達の闘いは堅持されている。本年四月供用四年目に入る時期に、東峰での現地行動が予定されている。
 
   関西でも1・30三里塚旗開き
 
関西では、反対同盟の柳川秀夫さんを招いて、関西三里塚相談会の旗びらきが、一月三十日、尼崎市立労働会館に三十八名が参加し行われた。
柳川さん、上坂代表があいさつし、泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会の小山さん、石垣島白保に空港をつくらせない大阪の会の栄さん等が発言した。静岡空港の「県民の会」作成のビデオを上映し、今年の闘いの決意を確認した。
なお、昨年十一月三十日、強制収用に向けた事業認定申請が出され、今年正念場を迎えた静岡空港では、「空港はいらない静岡県民の会」が、一月三十日「総会」を開き、闘争方針を確立している。
二月には、中部国際空港が強行開港されようとしている。しかし先日のテスト飛行では横風のため伊丹からの全日空機が着陸できず、名古屋空港に着陸するというデタラメな計画ぶりが露呈した。反空港全国連のスクラムを更に固め、三里塚・関西新空港・石垣島白保新空港・静岡空港等の反対の闘いを更に発展させていこう。
(関西東峰団結小屋維持会・渡邊)