11・23大阪
 基地いらん・戦争あかん関西のつどい
  沖縄、韓国を結んで

 十一月二十三日、大阪城野外音楽堂において、「基地いらん・戦争あかん11・23関西のつどい」が開かれ、千六百名が参加した。
 集会は、「しないさせない戦争協力関西ネットワーク」「おおさかユニオンネットワーク」「沖縄とともに基地撤去をめざす関西連絡会」「南大阪平和人権連帯会議」「日朝日韓連帯大阪連絡会議」の五団体の呼びかけであり、辺野古でのボーリング調査阻止の闘い、沖縄国際大学への普天間米軍ヘリの墜落事故など、厳しい沖縄の闘いに連帯し、十二月十四日の自衛隊イラク派兵延長を阻止するために大衆的な行動を行ったのである。
 集会は、五団体の代表が登壇し、代表して、「おおさかユニオンネットワーク」の加来洋八郎さんが主催者あいさつを行った。
 ゲストとして、去る七月革新共闘として参院選に勝利した糸数慶子さんが発言した。糸数さんは、「革新共闘にこだわって勝利した。現地沖縄では、基地負担を軽減するといいながら、辺野古でボーリング調査が強行されようとしている。他方で、日本にも実弾演習などは移転され強化されている。名護・辺野古海上基地建設は、稲嶺県政で沖縄に新たな基地を作るはじめての合意となった。辺野古の海を埋めさせない、基地はつくらせない闘いを、基地も軍隊もいらない地球市民として生きていく事として誓いたい。十二月三日臨時国会で論議を終わらせようとしている。ひるまず闘いをつづけよう」と、訴えた。
 次いでヘリ基地反対協議会共同代表の安次富浩さんが、四月十九日からのボーリング調査阻止闘争の現状を詳細に報告し、米軍基地を利用した工事強行に対し非暴力徹底抗戦で闘い抜いていると述べた。
 続いて、韓国から平澤(ピョンテク)の闘いを代表して農民会長の金徳一(キム・ドギル)さんが発言した。「在韓米軍の再配置のため返還の一方、ピョンテクでは三百四十九万坪の新たな米軍基地が建設されようとしている。彭城(ペンソン)・新垈(シンデ)はコメを中心とした農村地帯。かつて日本基地だったが、一九四五年米軍が代わって入ってきた。百五十万坪の土地が奪われ、多くの農民が移住を強いられた。今また、更に三百五十万坪の土地を、一千世帯の人びとが奪われようとしている。説明会、公聴会に対し、トラクターで押しかけ反対してきた。現在、国会前にテントを張り、ろう城で闘いを始めた。既に二十名余が負傷し、十名が警察に拘束されている。土地を守る闘いから出発したが、現在は米国の戦略に、戦争をはじめるための米軍基地再配置に対し闘っている。沖縄の闘いとも連帯して闘っていきたい」と、述べた。ペンソンでとれた新米が辺野古へカンパされた。安次富さんは、ボーリング阻止隊の団結おにぎりにしたいと、感謝を語った。
 集会は「辺野古緊急アピール」(別掲)および集会決議を採択して、デモに出発した。
(関西S通信員)


緊急アピール
沖縄県名護市辺野古沖の基地建設に伴うボーリング調査の強行について

那覇防衛施設局は四月十九日まだ夜も明け切らぬ午前五時に作業ヤードの建設を強行しようとしましたが、多くの住民に阻止されました。それ以降、辺野古漁協前に座り込む住民の前に陸上での工事は完全に阻止されています。
 八月十三日宜野湾市の沖縄国際大学に米軍の大型輸送ヘリが墜落・炎上する事故が起きました。政府はこの事故を悪用し、辺野古への基地移設を強引におし進める理由にしました。那覇防衛施設局は九月九日に五〇〇名を越す住民が待ちかまえる辺野古漁協を避け、佐敷町の馬天港から船を出し、米国提供施設のキャンブシュワブで道具を積み込み、ボーリング調査のための予備調査作業を開始する暴挙にでました。
 それ以降地上の座り込みに加え、四〜五隻の小型船と十五艇のカヌー隊やダイバーによる海上・海中での阻止行動が展開されています。阻止行動による作業の遅れに焦る防衛施設局側は、調査船による体当たりすれすれの威嚇やパイプでカヌー隊を殴りつけたり、海中のダイバーの水中メガネをはぎ取るなどの暴力をし始めています。
 辺野古沖には珊瑚礁やジュゴンの餌場となる藻場が広がっています。そして、沖縄県は「自然環境保全指針」において辺野古沿岸域を「評価ランク1」に分類しており、厳正な保全を図らなければならない区域としています。
アセスメントが実施される前にボーリング調査をおこない自然を破壊することは、アセスメントが正当に実施された場合、基地の建設が出来なくなることが明白なために、アセスメントを形骸化することを目的としているとしか考えられません。
私たちは、那覇防衛施設局の卑怯なやり方に強い怒りを禁じ得ず、ボーリング調査の強行に抗議し、下記事項の実施を強く要求します。
1. SACO合意にとらわれず、基地縮小・撤去に向けてあらゆる努力をおこなうこと。
2. 沖縄県民の90%以上が反対している辺野古沖への普天間基地の移設を断念すること。
3. ヘリ事故が起きた普天間基地を即時閉鎖し、住民が安心して暮らせる街にすること。
4. ボーリング調査会社との契約を取り消し、環境影響評価を科学的・客観的におこなうこと。
5. 非暴力の阻止隊に対する暴力を謝罪すること。
6. 現在辺野古沖に設置した、単管足場・スパット台船・固定やぐらを直ちに撤去すること。
二〇〇四年十一月二十三日
 基地いらん・戦争あかん関西のつどい参加者一同


第三回・世界自然保護会議
 名護海上基地建設の自然破壊中止を日米両政府に勧告決議
  勧告履行し工事中止を

 十一月十七〜二五日にかけてタイのバンコクで開催されていた世界自然保護会議IUCN第三回会議において、名護海上基地の建設によってジュゴン生息海域が破壊されること等の中止を日米両政府に要求する決議が採択された。
 IUCNは世界最大の自然保護団体の世界組織であり、その勧告は国際条約と同等の重みを持っている。日本政府はこの勧告を誠実に履行し、政府・那覇防衛施設局は、現在強行している辺野古沖でのボーリング調査工事をただちに中止しなければならない。
 その勧告決議「日本のジュゴン、ノグチゲラ、ヤンバルクイナの保全」は、以下のとおり。(提案者は、WWFジャパン、日本自然保護協会など七団体。)
 IUCNはその第三回会議において、
1、 日本政府に対し、以下のことを要請する。
・ ジュゴン生息海域における軍民供用空港建設計画に関する環境アセスメントでは、ゼロ・オプションを含む複数の代替案を検討すること。また、ボーリング調査、弾性波探査などの事前調査も環境アセスメントの対象にすること。
・ ノグチゲラ、ヤンバルクイナ生息域における米軍ヘリパッド建設計画に関しては、これを環境アセスメントの対象として、ゼロ・オプションを含む複数の代替案を検討すること。
・ 早急に、ジュゴン、ノグチゲラ、ヤンバルクイナの保護区を設置して、保全に関する行動計画を作成すること。
2、 アメリカ合衆国政府に対し、以下のことを要請する。
・ 沖縄の希少な野生生物生息地におけるアメリカ合衆国軍の基地建設について、米軍の環境管理に関する基準にもとづいて、日本政府と環境保全、野生生物保護の観点から協議すること。
・ 日本政府が実施する軍事基地に関する環境アセスメントに、自然科学者を派遣して協力すること。
 以上の決議では、「ゼロ・オプション」つまり白紙化を含めての検討が要請され、またアセスメントの以前にボーリング調査などが強行されてはならないことが要請されている。
 またこの決議は、すでに四年前のIUCN第二回会議(アンマン)がジュゴン等の保全勧告を日米両政府に出していたが、それが履行されないばかりか、その後海上基地建設が具体化されてきたために、異例の再勧告となったものである。
 決議は、とくに米政府に大きな圧力となるだろう。辺野古の工事強行は日本政府の行為であるが、キャンプ・シュワーブ内に監視所が設置されるなど米政府の加担は明らかになっている。米国司法でのジュゴン訴訟の判決も近い。ブッシュ政権は、全米の環境団体から非難にさらさせるだろう。(W)
 

11・20〜11・22沖縄から米軍基地をなくす全国交流会in東京
  伊波市長、新基地建設
  独自化の「懸念」表明


 十一月二十日〜二十二日に、「沖縄から米軍基地をなくす全国交流会in東京」が都内・三宅坂ホール(社会文化会館)などを会場に開かれ、「普天間基地の即時閉鎖!辺野古への移設白紙撤回を!」がアピールされた。主催は、命どぅ宝ネットワーク、沖縄・日本から米軍基地をなくす草の根運動など各地の沖縄関係の七つの団体による実行委員会。多くの団体・個人も賛同している。
 一日目の十一月二十日には、各地域からの報告とともに、宜野湾市長・伊波洋一さんの講演、参議院議員・糸数慶子さんの挨拶、米大使館・外務省への道ジュネーが行なわれた。二日目に討論交流会と沖縄文化行事、三日目に東京・神奈川の米軍基地巡りが行なわれた。
 二十日の社文ホールには、約二百名が参加し、米軍大型ヘリ墜落事故から三ヵ月がたつ普天間基地の現況、その閉鎖・撤去の展望について、伊波市長の話に聞き入った。伊波さんは、「このかんの日米両政府、米議会への働きかけによって、普天間基地閉鎖の流れは一定出来上がってきた。またイラクへの派遣で基地は空洞化しつつある。」「しかし他方で、なぜ辺野古への移設が強行されているのか。普天間と切り離されて進められている可能性もある。普天間のヘリ部隊は置かなくても、新基地は作るということ、その懸念を伝えたい。」と述べた。重要な指摘と言うべきである。
 また、平和市民連絡会のまよなかしんやさんが、十六日から強行されている辺野古の工事に対する海上・海中での阻止闘争の報告を力強く行なった。
 この全国交流会は、沖縄現地での緊迫した情勢からすると参加人数がやや寂しい感があるものの、「沖縄から米軍基地をなくす」という共通の目的を明確にし、党派・潮流を超えて取り組まれた一つの意義ある企画であった。普天間閉鎖・海上基地阻止を一致点に、「本土」で沖縄基地撤去の共同を各方面から発展させていくべきである。(東京W通信員)
 

東京東部
 沖縄の闘いに連帯する11・25行動
  来年は現地派遣団

十一月二五日、東京墨田区錦糸公園で、「沖縄の闘いに連帯する11・25東京東部行動」が行われ、北風のなか150名が集会と、亀戸までデモ行進を行った。
 東京東部地域は地区労が解散したあとも、反戦平和のための共闘組織が健在で、地法公務員労働組合や中小民間の労働組合やさまざまな団体が連携して沖縄に連帯する活動が粘り強く取組まれている。九月の辺野古ボーリング調査強行に対しても、ただちに数十名規模での反対情宣活動がとりくまれてきた。
 この集会とデモは、辺野古ボーリンググ調査の即時中止と海上基地計画の白紙撤回、普天間基地閉鎖と返還、自衛隊のイラクからの即時撤退を求めて行われたものである。集会では現地での闘いを取材したビデオが上映されたあと、沖縄一坪反戦地主会から辺野古・沖縄での闘いの報告が行なわれた。決意表明では、来年60周年を迎える東京大空襲を後世に伝えるための行動からのアピールや、最近現地を訪問した仲間からの印象が語られた。
 実行委員会では引き続き沖縄への支援連帯行動を取組もうとしており、来年一月下旬には現地への派遣団が組織される予定である。(東京H通信員)