11・13〜14第四回反空港全国交流会
 中部国際空港・名古屋空港を現地調査
  静岡空港土地収用阻止を決議

 十一月十三〜十四日、「反空港全国連絡会第四回全国交流集会」が名古屋において開催され、全国より二十三団体・八十名が参加し、現地調査と交流集会が行なわれた。
 三年前、関西の地で我々も受け皿となって反空港全国連の結成集会がなされ、その後、静岡、東京と毎年開催されてきたが、今年は、来年二月に強行開港されようとしている中部国際空港の現地で、「中部国際空港建設の見直しを考えるネットワーク」等が呼びかけ団体となって開催されたものである。
 まず十三日午後、参加者はバスで、名古屋空港の現地調査に向った。
 来年二月の中部国際空港開港にともない、名古屋空港は、愛知県が二百六十一億円で国から滑走路・誘導路部分を買い上げ、県営の小型機専用の名古屋飛行場として運営される。しかし、その実態が、現名古屋空港にある航空自衛隊小牧基地と三菱重工小牧南工場のための「県営自衛隊空港」化するのは明白である。さらに再来年には小牧基地に空中給油機の配備が予定されているのである。
 夕方からは名古屋市内に移動し、第四回交流集会を開催した。各地方の空港問題の現状が報告され、相互の連帯を確認した。
 とりわけ今回は、静岡県知事が、未買収用地の収用を意図して事業認定申請を行なうという緊迫した状況の中で開かれ、集会では、ただちに反撃を開始した「空港はいらない静岡県民の会」「空港に反対する?原オオタカの森トラストの会」等が力強い発言を行ない、集会参加者は「静岡空港建設に反対し土地収用を阻止するアピール」を緊急採択し、静岡県知事に送付することとなった。
 全国からの各団体の報告は以下のとおり。何度も計画が撤回されながら、結局、サンゴの海が破壊されようとしている沖縄・白保については、「石垣島・白保に空港をつくらせない大阪の会」「八重山・白保の海を守る会」。一旦白紙になりながら新たな策動が図られている福岡より、「新福岡空港ストップ連絡会」。神戸の海を埋め立てて死の海とし、関西で三つ目の空港をゴリ押しされようとしている神戸より、「住民投票☆市民力・市会議員団」。騒音裁判で勝利しながら、今度は、関空のための騒音対策費の削減・第二種空港への格下げという矛盾した状況下の伊丹からも。地盤沈下が不均等に続くなか無理やり二期工事を続ける関空より、「泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会」。自衛隊基地強化になる名古屋より、「基地強化反対・名古屋空港の存続を求める会」。緊迫する静岡より前述二団体。強行供用されている暫定滑走路の更なる北側延伸が図られている三理塚より、「三里塚芝山連合空港反対同盟」。多摩川の河口を狭くし、浮体構造で四本目の滑走路を作ろうとしている羽田より、「羽田空港を監視する会」。地元より、常滑(とこなめ)の「空港を考える市民の会」。
 最後に、呼びかけ団体である「中部空港見直しネット」が以下のようなまとめを提起した。各地方の空港問題は建設の見直しが迫られている。強制収用を法的手段とすることに反対する。全て建設前提で需要予測が作られており、巨費がムダづかいされ、サンゴやオオタカの森の生態が破壊され、更に空港の軍事化が図られていることを絶対阻止しなければならない。
 翌十四日は午前中、愛知県常滑市沖に建設中の中部国際空港と、対岸の中部臨空都市建設の状況を調査した。
 中部国際空港は「国際ハブ空港」として建設を宣伝されたが、現実にはその機能は期待できず、「現名古屋空港を少し大きくして移しただけ」に留まっている。関空で失敗が明白   になっている「前島」(臨空都市)は、中部国際空港でも現在一件のみの契約しかなく、工事中の埋立地が広がっている。人口が減少気味で、市の競艇場収入が減少の中、「地域活性化」の名の下に建設が開始されたが、反対運動は大きくなく、海苔と魚の豊富な海は失われたのである。
 来年二月十一日・中部国際空港開港、三月十五日・愛知万博開催と一時的には活性化するかもしれないが、その後は、第二の関西空港の道が待っているようだ。
 交流会参加者は、来年、福岡で第五回目の交流会を持つことを確認し、二日間の行動を終えた。全国の仲間とのネットを強め、巨大開発と軍事化に反対し、闘いをさらに発展させよう。(関西・東峰団結小屋維持会 渡邊)
 

STOP!暫定滑走路11・21三里塚東峰現地行動
  強まる延伸策動に対峙

十一月二十一日午後一時半より、千葉県成田市の東峰共同出荷場にて、「三里塚・暫定滑走路に反対する連絡会」主催の「STOP!暫定滑走路 11・21三里塚・東峰現地行動」が取組まれた。東峰住民の他、全国より八十名の仲間が参加し、闘われた。
 集会は、十一月一日に、北側国土交通大臣が、就任後初めて成田空港を視察し、記者会見で、暫定滑走路の延長について「成田国際空港株式会社に対して、地権者との用地交渉に年内全力を挙げて取組んでもらい、年明けに報告するよう求めた。その結果をよく聞いて判断したい」と述べた。これは、昨年末に公団・黒田総裁(当時)も述べていることから、四月に民営化した空港自身が追い詰められ、判断を迫られていることを示している。東峰住民の生活する固い意志の中では、北側延伸をも決断するという厳しい情勢の中で行われたものである。
 集会は、「じゃがいも運動」の大原さんの司会で行われ、「供用から二年半、騒音が襲う東峰で、更に北への拡大の動きもある中、騒音が東峰からなくなるまで闘い抜こう」と、集会の開始が述べられた。
 東峰の石井紀子さんが発言に立ち、「最近の台風、長雨で、東峰の地も大きな被害を受けました。十三年前の大雨の時も『石井湖』とよんだ浸水ができましたが、今年はネギ畑が全滅しました。雨がやんでも水が引かず、島村さんの畑や道が水につかったままで、公団と話し合い、排水路をはらせました。このような、排水しないような空港を作ったための影響については個々に対応させ、責任をとらせていき、営農を続けていくつもりです。国交省がちょっと視察にきて『これはなんとかしないと』とコメントを述べただけで、収容委員会の再開が決まりました。成田には適用しないといっていますが、信用できません。梅沢さんが出て行ったので、そのあとを自主的に管理していくつもりです。公団にかってなものをつくらせず『廃墟』にさせず、人が暮らせる地域にしていきたい」と、固い決意を述べた。
 続いて、らっきょう工場の平野さんが発言し、「十月の雨で、らっきょうや落花生に大きな被害がでました。らっきょう工場のらっきょうは対策をしていたので無事でしたが、他は大変ひどい状態です。東峰地区住民七名が立場を越えて訴えた東峰神社の立木の強制伐採に対する裁判が、『和解』の形で昨年十二月に勝利しました。『無断伐採』を謝罪させ、『総有』を認めさせました。神社に新しい木を植え、社も新しくしました。東峰は皆着実に生活をし、営農や生産をし、闘っています」と、決意を語った。「泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会」からのメッセージが読みあげられ、現地横堀の山崎さんが発言し、「成田の軍事利用が更に強まっている」と、警戒と闘いの意志を述べた。
 集会参加者は、デモに移り、暫定滑走路に深くくい込んでいる開拓組合道路までデモを行った。道路中の排水槽は水が一杯たまり、滑走路のコンクリートに覆われた土地の排水の困難な状況が印象的だった。
 再び出荷場で集会が開かれ、らっきょう工場の平野さんの発言が続けられたあと、諸団体が続々と決意を述べていった。私は「関西三里塚闘争に連帯する会」として、「10・3に空港いらん!関西集会を百名で開いた。11・7には白保の集会ガ、11・13―14は反空港全国連第四回交流会が八十名で成功した。来週は、事業認定申請から強制収用を図られている静岡空港の現地行動があり、全国の仲間が、全力で空港反対の闘いを結んでいこう」と、述べた。(渡邊)

11・7大阪、東京の両団体が緊急集会
  やめろ白保空港ゴリ押し

 十一月七日、尼崎市の勤労福祉センターにおいて、石垣島・白保空港反対の緊急集会が行なわれた。「石垣島・白保に空港をつくらせない大阪の会」と「八重山・白保の海を守る会」(東京)の両者による主催。
 二〇〇〇年四月に急遽決定され、ゴリ押しに進められる「カラ岳陸上案」による沖縄県石垣島・白保での空港建設の動きは、本年度になって急速に進められている。
 集会では、「八重山・白保の海を守る会」の生島さんより、情況が報告された。アセスメント手続きで最大のもので、住民側が意見を出せる最後の段階であるアセス準備書が、とにかく〇三年度中に済ませたいとして本年三月三十日に公告・縦覧された。五月までに五百十六件もの意見が寄せられたにも関わらず、わずか十日間で知事に対し住民意見の概要と事業者の見解が送付された。さらに百二十日目の期限ぎりぎりにアセス準備書についての知事意見が送付された。このかん四回に渡る環境影響審査会のアセス準備書についての答申は「予測評価の再評価が必要」などを指摘するかなり厳しい内容であったが、知事意見はまったくこれを骨抜きにしたものであった。
 さらに重大なのは、八月二六日、国土交通省が新規採択時評価を行ない、実施設計調査費(数億といわれている)を概算要求したことである。今回の新規採択時評価は、昨年度から施行された整備指針に基づく初めてのものであった。「透明性の確保」「説明責任の一層の遂行」の観点が強調された新規採択時評価であったが、国交省の評価結果は、事業者(沖縄県)の言い分をたんに代弁するものにすぎなかった。この背景には、沖縄県議会決議や推進郡民大会などの攻勢と、石原伸晃元大臣の「作ってやったら」のコメントが、概算要求に慎重だった国交省を推進へ転じさせたと思われる。
 また七月十三日には、「地元地主地権者全員合意」なる新聞報道が行なわれた。実際は、滑走路の真中に四ヘクタールの土地を所有する地主が買収に応じていないにも関わらずにである。
 情勢は、〇五年度予算に新石垣空港予算の計上を阻止できるかどうかの重要な段階に来た。現在、用地内にあるトラスト共有地は五百五十二名に達している。さらに共有者を増やし六百名を達成し、地元に対し訴えよう。六月実施された白保現地ツァーを更に重ね、地元反対地権者や住民と交流しよう。そして十一〜十二月の国会各委員会、財務省への要請行動を強めよう。以上、生島さんからの提起であった。
 その後、大阪の会員との討論があり、翌週の反空港全国交流会への参加と、トラスト共有者の増員へ努力しようと討論が行なわれた。(渡邊)