10・20「障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動」に二千名
  支援費と介護保険の統合反対

 十月二十日、東京都心で「10・20障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動」が同全国実行委員会の主催によって展開され、台風が近づく雨天にもかかわらず約二〇〇〇名の障害者・介護者、医療福祉関係者などが結集した。
 また十一月三日には大阪でも、障害者の地域生活確立の実現を求める関西実行委員会の主催で、約一三〇〇名が参加した「御堂筋デモ」などが行なわれた。
 これらの行動は、政府・厚生労働省が現在すすめようとしている介護保険制度と障害者支援費制度との統合に反対し、障害者の地域生活確立のための施策を求めるものである。厚生労働省は財源不足などを理由として、介護保険と支援費とを統合するための障害者関連新法と介護保険法改定を、来春の通常国会で通そうとしている。
 10・20全国大行動を始めとする各地での行動は、障害者インターナショナルDPI日本会議、全国自立生活センター協議会や知的障害者団体のピープルファーストジャパンなどが呼びかけ、全国五百数十の障害者団体・関係団体が賛同して行われているもの。今年の6・9にも同じ主旨で一千名の全国行動が行なわれたが、当事者自身の決起を知友芯とした対政府要求行動として発展してきている。
 今回は精神障害者団体も参加して、三障害(身体・知的・精神)共同の行動となっている。精神障害者は、支援費制度への移行時この制度から除外されてきたが、今回政府は支援費の精神障害への拡大ではなく、精神保健福祉施策も介護保険に統合しようとしているからである。
 全体集会は芝公園で開かれ、DPI日本会議事務局長の尾上さんら各障害者団体の代表が「介護保険化による障害者切り捨てを阻止しよう」と訴えた後、部隊を分けて日比谷公園までのデモ、議員要請など国会行動、与野党議員を交えたシンポジウムなどを展開した。
 障害者施策が行政措置制度から支援費制度に変わって以降、身体・知的障害者の支援費制度を使ったサービス提供需要が行政の予想を上回って増加した。このことは、障害者の自立と地域生活確立の要求がいかに大きいかを示している。
 今回の政府の統合案が、このサービス提供を抑制しようという意図が基調になっていることは明らかである。そして、支援費制度は「対等の契約」なのだから受益者負担は当然として、応益負担を福祉サービスの原則にしてしまおうとしている。そしてまた、介護保険の保険料徴収範囲をとにかく広げようとしているのである。高齢者介護の仕組みである介護保険(この制度の導入自体、増大する老人医療費への対策という意図であったが)では、高齢者の所得とは無関係に、提供するサービスに比例した自己負担(応益負担)となっている。支援費の場合は、障害者の経済力に応じて自己負担する仕組み(応能負担)であるので、これが介護保険に変更されれば、わずかな障害者年金や生活保護に頼っている障害者はサービス利用を控えざるを得なくなってしまう。
 また経費負担の問題を離れても、高齢者介護と障害者福祉とを同じ仕組みにすることは無理がある。介護保険は老人の医療的介護という目的がおもな性格であるが、障害者福祉は、障害者の地域生活確立を支援し、差別と隔離を許さず、障害者・健常者の共生社会をつくるというより積極的な目的を持っているからだ。たとえば介護保険では、障害者の自立生活に不可欠な移動介護に対応できないだろう。
 介護保険との統合に反対し、三障害を包括した支援費制度の拡充が必要だ。(W)


大阪全労協が米領へ抗議
  関西では10・21反戦

 十月二十一日、大阪全労協の労働者たちは、大阪市役所下の中之島公園で「10・21国際反戦デー」集会を約七〇名の結集でもった。
 集会後は果敢にデモを展開。このかんの現地イラクでの米軍によるあくなき無謀な侵略行為と、それに飼い犬のごとく追随する小泉日本政府への怒りを反映して、「米軍はイラクからただちに出ていけ」「小泉はイラクから自衛隊を即時撤収しろ」「沖縄の米軍ヘリ墜落糾弾」等々の怒りのスローガンを梅田の街にとどろかせた。
 とりわけ、デモルート中途の米国総領事館前では激しく抗議し、おおいにアピールを果たした。
 なお、結集した部隊は大阪教育合同、電通合同、しないさせない戦争協力ネットワーク、釜ヶ崎日雇労組、市民団体等々の部隊であった。関西では、「10・21」は歴史的に継承されている。(関西I通信員)


10・29寺尾差別判決30ヵ年糾弾・狭山再審勝利中央集会
  最高裁を包囲する百万人署名を

 十月二十九日の午後、「寺尾差別判決30か年糾弾、狭山再審要求、特別抗告審闘争勝利をめざす中央総決起集会」が東京・日比谷野外音楽堂で行なわれた。部落解放同盟、部落解放中央共闘などの主催で、全国から約四〇〇〇名が結集し、今度こそ石川無罪を勝ち取ろうと闘いを盛り上げた。
 松岡解放同盟書記長が基調を報告し、特別抗告審は「斎藤第5鑑定」など三度に渡る新証拠の提出によって緊迫した情勢を迎えている、新100万人署名運動などで再審決定をかちとろうと訴えた。石川一雄さんは、今度こそという思いだ、と再審闘争山場の支援を訴えた。
 集会からは、再審を決定せよ、全証拠を開示せよと、最高裁と最高検へ要請団が送り出された。最高裁には、署名呼びかけ人の鎌田慧さんらと共に、四十二万余筆の再審要求署名が提出された。
 狭山事件は冤罪事件であるとともに、部落差別を利用して石川さんをデッチ上げた権力犯罪である。狭山差別裁判の本質をあいまいにせず、再審闘争に勝利しよう。(東京A通信員)