函館9・3〜4
 第16回コミュニティ・ユニオン全国交流会
   「平和をつくる労働運動」へ

 コミュニティ・ユニオン全国ネットワークの今年の全国交流集会は、九月三日〜四日の両日、北海道・函館市で開催された。全国六十六団体、三百十余名が集い、真剣に、なごやかに、楽しく行なわれた。
 三日午後一時より開かれた第16回全国総会では、来賓のあいさつの後、事務局長の黒崎隆雄さんが、〇四年度の活動報告と〇五年度の活動方針を提案した。
 活動報告では、パート、派遣、アルバイトなど「非正社員」労働者の相談活動が急増し、それに伴うたたかいが全国で取り組まれてきたこと、公正なワークルールの確立、最低賃金引き上げ、「時給1200円以上」の要求などの取り組みが次第に広がってきたことが報告された。また組織的には各地方ネットワークの独自の活動が展開され、ユニオンネットの地方的活動が進められてきたことが報告された。
 活動方針では、賃金・労働条件の「価格破壊」がすすめられている中で、とりわけ「非正社員」労働者への差別を許さず、「誰もが安心して人間らしく働き、生活できる社会」をめざしてたたかうことが強調された。「均等待遇」や合理的理由のない有期契約の禁止などを求めて、一層のたたかいをすすめることが提案された。
 総会では活動報告、活動方針が全員の拍手によって採択された。
 続いて記念講演が行なわれた。在日韓国人二世のイム・ピョンテク(林炳澤)さんが、「今こそ平和をつくる労働運動を――朝鮮有事反対!日本と朝鮮の平和を求めて」と題して講演した。
 イムさんは、日本が有事法制を制定したことによって「戦争する国家」になったこと。この現実は日本がアメリカに追従し、アメリカの極東アジア政策の下でつくりだされており、有事の認定や軍事情報もアメリカに依存しており、きわめて危険なものになっていること。朝鮮情勢は極めて危険な方向にすすんでおり、日本が自主的に日朝正常化に向けて一層努力しないと取り返しのつかない結果になること。とくに日本民衆が韓国の労働運動や在日朝鮮人の運動との交流をもっともっと強め、民衆レベルでの友好を強める必要があることを強調した。現実の厳しさを改めて知らされることとなった。
 夜は例によって立食パーティを兼ねて、全国から参集したユニオンの交流集会が行なわれた。北海道のおいしい魚や地酒を頂いて、九州から北海道までの全国のユニオンが各ブロック毎に紹介された。交流集会は最後に、北海道の勇ましいよさこいソーラン節や愉快なイカ踊りを全員で踊って盛り上がった。
 四日は、朝から十二の分科会で議論が行なわれた。最後に全体集会が行なわれ、「志を高く、楽しく元気にそして激しく運動していきましう」と集会アピールを採択して閉会した。北海道での開催ということで、少し遠いと思ったが、今年も全国のユニオンの仲間から元気をもらう交流集会となった。
 第三回全国ユニオン大会
 コミュニティ・ユニオン全国交流集会に先立って九月二日、全国ユニオンの第三回定期大会が函館市で開催された。
 大会では、アメリカを中心に新自由主義経済とネオコンが世界を支配しつつあり、日本の支配階級もその下に追従しつつあること。日本でも「非正社員」労働者が急速に増大し、労働者の使い捨てが横行しはじめていること。アメリカがイラクをはじめ問答無用の戦争をしかけるなど力の政治が展開されており、平和のたたかいが重要になっていること、などが指摘された。
 すべての議事が終わった後、社民党の福島瑞穂さんが、「共生の社会づくりと平和のために憲法改悪と闘う」と題して記念講演を行なった。
 福島さんは、「日の丸」「君が代」が法制化されたことによって、東京では教職員の思想統制が処罰という形で進んでいること。法律の改訂や制定によって現実に力として政治が展開されること。現在改憲がまだ実現されないことによって、日本の軍事活動が抑制されていることを重要なものとして捉えるべきこと。現在の改憲論議が憲法九条二項と前文の改訂にあることをはっきり認識し、なんとしても改憲の動きを阻止しなければならないことを力をこめて語った。
 福島さんと全国ユニオンは、ますます協力し合って活動していくことが感じられた。(地域ユニオン組合員S)