6・28〜7・2
  沖縄ジュゴン監視団、「国際サンゴ礁シンポ」でアピール
    海外参加者に注目と支持

 六月二八日から七月二日にかけて、沖縄・宜野湾市で第10回「国際サンゴ礁シンポジウム」が開催され、世界八十七の国と地域から千四百人近くの研究者、環境団体、行政関係者が集まった。名護海上基地の建設に反対する「沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団」は、このシンポジウムに働きかけて大きな成果を収めた。
 ジュゴン監視団は会場に独自のブースを設置して、海上基地反対のカラーパンフレットやビデオ映写などで、辺野古のサンゴ礁とジュゴンを守るアピールを行ない、参加者の大きな注目を集めた。
 二九日の分科会(サテライトミーティング「沖縄のサンゴ礁とジュゴンを守るために」)では、ブッシュ大統領・小泉首相・稲嶺知事・岸本市長宛の「辺野古のサンゴ礁とジュゴンの生息環境を守る要請決議」が採択された。この決議は、「一九九七年十二月二十一日の名護市民投票の民意に従って、辺野古海上基地計画の撤回を求めます」と明記している。
 また、この要請決議と同じ主旨の署名、「辺野古海上基地計画の撤回を求める署名」が連日行なわれ、実に889名のシンポジウム参加者が署名している。
 また三日間に渡って辺野古ツアーも行なわれた。これには米国政府水産庁の役人も参加しており、「辺野古沖で計画されているような基地建設は、アメリカではありえない」と言っていたそうである。
 一連の過程で、米国の大きな環境団体「生物多様性センター」からの参加者、ピーター・ガルビン氏らが、ジュゴン監視団とともに行動してくれた。ジュゴン訴訟(昨年八月、米国法廷にジュゴン監視団の二名が原告となって提訴)でも、生物多様性センターが支援している。
 十一月には米大統領選挙があるが、米国の環境団体は選挙世論にも大きな力を持っている。ボーリング調査工事の作業基地をキャンプシュワーブ基地内に設けようとする策動があるが、もし防衛施設局の要請を米軍基地側が受ければ、ブッシュ大統領は環境破壊の責任を自国の環境団体からきびしく追及されることになるだろう。
 このように国際的な市民の連帯が、ボーリング調査工事の阻止・海上基地撤回の闘いにとって非常に重要なものになっている。国際サンゴ礁シンポジウムでの成果は、さらに十一月タイでの世界自然保護会議への働きかけにつながっていくだろう。(沖縄T通信員)


辺野古への海上基地建設・ボーリング調査を許さない6・26集会
  首都圏での支援拡大

 東京ではこのかん、首都圏の反戦団体や環境保護団体によって「辺野古への海上基地建設・ボーリング調査を許さない実行委員会」が作られ、辺野古現地の闘いへの支援・連帯が広がりつつある。
 六月二六日の夜には同実行委員会の主催で、都内・文京区民センターに二百名近くが集まり、「辺野古への海上基地建設・ボーリング調査を許さない6・26集会」が開かれた。
 集会では最初に、命どぅ宝ネットワークの太田武二さんが開会挨拶、沖縄一坪反戦地主会関東ブロックの上原成信さんが実行委員会挨拶を行なった。「本土」への沖縄海兵隊一部移転案など米軍の世界的再編成計画という情勢のなかで、辺野古のボーリング調査工事阻止・新基地阻止の闘いがあること、来たる参院選沖縄選挙区で全野党統一候補・糸数慶子さんを勝利させることが、ボーリング調査工事阻止に決定的に重要であることなどが語られた。
 辺野古の座り込み現地闘争からは、大西照雄さん(ヘリ基地反対協代表委員・ジュゴン監視団運営委員)が次のように報告した。辺野古の闘いは、現地住民の「命を守る会」の八年余・今日で2639日の日常と、ヘリ基地反対協などによる四月十九日以来69日の座り込み、この二つの力で続けられている。ここへ到る経過では、昨年九月、「沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団」が広範な個々人の参加によって結成されたことが重要だ。このジュゴン監視団がヘリ基地反対協とともに今後も重要な役割を果たしていくことになる。このかんの闘いで、移設賛成は七パーセントへ減ってしまっている(琉球新報世論調査)。アセス各段階での闘いなど、国民的・国際的広がりに発展させていくことが課題だ。防衛庁・環境省・米大使館への中止要請など、東京でできる闘いも非常に重要だ。直面する糸数さん勝利に、みなさんの力を!
 大西さんの報告に大きな拍手の後、東京沖縄県人会青年部によるサンシン演奏を挟んで、WWFジャパン、北限のジュゴンを見守る会など環境団体からの連帯発言。最後に、ボーリング調査中止と普天間基地無条件返還を求める集会決議を上げ、東京での当面の行動を確認して終了した。
 当面の行動は、第一に、防衛庁・防衛施設庁への毎週抗議行動(毎週月曜日・午後六時半、防衛庁正門前集合)、第二に、ボーリング調査工事阻止行動へのカンパ(郵便振替01710−8−53407「命を守る会」、あるいは郵便振替00160−8−120796「沖縄一坪反戦地主会関東ブロック」)、第三に、街頭での大情宣の実施、当面七月十八日に行なう、となっている。
 なお、この辺野古支援の実行委員会には、一坪関東ブロックを始め二十一団体(6・26現在)が参加しており連携した行動展開が期待されるが、労働組合など各方面でも、それぞれのやり方で「座り込み支援」「名護新基地阻止」の世論を広げていくことが重要だ。沖縄選挙区での糸数さん勝利は、首都圏でも運動に勢いをつけていく転換点になるだろう。(東京W通信員)