5・16沖縄
  普天間基地をすぐ返せ!1万6千人が包囲行動
    「県内移設」は破産した

 五月十六日・午後二時過ぎ、中部・宜野湾市の米海兵隊普天間基地で「5・16普天間基地包囲行動」が行なわれた。約一万六千人の沖縄民衆と「本土」からの参加者によって、二度に渡って「人間の鎖」が繋がり、即時全面返還の意思をぶつけた。
 今回は、九八年以来三回目の普天間包囲であるが、普天間代替の名護海上基地建設計画において、辺野古現地でボーリング調査の強行を阻止し続けている最中の行動である。また九六年の日米SACO合意から五〜七年で普天間返還とされていたにも関わらず、日本政府が県内移設に固執するなかでそれが一向に進展せず、片や米国自身が米軍の世界的再編成計画のなかでSACO合意自体を見直しつつあるという流動的情勢の中での、包囲行動であった。
 県内移設は破産している、いますぐに普天間基地を全面返還せよ! これが包囲行動に結集した人々の思いであった。ところが、今回の普天間包囲では、前回にはあった「県内移設反対」のスローガンが包囲行動実行委員会のものとしては抜け落ちていた。実行委としては「早期全面返還」「地位協定の抜本改定」「返還後の環境浄化」「基地従業員の雇用対策」などを掲げているが、辺野古の現地闘争への連帯を意味する「県内移設反対」がないのである。
 これは今回、連合沖縄が実行委員会に参加したからであるが、不可解である。これに対し、名護から参加したヘリ基地反対協などの人々約六十名をはじめ、多くの参加者から強い批判の声が上げられた。そして人々は、辺野古座り込み連帯・県内移設反対の行動として包囲行動を成功させていったのであった。また宜野湾市・伊波洋一市長は辺野古移設反対の立場を明確にしている。彼は今回の包囲行動のビデオを携えて七月、訪米して基地返還を訴える。
 包囲行動終了後、宜野湾海浜公園で「5・15平和とくらしを守る県民大会」が主催・平和センター等で行なわれ、約三千人が参加。ここ三日間、平和行進を歩いてきた人々をはじめ県内外の労働組合員などが結集し、イラクからの自衛隊即時撤退、県内移設阻止などの大会宣言を採択した。
 名護・辺野古の座り込みは四月十九日以来、連日続けられている。座り込みへの支援の広がりによって、参院選まではボーリング調査工事は強行できない政治状況とも見られるが、防衛施設局は工事再開の準備を進めており、予断は許されない。地元の、高齢者が多い「命をまもる会」を支える長期態勢が必要だ。
 参院選沖縄選挙区の全野党統一候補・糸数慶子陣営の政策は、日共・社大党合意はもちろん、民主党を含めた社民・社大の三党合意においても「県内移設阻止」は明確である。
 五月二四日、このかん統一候補実現に尽力してきた新崎盛暉さん、山内徳信さんなど著名七氏は、「参院選全野党候補実現を踏まえ、さらに大きな民衆運動のうねりを創り出そう」とのアピールを発した。そこでは、「全国的にも類似の試みがなされなかったわけではありませんが、それが実現したのは、唯一沖縄のみであったことは特筆すべきことです。それは沖縄が置かれている特殊な状況と、そうした状況を打破しようとする民衆の想いの反映です。」と述べられている。日本政府の沖縄差別支配に対決する、沖縄民衆の独自の統一戦線が展望されるのである。
 普天間包囲後の五月二五日、米海兵隊は金武町のキャンプ・ハンセンで、都市型戦闘訓練施設の建設着工を強行した。民間地域に近接する実弾訓練施設であり、二十日には、建設阻止の町民大会を町ぐるみで開いたばかりであった。
 すでに今年三月から、沖縄で接近戦訓練を行なった海兵隊がイラクに派兵され、ファルージャ虐殺の主力部隊となっている。普天間基地の戦闘ヘリも約二十機がイラクに投じられている。日本政府は在日米軍が沖縄をイラク侵略の出撃基地とすること容認し、さらに都市型戦闘訓練施設の建設強行を容認して、侵略基地強化を沖縄に強いている。
 参院選に圧倒的に勝利し、ボーリング調査工事の中止・名護海上基地の白紙撤回・普天間即時返還、都市型戦闘訓練施設の建設阻止をかちとろう。(沖縄T通信員)
 

東京5・15
  防衛施設庁へ抗議行動
    海上基地ボーリング
   調査工事を中止せよ


 
五月十五日は一九七二年に沖縄が米軍支配から安保体制下の日本へ返還された日であるが、東京では毎年、沖縄一坪反戦地主会関東ブロックの主催によって沖縄軍事基地撤去の行動が取り組まれている。今年の行動は当然ながら、名護・辺野古の海上基地建設のボーリング調査工事に強く反対し、現地の人々の座り込み闘争への支援を強めようという集会・デモであった。
 この「沖縄『復帰』32年、米軍用地強制使用を許さない防衛施設庁抗議行動」は、まず防衛庁近くの牛込箪笥区民センターに約百名が参加して集会。沖縄現地からは、沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団の土田武信さん(沖大)から報告を受けた。
 土田さんは、辺野古の座り込み闘争のこのかんの経過を含め、沖縄内外・国内外で支援態勢を強化しようと訴えた。施設局のアセスメント「方法書」については、それを撤回せよという立場とともに、それに対応して批判を広げるという闘い方が必要であり、六月末からの国際サンゴ礁シンポジウム、十一月のタイでの世界自然保護会議などに働きかけていくと報告した。
 緊急の支援としては、辺野古の「命を守る会」などへの運動資金カンパを広げることを確認した。関東ブロックが集約し、激励メッセージも伝達する。(郵便振替00150−8−120796 沖縄一坪反戦地主関東ブロック)
 集会後、防衛庁までデモ行進し、ボーリング調査の即時中止などを求める、石破防衛庁長官・山中防衛施設庁長官あての要求書を手渡した。(東京W通信員)