5・22日朝首脳会談 ピョンヤン宣言履行を再確認
  直ちに国交交渉の再開を

 五月二十二日、朝鮮民主主義人民共和国のピョンヤンにおいて、小泉首相とキム・ジョンイル国防委員長の第二回目の日朝首脳会談がおこなわれた。
 今回の首脳会談において最も重要な点は、ピョンヤン宣言の誠実な履行と国交正常化交渉の再開のために努力することを、相互に確認したことである。しかし交渉の再開は、具体的になっていない。われわれは国交交渉をただちに再開することを両国政府に要求する。
 日本人「拉致」問題での「北朝鮮」バッシングの煽りをうけて、日朝間の正常化交渉が暗礁に乗り上げている今日、日朝ピョンヤン宣言の履行の再確認の作業は、極めて重要と言わねばならない。とりわけても一昨年の首脳会談以降、米帝によるイラク侵略戦争の開始という局面を迎え、北東アジアの平和問題が世界の平和を取り戻していく上で、決定的な重要事となったからにほかならない。イラク侵略戦争の泥沼的局面の打開を図りたい米帝は、国連をも巻き込んで覇権の維持をねらっているが、六者協議の成り行きによっては、破れかぶれで朝鮮侵略へと突き進まないとは限らない情勢に陥っている。それゆえに日朝間での平和的な国交正常化は、北東アジアのみならず世界の平和にどれほど寄与するか計り知れない。六者協議待ちではなく、主体的な平和外交が望まれている。
 さて今回の日朝首脳会談に対して、様々な思惑と見解が露呈してきた。右翼反動勢力を代表する論調としては、共和国への圧力を緩めるな、という産経や読売などの右翼マスコミである。共和国を対象にした改正外為法と特定船舶入港禁止法案について、「これを早期に成立させ、いつでも発動できるような姿勢にしておかねばならない」(『産経新聞』)と、右翼的な圧力を加えている。さしもの小泉も、握手をしながら銃を向けるような、そこまで厚顔な政治は打てないとみえ、六者協議継続の枠内で政治を打っている。また、今回の首脳会談の成果=「拉致」被害者家族の「帰国」と宣伝し、参院選に利用しようとしているが、このかんの外交上の不始末の遅すぎる処理にすぎない。
 また、日共や社民党にみられる傾向が、この首脳会談を六者協議と結び付けようとする考え方である。「懸案の諸問題を一つひとつ解決しながら、また六カ国協議を通じての核問題の解決を達成しながら、『日朝平壌宣言』を基礎に、両国間の国交正常化を実現する(『赤旗』)というように、日本政府の土俵で理解しようとしている。六者協議は、共和国が主張する米朝間の戦争状態の最終的な終結を意味する二国間の和平交渉に、米帝が難色を示して六者協議となったものであり、日朝間の正常化交渉とは根本的に性格を異にするものである。
 右翼勢力などが、「拉致」問題をこの六者協議に持ち込めと、日本政府に圧力をかけているが、当の六者協議の場で問題にされないのは当然で、日朝間で解決すべき問題である。日朝間の基本問題は、日本の戦争戦後責任をまず明確にすることであり、日朝間の対立過程で生じた共和国による重大人権侵害事件、「拉致」問題の全面解決は、国交正常化の過程で解決をすすめていかねばなせないだろう。
 最後にジェンキンス氏の「帰国」問題にも触れておこう。小泉は本人と直接面会し、日本に来ることを促したようであるが、ジェンキンス氏から拒絶されたようである。小泉がいくら身の安全を保証すると言っても、ブッシュに物言えぬ小泉を信用することなど出来るはずがない。難民の受け入れも拒絶し続ける日本政府を信用せよ、というのは土台無理というものではないか。小泉は、恥をかいただけであった。 (Ku)


韓国では6・14アジア社会
フォーラムなど連日の行動

  6・13日韓共同行動へ!


 六月十三日、「イラクにも朝鮮半島にも平和を!6・13日韓共同行動」が、東京でおこなわれる(主催・実行委員会)。当日は、韓国からゲストを迎え、集会とデモがおこなわれる。
 韓国では、十二日から十五日まで、連続した取り組みが予定されている。十二には、女子学生が米軍装甲車にひき殺されて二年目を迎え、追悼集会が韓国全土で行われる。この事件をきっかけとして、韓国民衆の反米軍闘争はそれまでの慣例を破り、巨大なうねりとなったのである。この闘いは、ノ・ムヒョン大統領を誕生させ、イラク反戦闘争、韓国軍のイラク派兵反対闘争の巨大な民衆闘争を生み出した。
 十三は、ダボス会議のアジア版である世界経済フォーラム東アジア会議が、ソウルで行われる。新自由主義・グローバリゼーションのアジア版といえるこの会議に、韓国の労働者・民衆が反対の声を上げている。先の総選挙で、初の議席を獲得し、世論調査では支持率が野党ハンナラ党にならんだ民主労働党が、真っ先に反対の声をあげている。
 十四日には東アジア会議に対抗し、アジア社会運動会議が行われる。一月にインドのムンバイでおこなわれた、世界社会フォーラムの東アジア版といえるものにしようとしている。十五日には南北共同宣言四周年・南北統一のための集会が、ソウルのとなりのインチョンでおこなわれる。今年も、南北海外同胞を集めた統一の大集会を予定している。
 韓国での連日の民衆行動には、日本からも多くの民衆連帯関係者が、参加を予定している。十三日午後一時半からの東京・南池袋公園での日韓共同行動には、韓国での生々しい闘争報告が行われるものとおもう。イラクにも朝鮮半島にも平和を! を掲げ、地域から職場から参加しよう。 (Ku)