第35回釜ヶ崎メーデー 「反戦・反失業」の意気高く
  実効ある就労対策・予算を

五月一日朝五時半分より、あいりんセンターで机が出され、釜ケ崎日雇労働組合、釜ケ崎反失業連絡会のメーデー情宣が始まり、続々と労働者が輪をつくり始めた。今年は、第三十五回目のメーデーである。
 前日午後六時より、三角公園で前夜祭が行なわれた。映画『用心棒』が上映され、多くの労働者が楽しんだ。
 今年のメインスローガンは、「第35回反戦・反失業釜ケ崎メーデーを闘おう」で、更に「市・府・国は仕事をつくれ! アブレ・野垂れ死にを押しつけるな! 自衛隊はイラクから即時撤退せよ! 小泉による戦争への国作りを許すな!」のスローガンで闘われた。
 七時よりメーデー集会が開かれた。釜日労の大戸さんの司会で、まず特掃労組(準)の伊東さんが、朝日建設闘争の報告を行なう。
 釜ケ崎講座の渡邊さんが、「昨年亡くなった藤ヤンと創り出した釜ケ崎講座を更に進めていきたい。三・二〇反戦行動を釜日、反失連と共に闘った。本日も一緒に闘う」と決意を述べた。続いて、釜ケ崎連帯委員会があいさつ。泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会の若野代表が、「関西新空港反対の闘いを釜の仲間と更に進めていきたい」とあいさつした。野宿者ネットワークの穴沢さんが、「野宿者問題を学校へと提起している。このかん教育委員会へ申し入れを行なっている」と報告を行なった。
 釜日労の山田委員長があいさつに立った。「アメリカのみが力まかせに世界を支配しようとしている。アメリカべったりの小泉によって、戦争への国作りのみが優先している。釜の労働者へ、野宿労働者へ仕事をつくれという我々の要求に対する対策は、資本にとって都合のよいものにしかなっていない。カネの使い方にしても同様だ。府・市での西成対策・あいりん対策として二百億もの予算が組まれていても、それは病院にまわるだけの構造になっている。現在の特掃にしても大半のカネは国の緊急雇用対策特別交付金が基になっている。それも今年一杯が期限だ。今一度力を結集して、仕事をつくれ! 仕事をよこせ! と闘いをつくりあげていこう」と呼びかけた。
 八時半、センターを出発し、釜地区内をデモし三角公園へ。到着後「勝ちとる会」のおにぎりとみそ汁で腹ごしらえをして九時半、隊列を整え、メーデーのデモに出発した。隊列は四百名。昨年と同じく、釜銀座から恵美須町から大国町へまわり、南下し再び釜へ帰る「釜ケ崎席巻デモ」の形となった。
 この日、この数年恒例になってきた連合大阪よりNPO釜ケ崎へ要請のメーデー会場清掃に百名が就き、連日の特掃に二百五十名余が就いている。合わせて今年も千名近い労働者が多様な形でメーデーを闘った訳だ。
 さて昨年十二月二十九日の撤収までの四百四十七回におよぶ野営闘争以降、釜ケ崎での反失業闘争は、今大きく飛躍を問われている。
 国の基本計画方針(昨年七月三十一日成案)以降、都道府県・市町村での実施計画策定が次々と出されてきた。大阪府は、昨年十二月二十五日に「大阪府ホームレスの自立の支援等に関する実施計画(素案)」を公表、意見募集を行ない、三月末に策定作業が行なわれ四月発表された。市は一月十三日に発表され、府同様一ケ月の意見募集期間が終わり三月末に成案として発表された。
 府・市とも、「特別措置法」においてホームレスに対する自立支援と並んで「ホームレスとなることを余儀なくされるおそれのある者が多数存在する地域」での、すなわち、あいりん地域での日雇労働者に対する雇用、就労及び生活上の支援を実施していく(府)、野宿生活にならないための予防と野宿生活からの自立の支援を兼ね合わせた生活上の支援の実施(市)と規定している。また現在の「高齢者特別清掃事業」が実施計画の中で位置づけられている。
 しかし府市の単独事業負担は少なく、大半は十六年度で事業期間が終了する「雇用創出基金」でまかなわれているのが現実である。計画に基づく十六年度の府・市予算も昨年を大きく越えるものでもなく、この財源構造が実現しなければ、「計画」での就労対策は直ちに「絵に描いたモチ」になってしまう。
 この予算化をさせ、事業を拡大継続させていくためには、釜ケ崎の反失業闘争の再度の飛躍をすすめていくしかない。 (関西SI通信員)


第10回新宿メーデー
  「地域生活移行支援事業の大規模実施を」

 五月一日、第十回新宿メーデーが、新宿野宿労働者の生活・就労保障を求める連絡会議(新宿連絡会)の主催により、新宿・柏木公園で開催された。「地域生活移行支援事業の大規模実施を」と大書された横断幕が掲げられた集会場に、全都から三五〇名の野宿労働者と支援の仲間が集合した。
 野宿労働者運動はいま、闘い取ったホームレス自立支援法をテコに、いよいよ支援事業が実施されていく段階に入ろうとしている。この新たな段階は、それはそれで、公園からの排除のための事業に後退させようとする企図と不断にたたかい、野宿から脱出するシステムを創り出し、仲間の団結の新たな発展を実現して行く闘争段階でもある。
基調提起に立った新宿連絡会の笠井さんは、「排除の施策にはさせない」「石原都政下でも、正当な主張を実現することは可能だということを、仲間の団結の力で証明していく」「路上に居ても、路上から脱却しても、仲間としてつながっていこう」と力強く訴えた。
 続いて三多摩ホームレス支援機構、三鷹自由労組、山谷争議団および朝日建設争議団、劇団の水族館劇場、池袋の仲間が次々と発言に立ち、団結を打ち固めた。
 集会後仲間たちは、和服姿の劇団の女性たちを先頭に都庁前をデモ行進し、「仕事を創れ」「屋根をよこせ」のシュプレヒコールをとどろかせた。(東京M通信員)
 

国鉄闘争4・13東京大集会 三つの争議団が一堂に
  政府に責任取らせる鉄建訴訟

 四月十三日、東京・日比谷公会堂を満員にする三五〇〇名ほどの大結集で、「国鉄労働者1047名の解雇撤回!ILO勧告の完全履行を求める4・13東京大集会」が開かれた。主催は、伊藤誠氏や金子勝氏などを呼びかけ人とし、建交労(旧全動労など)を事務局とする集会実行委員会。
 国鉄闘争の支援共闘集会でこれだけの人が結集するのは、久しぶりである。集会は最初に、呼びかけ人の経済学者・伊藤誠さんが主催者挨拶、「この集会はナショナルセンターや主義主張の違いを越えて、ILO勧告の完全履行と解雇撤回を一致点として共闘するもの。秋の国労大会もこの闘いに合流してほしい」と述べた。つづいて、航空労組連絡会の村中哲也さん、東京地評の伊藤潤一さんが連帯挨拶。
 構成劇「1047人の絆」が組合員・家族の参加で演じられ、国鉄改革法案提出以降の十七年間の闘いの経過が分かりやすく表現され、国労つぶし・総評解体をねらった国家的不当労働行為の本質が改めて浮き彫りにされた。
 つづいて、鉄建公団訴訟の加藤晋介弁護士が「今後の裁判闘争の展望」として次のように報告した。国鉄闘争の経過としては、不当労働行為認定機関の労働委員会では連戦連勝だった。ところが裁判所では、国鉄改革法での国鉄とJRとは別という形式論により、労働委員会の救済命令を否定する地裁・高裁判決となった。ここから、裁判では負けるとみた国労本部の迷走が始まり、「四党合意」の政治決着に期待をかけたが、与党の離脱で破綻することとなった。そして闘争団有志が鉄建公団訴訟を開始するなか、昨年十二月にはJRに責任なしとする最高裁不当判決が出された。しかしこの判決は、採用差別があったとするならば旧国鉄にある、としている。こうして現在、国労本部を含めすべての勢力が過去のいきさつを捨て、国鉄の継承法人である鉄建公団(現・鉄建機構)に対しての裁判闘争に合流すべき情勢となっている。雇用関係の存続確認、それが通らない場合は生涯賃金確保としての損害賠償、年金受給権の確保を勝ち取らねばならない。鉄建公団はJR北海道・九州の百%株主であり、被解雇者の採用要請を出すことができる。今後、裁判闘争から和解解決もありえる。国鉄闘争は第二の解決の山場を迎えている、以上である。
 集会は、国労闘争団、全動労争議団、動労千葉争議団の代表が壇上に上がり、各々決意表明を行なった。争議当該の三者の共同に、熱い連帯の拍手が沸き起こった.
 最後に、集会アピールの確認、呼びかけ人の山口孝さん(明大)の閉会挨拶の後、東京清掃労組・金澤さん音頭の壮大な団結ガンバローで締めくくった.
 この集会は「一日共闘」と称されてはいるものの、最高裁不当判決という事態をふまえた新しい闘争方針(鉄建公団訴訟)をもって、組合枠を超えた新しい共同闘争が始まったことを意味する。国労本部は、これを無視すべきではない。
 「四党合意」は、政府与党が責任を棚に上げて、国労をJRに屈服させようとするものであった。鉄建公団訴訟は、旧国鉄と政府に責任を取らせる闘いである。国家的不当労働行為をあいまいにせず、勝利的解決をかちとろう。(東京A通信員)
 

【今、職場では】
  郵便局の公社化から一年余、今回は郵政現場はどうなっているのか、全逓と郵政ユニオンの二つの組合の仲間から報告をもらった。
 
 非常勤職員と共に新しい組合運動へ

 新郵政公社に変わって一年が過ぎ、「真っ向サービス」を新公社のスローガンにかかげ、公社は営業活動の拡大を行なってきた。
 その結果、労働環境は本務者の減員を推し進める一方で、非常勤雇用の拡大に拍車をかけることにより、配達作業現場、郵便課の深夜勤区分けや機械区分機の抜き取り作業、総務課や貯金・保険課の事務作業等々、さまざまの職種に非常勤が雇用され、職員全体の約四〇%が郵メイト「非常勤」の労働力に頼っているのが実態である。
 管理者も、本務者と非常勤の違いを強調し、「営業活動のできない職員はアルバイトと同じ」、「配達は単純作業」と、本来の労働理念からかけ離れたことを当然のように言っている。一方、非常勤も仕事が厳しいのに低賃金で不満が多く、今になって大慌てで改善を行なうなど、あちらこちらから矛盾が吹き出している。
 配達は非常勤が中心に行ない、本務者は営業ノルマを達成することで新賃金の査定になることがすでに決定し、班によってはつまらないトラブルの原因になるのも当然である。また、「真っ向サービス」をお題目に、昼間夜間配達サービスの時間指定により夜間配達が午後九時をオーバーするのが頻繁となるため、辛い夜間配達の延長で早期退職を考えている職員も増えている。
 また、郵便課においては、翌朝配達の完全実施に向けて輸送便が集中する深夜に作業人員を増員するため、16勤務を廃止し新夜勤勤務を導入、一〇時間深夜勤勤務を二日間連続(四日間連続の局もあり深夜勤手当を増額)ですることになり、昼寝て夜働く、厳しい労働環境になっている。
 このような厳しい状況の根本原因は、小泉内閣が推し進めている「構造改革」にあるのだが、その中でも郵政民営化は小泉総理最大の目玉改革である。が、しかし、この改革に反対する最大勢力も自民党郵政族であるため、労働組合も民営化反対の方針からか自民党郵政族や特定局長会と労資協調路線を推し進めている中で、組合員の信頼を失うし、すでに組合に期待していない組合員が大勢となっている。
 私たちは、労働者のための真の組合を目指す一歩として、増え続ける非常勤職員の組織化と現場組合員の声を活動の基本にすえた新しい運動を作りだしながら、大衆に向けて「反」小泉、「反」民営化を訴えることがもとめられている。全国の郵政労働者諸君、共に現場から活動を作りだそうではないか。 (全逓組合員N)

消える全逓、前進すべき個人加入型労組

 郵政省から郵政事業庁、そして郵政公社へと移行して、職場は大きく変化致しました。集配業務をしている私は、朝の八時の始業開始、郵便体操をして、それから各区分棚からの郵便物をファイバーに回収し、自分の区分棚にある机に郵便を並べ、それから通常と呼ばれる普通郵便物の部数を、一通、一通数え、その次には大型郵便の数を数えます。そしてその数を業務レポートの部数調査表に記入して、大区分と呼ばれる区分け作業に入ります。その途中、速達・書留の配布があり、書留は部数を確認して、書留受領簿に押印します。そして書留は、宛名・住所をそれぞれレポート裏の一覧表に記入します。
 普通郵便と大型郵便を配達順序に組み上げます。これはパートの奥様の絶大なる協力をもって行ないます。組み上がると、出発ですが、これが一口に言うほど楽なものではありません。かなり必死になってやらないと午前中の分が出来上がりません。まあこれで出発という訳ですが、今まで、郵政公社以前は、郵便物の部数を数えるとか、書留を一覧表に記入するなどという作業はありませんでした。
 それから、郵パックと呼ばれる郵政の販売商品の販売・セールス活動も、配達と平行して行なわなければなりません。勿論、営業成績というものあります。ノルマがある訳です。私などは、昼食時間は十五分、昼休みの時間も配達しなければ、一日のノルマが消化出来ません。書留は午後四時半までに上げなければ、夜勤の二号便に間に合わなくなります。もう必死の思いで、配達しなければなない有り様です。
 そして一ケ月の行動内容を評価表に記入し、総務主任からの評価点検を受けなければなりません。トヨタ方式という業務指導が導入され、身も心もボロボロになります。しかし、みんなリストラされるよりは、しかたがないとして、諦めているという現実であり、この厳しい労働条件の下、現在の若者の意識は、遊ぶことにしか目が向いていないということです。
 全逓など、名前だけの、高い組合費を取り、何もしない御用組合である。全逓支部長などは、労働ゴロと呼ばれる、ゴロツキである。しかし年配の人達の間からは組合とはなんぞや、高い組合費をとって、一体、全体何であろうかという声がささやかれています。
 少なからぬ人達は、郵政ユニオンの活動をある面で評価していますが、自己保全のため、リストラの対象にされたくないため、みんな静かにしているという現状です。今年の六月中旬に、全逓と全郵政が合体し、全逓が無くなります。あの古き良き時代の全逓は消滅してしまうという事です。郵政ユニオンの活動を本格的に強めるべき時期と考えます。 (郵政ユニオン組合員Y)