小泉倒し「有志連合」崩壊へ

 日本における「3・20世界一斉反戦行動」は、雨に打たれるあいにくの天候の所が多かったにもかかわらず、全国数百ヵ所で数十万人が起ち上がり、米英などのイラク占領と自衛隊イラク派兵に反対する日本人民の闘いが力強く持続し、戦地派兵強行の小泉連立政権に厳しく対峙していることを示した。さらに闘いを拡大して力関係を優位にし、スペイン人民が三月十四日に実現したように、日本でも早期に派兵政権の退場を実現しなければならない。
 米国の反戦団体ANSWERなどが呼びかけた、イラク侵略一周年にイラクやパレスチナの占領の終結を求めるこの世界行動は、ニューヨークで十万、サンフランシスコで五万など全米数百ヵ所で取り組まれて大統領選挙前のブッシュ政権を追いつめ、また政権交代を実現したスペインでは、マドリードとバルセロナで各十万以上が社会労働党の新政権に撤兵公約の即時実現を求め、また連動して撤兵要求が高まるイタリアではローマで空前の二百万人の行動となった。ロンドンでは十万人が「うそつき」ブレア政権に抗議し、またブッシュに協調し派兵してきた東欧諸国でも、撤兵要求の大衆行動が明確に登場した。中東諸国では昨春と違ってデモが禁じられた国が多いが、イラクでは3・19に世界行動の一環として占領終結・占領軍撤退を求めるデモが行なわれた。
 総じて昨年2・15世界行動に比べれば動員数は落ちているものの、米英のイラク全面侵略開始以降では最大規模の世界行動となり、とくに米英に組し連合軍に派兵している諸国で、反戦行動が顕著かつ切実に繰り広げられたことが重要な特長となった。
 当然ながらこの世界行動の日本での特長と意義も、イラク占領軍の一部である自衛隊の即時撤退を求めることが中心であった。東京六万、大阪二万、札幌五千、名古屋・京都・広島で三千から四千、等々という参加者数は、小泉政権がイラク派兵を既成事実化するためのあらゆるメディア操作を押し進め、連合中央と民主党が自衛隊撤退の闘いを放棄している中では、けっして少ない数ではない。
 これまで3・20への動員を軸に運動が進められてきたが、向こう当面はどうするのか。大きくは、自衛隊イラク撤退要求と結びつけて、有事法制七法案や年金制度改悪法案などの反対運動を強め、それらを現在の国会での明確な対決法案とさせ、七月参議院選挙へ向けて小泉連立政権打倒の闘いを広範に発展させることである。政権を代えて、自衛隊を戻せ、である。大衆運動の強化と選挙を含めた共同戦線の拡大によって、民主党が自公と取り引きできない政治状況を作ることが必要だ。
 ブッシュの「有志連合」は動揺している。日本での闘いはそれを崩壊へ追いやることができる立場にある。スペインの新政権は、六月までにイラクから撤兵を開始するだろうし、開始しなければならない。日本はどうするのか、焦点化させねばならない。イラクでは、総選挙前に基本法を決めてしまう政権準備に、イラク国民の多数派は抗議し拒否している。イラクの派兵自衛隊を取り巻く情勢によっては、日本の政治情勢が急変することもありうる。自衛隊交代部隊への働きかけを含め、緊張感をもって闘いを発展させていこう。