編集部だより

★経団連会長の奥田は、「文芸春秋」の一月号で次のように語っている。「私は、ことあるごとにこの二、三年がこれからの日本の将来を決める大事な『峠』になると発言してきた。二〇〇三年に起きたことを総括すると、我々はようやくこの厳しい峠を越えるメドがついたといえる」と。★確かに侵略戦争国家へのメド、大増税へのメド、二大政党体制確立のメド、新自由主義路線定着のメド、リストラによる利潤回復のメドなどがついて、支配階級の間には「峠」を越えるメドがついたという感覚が広がっているようである。とはいえ、そうしたもろもろの『メド』は、同時に、地獄の扉を開く「メド」でしかないものである。★今年は、新時代に対応した労働者人民の側の政治布陣づくりが問われる。左翼諸派の新年号を読むと、「第三極」の在り方について、議論が巻き起こっている。論ずるところは様々だが、団結の機運が高まっているということで、まずは結構なことである。新時代の左翼の政治布陣が浮上した時こそが、本当の意味で『峠』となる。その先にあるのは、奥田が期待する資本主義的な「新しい繁栄の時代」ではないだろう。★今年のNHKの大河ドラマは「新選組!」。幕末に「武士よりも武士らしく」と反革命で名を轟かした一群の若者たちを描いている。自衛隊が「軍隊よりも軍隊らしく」と勇んで出陣する今年にピッタリの題材ではある。「アメリカ幕府」の行く末も、そう長くないのかもしれない。(深山)