第15回コミュニティ・ユニオン全国交流集会(9・20〜21横浜)
   パワー全開 ユニオン

 九月二十日〜二十一日、コミュニティ・ユニオンの第15回全国交流集会が横浜で開催された。台風15号の接近で会場の外は時折、叩きつけるような雨と突風が吹き荒れる天気となった。
 昨年十一月、全国コミュニティユニオン連合会(全国ユニオン)が結成されてから、今回は最初の全国交流集会であった。全国から七十八組合、五〇〇名が結集し、いつもの年にも増して活発で活気のある交流集会であった。
 交流集会に先立って開催されたコミュニティ・ユニオン全国ネットワークの総会では、パート、派遣、有期雇用など「非正社員」労働者の相談活動と組織化が各ユニオンで大いに取り組まれていること、ユニオンの地域的地方的なネットワーク化が進み、それぞれの地域的地方的なネットワークの中で、パートや派遣労働などの課題別の共同行動の機関が形成され、情報交換や共同した取り組みが進展していることが報告された。
 〇四年度活動方針としては、「誰もが安心して人間らしく働き、生活できる社会をめざす」ことを主軸に、パート、派遣、有期雇用など「非正社員」労働者をいっそう組織化し、全国各地にもっと多くのユニオンをつくることが決定された。全国ユニオンとの関係では全国ユニオンとの連携を密にし、連合による政策闘争を含め、各種の取り組みを共におしすすめる方針を確認した。
 交流集会に入って、弁護士の中野麻美さんと全国ネット事務局長の黒崎隆雄さんの対談が行なわれた。中野さんは、自治体への派遣労働者の増加、介護保険での登録型ヘルパーの急増など、労働が時間単位で安く切り売りされている状況が急速に進んでいる事実を具体的に示した。「非正社員」労働者が人間として生活していく条件が破壊されつつある、と警告した。それは結局、労働者の意欲を低下させ、生産性をも落とすことを社会的に告発する必要も主張した。参加者は皆、中野さんの話しに実感をもって納得した。
 夜は、例によって全員参加の会食形式の交流会となった。ごちそうを食べながら、全国各ブロック毎に参加者の紹介があった。顔を知っている人も多かった。新しく参加した人や現在争議を抱えて闘っている人は、大騒ぎの会場の中でも自分の深刻な課題を必死に訴えていた。いつも心が熱くなる時である。
 翌日は、十三の分科会に分かれて討論した。分科会は時間が短く、突っ込んだ討議は難しかった。それぞれの課題での問題点を出し合い、認識を新たにするといったものというように理解した。
 今年も、全国から仲間が一堂に会したことに意味がある。台風がいよいよ接近し、雨風がいよいよ激しくなる中を、皆、自分達の地域へと帰って行った。(S)