9・13 NO WAR! NO WTO!ピースマーチ
  多国籍企業の横暴を許すな!
     二国間・多国間FTAを止めよう

九月十三日、東京・芝公園で「NO WAR! NO WTO! グローバル・ピース・マーチ」が実行委員会の主催で開催され、七五〇名が参加した。この行動は、九月十〜十四日、メキシコのカンクンで開催されているWTO(世界貿易機構)閣僚会議が新自由主義的グローバル化を推し進めようとしていることに対して、「経済のグローバリゼーションと戦争政策」に反対する国際同時行動として実施されたものである。
会場には多数のテントが張られ、実行委参加団体の出店でにぎわった。集会は、冒頭、カンクン現地で抗議の自殺をした韓国農業経営者中央連合会前会長イ・ギョウンヘさんへの黙祷を行った。基調報告は脱WTO草の根キャンペーンの大野和興さんがおこない、「世界の人々がもう一つの世界を求めて立ち上がっている。世界のうねりの一翼としてこの集会を成功させよう」と訴えた。
 集会は、反戦運動に取り組む仲間、農業破壊とたたかう仲間など多くの発言があり、歌や太鼓の披露もあってにぎやかに進行した。また来日した韓国シチズン労組からは、工場の中国移転で韓国の工場を一方的に閉鎖したシチズン資本との闘争について報告と支援連帯への訴えがあった。
 集会終了後参加者は、東京駅まで行進し、沿道の人々に「NO WAR! NO WTO!」を呼びかけた。
 翌九月十四日、WTO閣僚会議は、米国、EU,日本など「北」の諸国とブラジル、インド、南アフリカなどの「南」の諸国が対立し、閣僚宣言の採択もできず閉会した。そこまで南の諸国政府を突き動かしたのは、新自由主義的グローバリゼーションの下で増大する多国籍企業の強欲と横暴の犠牲となってきた「南」の民衆、とりわけ農民の怒りであるなお。「北」の諸国は、WTOが機能不全に陥るほどに、二国間、多国間の自由貿易協定(FTA)の締結を加速するだろう。世界の民衆と連帯してWTOに反対しよう!FTAに対する反対運動を強めよう!(東京M通信員)


9・27戦争も占領もいらない!ワールド・ピース・パレード
  自衛隊をイラクに送るな

 九月二七日の午後、「戦争も占領もいらない!わたしたちは自衛隊をイラクに送りません」をスローガンに、9・27ワールドピースパレードが行なわれ、東京・芝公園23号地に約二〇〇〇名が参加した。主催はワールドピースナウ実行委員会。
 この日は、イギリスの「ストップ・ザ・戦争」連合が、「イラクの占領を終わらせよう」「パレスチナに自由を」をスローガンに、アメリカの反戦共同行動ANSWERなどと共に呼びかけた世界一斉行動の日である。またこの日は、パレスチナ人民の第二次インティファーダ開始の三周年である。この日、ロンドン十万人を最大規模に、パリ、マドリードなどの都市を始め世界四十カ国でイラクとパレスチナの占領に反対する行動が行なわれた。
 芝公園を始め日本でもこの一環の行動が大阪、広島など各地で行なわれたが、当然にも日本では自衛隊のイラク派兵反対を前面に掲げた取り組みとなった。
 集会は最初に、アジア太平洋平和フォーラムから主催者挨拶、続いて八月にイラクに行ったばかりの日本国際ボランティアセンターの熊岡路矢さんの現地報告。
 メインは、米国の「声をあげる軍人家族の会」MFSOのスティーブン・クレグホーンさんからのアピールであった。彼は、米国がイラクで行なっていることに、またそれが日本に影響していることに「スミマセン」を繰り返しつつ、「日本の自衛隊がこの戦争に参加すれば、私たちの家族が狙われるのと同様に攻撃の対象となり、殺すか殺されるかしかなくなります。私たちは、イラクの米軍人の安全を支持しますが、イラクでの米軍人の任務に反対しています。米国とその他の外国軍はただちに撤退すべきです」と訴えた。
 クレグホーン氏の義理の息子も、バグダッドの第五師団にいるとのことだが、MFSOは昨年十一月に開戦反対の軍人家族会として始まり、現在は軍人家族八百人が参加しており、今年八月からは「今すぐ兵士を帰国させよう」をスローガンに撤退キャンペーンを開始したことで、世界的に注目されることとなった。
 またクレグホーン氏は二六日付けで小泉首相に手紙を提出、「日本の自衛隊がこの失敗した事業に手を貸すべきではないと申し上げます。国連を中心としたイラク再建を支援し、貴方の国の大切な若者たちをイラクに送れという米国からの要求を拒否して下さい」と小泉に訴えている。
 続いて、元自衛隊員の若者・鈴木雅也さんが「派兵は自衛隊員の人権否定だ」とアピールし、朝鮮半島・北東アジアの平和については在日コリアン青年連合のキム・ファデさん、イスラエルのパレスチナ占領反対については法政大の奈良本英祐さん、沖縄反基地については一坪反戦地主の島袋陽子さんがピース・ラリーを行なった。
 集会は最後に実行委の高田健さんが、十月十七日のブッシュ来日に抗議する集会(午後六時半、社会文化会館)への参加を訴えて終了し、ピースパレードに出発、新橋・銀座の人々へ「イラク派兵反対!」の輪を押し広げた。(東京A通信員)
 

イラク多国籍軍決議案
  アナン国連事務総長の二面性
   「国連中心主義」で派兵と闘えるのか

 米英のイラク占領が破綻を深める中、九月二十三日から国連総会が始まり、またブッシュ政権は九月三日にイラク多国籍軍を派兵する安全保障理事会決議案を提示し、十月二日には他の常任理事国と取引するために若干修正したものを提出した。
 米英のイラク侵略・占領を追認するこのかんの安保理決議を前提とし、米英だけでは手におえなくなったイラク人民の反占領闘争を諸国の多国籍軍で鎮圧しよう、そのためには国連を利用するというブッシュの身勝手極まりない決議案である。。ブッシュよ!単独行動主義を貫いて、一人で「かかってこい!」と言い続けてみよ。
 この決議案が成立したら、自衛隊のイラク派兵は多国籍軍の「後方支援」軍としても位置付けられ、小泉は、ブッシュの要求だけではなく国連の要求なのだとして派兵強行へのめりこんでいくだろう。この決議案を絶対に許してはならない。
 国連総会の一般演説では、アナン事務総長の演説が注目された。彼は、「こうした国は、先制攻撃の権利と義務を有し、行使できると考える。安保理の同意を待たずに、単独で行動したり、その場限りの連合を組んだりする権利を持つ、との主張だ。この論理は、世界の平和と安定を、完全とは言えないまでも五十八年間保ってきた国連憲章の原則に対する根本的な挑戦だ」と述べ、明らかに米ブッシュ政権を批判した。
 ところが、現在の日本の臨時国会で小泉は、アナン演説について「特定の国を名指しせず、一般原則をのべたもの」などと答弁している。世界から失笑を買うだけならまだよい。何が何でも日米同盟という政治路線からくるこのようなデタラメな首相によって、わが国は侵略国に引きずり込まれつつあるのだ。小泉が仕掛けた総選挙を、小泉の墓場とせよ!
 またアナン演説は同時に、「しかし単独行動主義だけを非難するだけでは十分でない。こうした国家を危険にさらす懸念に対し、集団的な行動を通じて対処できることを示さなければならない」とも述べている。つまり彼は、アメリカ帝国主義にも十分な配慮を示し、国連の枠組みを通じて帝国主義に反抗する連中を共同で鎮圧すればよいではないかと、ブッシュに進言しているのである。
 単独行動主義か、国連中心主義かという対立は、今日的には国際ブルジョアジーの世界人民に対する支配の仕方をめぐる対立であるに過ぎない。国連中心主義そのものは、帝国主義・覇権主義と被抑圧民族人民との、また資本のグローバリズムと世界労働者人民との激化する矛盾を何ら解決するものではないのである。
 アナンと共通する政治路線は、日本では民主党、日本共産党にも見られる。民主党は、小泉が進めようとしているイラク派兵には反対しているが、それは米国に国際法違反はないとする小泉政権の態度を前提とした派兵であるからであって、国連活動に自衛隊を派兵することは大賛成の党なのである。米国と他の常任理事国が手打ちをやってしまえば、民主党も派兵に反対できなくなってしまう。
 また日本共産党は、年内の党大会で決定しようとしている綱領全面改定案で、「国連憲章にもとづく平和の国際秩序」を綱領的目標として規定している。政策的にそれを語ることはありうるが、国連秩序について共産党としての階級的観点がゼロとなっている。これでは日本の派兵国家化に本当に対決することはできない。
 先進的な労働者は思想闘争を軽視することなく、自衛隊イラク派兵に広範に反対していこう。(W)

 
9・11東京中野
  『チョムスキーの9・11』のイベントに1800人

 二周年を迎えた9・11。東京・中野サンプラザにおいて「『チョムスキー9・11』を見て、いま私たちにできることを考える2222人イベントin中野サンプラザ」が行なわれ、千八百人が参加した。中野区民による実行委員会によるこのイベントは、映画『チョムスキー9・11』(監督ジャン・ユンカーマン)を中心にすえたものである。
 この映画は、昨年秋に上映されアメリカ知識人層の反戦反ブッシュの表層を描いたものとして大変な注目を浴びた。今回は最新インタビュー「チョムスキー イラク後の世界を語る」が加わり、チョムスキーが米帝ブッシュ政権とどのように向き合っているか、より鮮明となっている。
 上映後に行なわれたユンカーマン監督と小室等氏、中山千夏氏のトークは、監督の撮影現場での報告には大変興味深いものがあったが、トークそのものは饒舌のそしりは免れえないものであった。しかしこの日に、このようなイベントを企画した中野区民には敬意を表したい。(東京K通信員)