イラク派兵法案反対!7・20ピースパレード
  反戦運動の再上昇へ

 イラク派兵法案が国会で緊迫してくるなか、七月中下旬の東京では、諸団体による連日の国会行動、廃案を求める集会、街頭行動が相次いだ。
 しかし規模的には、今春のイラク攻撃反対の盛り上がりに比べると、はるかに下回る規模に止まった。これは何ゆえか、多くの人が考えている。確かに、イラク反戦で街頭に進出してきた若い人々も残ってはいるが、おおむねイラク反戦以前の規模に戻っている。とは言え大衆闘争に浮沈があるのは避けられない。イラク派兵阻止は、一定長丁場の闘いになりそうだ。簡単には、派兵部隊本体をイラクに送り出せない情勢があるからだ。運動の再上昇を計る時間はあるだろう。
 七月二十日、イラク派兵法案に反対する「7・20ピースパレード」が、渋谷に約六〇〇名を集めて行なわれた。主催は、六月に再出発宣言を出したワールド・ピース・ナウ実行委員会。
 宮下公園での集会では、韓国からのゲスト・金貴玉さん(平和をつくる女性のための韓国調査センター)が、「ベトナム戦争では韓国軍が派兵され、大きな傷跡を残した。アメリカの侵略に加担して、今回自衛隊がイラクへ行くことは同じ事にならないか」と指摘して派兵法案を批判、韓日の平和運動の連帯を強調した。
 また、六月にイラクで取材中、米軍に一時拘束されたジャーナリストの志葉玲さんは、「米兵が民衆への加害者であることは確かだが、私と二人だけになると、こんなこと俺はしたくないんだ、上の命令だからと言っていた。普通の人間が戦争で非人間化されてしまう。派兵させられようとしている自衛官も、犠牲者と言えるのでは。」と述べた。ジャミーラ高橋さん(アラブ・イスラーム協会)は、市民レベルでのイラク民衆支援運動への参加を呼びかけた。
 ピースパレードでは、「わたしたちは自衛隊をイラクに行かせません」の横断幕と、迷彩服を着て自衛隊員の格好に仮装した一団を先頭に、渋谷の街を一回りして派兵反対を訴えた。
 続いて七月二十二日、フォーラム平和・人権・環境と七市民団体は、「もう戦争はいらない!イラク新法にNO!7・22集会」を開き、社会文化会館に労働組合員など約九〇〇名が参加した。
 ピースデポ副代表の田巻一彦さんが、反戦平和運動の今後の取り組みについてメインの提起を行ない、北東アジア非核化構想を推進することと、労働者による戦争協力の「業務従事命令」拒否の運動を強調した。
 この集会では、十八日に辻元清美前衆院議員の逮捕があり、社民党・福島瑞穂幹事長の挨拶に関心が集まるという面もあったが、辻元問題で、社民党のイラク派兵反対が影響を受けるようなことはあってはならないことだ。権力側の政治的思惑も見え隠れしているが、社民党も正すべき所は正しつつ、社民党とその支持者には、派兵阻止の闘いに一層奮起してもらいたいものだ。(東京A通信員)

静岡空港
 8・24に「空港はいらない県民大集会」
  許すな強制土地収用

 着手後十年にもなりながら目途さえ立たない「静岡空港」建設で、石川嘉延静岡県知事は、〇六開港予定の時間的制約と国土交通省の事業再評価にせまられて、今年の四月、「土地収用」手続き開始を宣言した。
 そもそも静岡空港は、新幹線・東名高速で東京・名古屋に一時間という地域で、採算ぎりぎりの算定もできない地方空港建設計画である。設置許可にあたり、知事自らが「県の責任において全用地を取得する」旨の「確認書」を提出して許可された特異的条件の空港建設である。
 県民住民投票提案が県知事選の争点になる世論を分けた状況の中、空港本体で五%、買収予定地全体で十五%も未買収のまま、工事だけが強行されてきた。地元反対住民のほか四百名近い共有地権者と六百名におよぶ立木トラスト運動も堅持されている。
 昨年十一月「反空港全国連絡会」の集会が、静岡で全国二百名を集め成功裏に行なわれた。地方空港建設の無謀さは全国各地で暴露され、計画中止も続出している。その中で県知事の「土地収用」宣言である。地元住民は、来たる八月二四日・午後二時より静岡市常磐公園にて「空港はいらない県民大集会」を呼びかけている。
 反空港全国連は静岡と連動しつつ、十一月八〜九日、羽田、三里塚を結び「全国交流会」を呼びかけている。
 共有者への恫喝や強行な計画が進む石垣島白保新空港、そして「土地収用」宣言の静岡空港など、軍事空港化・自然破壊・利権公共事業の地方空港建設を中止に追い込もう。(S)

7・16大阪集会
 在日米国人、フィリピンからも参加
  イラク派兵阻止へ

七月十六日、午後六時半より大阪市北区・中之島剣先公園にて、「しないさせない 戦争協力関西ネットワーク」主催の、イラク派兵法案反対集会が約四〇〇名の参加者で開かれた。
集会には、三〇〇日に近い野営闘争を継続する釜ケ崎反失業連絡会から約八十名の労働者が参加し、関西生コン支部、全港湾などの組合の他、関西共同行動などの市民団体が参加した。
 集会では、主催者より中北龍太郎さんがあいさつを行ない、「自衛隊を戦地に派遣する小泉政権は許せない。力で世界を制覇しようとする米国のやり方には未来はない、力をあわせて日米両政府を倒そう」と呼びかけた。
 組合から全港湾の加来平八郎さんがあいさつを行なった後、在日米国人のデビッド・ローレンスさんが「いまの米国ではネオナチともみえる新しいマッカーシズムの勢いの恐怖がある。石油を目的としたイラク介入・占領はベトナムと同じ泥沼状態に向かうだろう。」とのべた。
 つづいて、関西共同行動の原田恵子さんが「今日本は戦争のできる国に向かっている、一人でも多くの人が声を上げていこう」と訴え、フィリピンより来日中のマリー・ルーさんがWTO反対の立場から闘いをアピールした。おおさかユニオン・ネットワークの馬場徳夫さんが、「派兵に加担しない状況をつくっていこう」とまとめを行なった。
 参加者は、大阪梅田の中郵までデモを行なった。 (関西NO通信員)


荒川区で定着する在日民衆との交流
  8・31統一マダン東京へ

今年で十回目を迎える8・31「統一マダン東京」(午後五時〜、旧真土小学校)のプレ企画Part1として七月三十一日、東京・町屋文化センターにおいて講演集会がもたれた。 在日朝鮮人・韓国人密集地域である荒川区において続けられてきた「統一マダン東京」の開催意義は、地域住民と一体となったお祭りの定期的な開催により、統一運動、平和運動の推進・定着が地域に根づきつつあること。ここには、昨年の九・一七日朝ピョンヤン宣言以降の、反北右翼分子やマスコミによる反共和国キャンペーンに対抗しうる、住民・市民運動、労働組合運動の地域的な団結形成に大きく前進する要素がはらまれている。
 集会は「米軍による韓国女子中学生れき殺事件」の記録ビデオの上映からはじまり、主催者を代表して統一マダン実行委員会に参加する部落解放同盟荒川支部から開会挨拶がおこなわれた。
 講演は、外務省出身で明治学院大学教授の浅井基文さんから、「朝鮮半島情勢と有事法制」という時節と統一マダンに適った内容でおこなわれた。有事法制の制定策動過程が、歴史的にも朝鮮半島情勢すなわち九四年の「核疑惑」に端を発する、朝鮮民主主義人民共和国と日米帝国主義との関係を最大限利用するかたちでおこなわれたこと。それゆえに、不十分とはいえ日朝ピョンヤン宣言の完全履行による国交正常化が、北東アジアの平和にとって不可欠の課題となっていることが語られた。浅井さんの講演は、簡潔明瞭で、集会に参加した市民、労働者からの質疑においても情勢解明の糸口がわかったとの声も上がった。
 今回の統一マダンからは、荒川区の労働組合の協議会も正式参加し、地域からの日韓・日朝連帯運動の前進にとって意義のあるものとなっている。(東京Ku通信員)