編集部だより

★ 七月二八日で閉会した今国会は、有事法案がついに成立させられ、さて今後のたたかいをどうするかという間もなく、会期延長でイラク派兵法案も強行採決されてしまうという超ひどい国会であった。そして、それ以外の対決法案でも心神喪失者医療観察法案、国立大学法人化法案なども成立させられてしまった。
★ 国立大学法人化法の成立によって、民間資本の導入で短期的に「成果」が上がりやすい部署が評価され、カネもうけにならない部署は切り捨てられることが危惧されている。その方向で文部科学省の予算配分権の行使と、大学当局の判断が為されるようになるからだ。
★ 埼玉大学に「共生社会研究センター」という所がある。そこに、昨年閉館した住民図書館のミニコミ資料が委譲されていて、現在はこのセンターが資料を収集し、住民図書館時代と同名の『プリズム』も発行している。本紙も、ここに収めさせてもらっている。
★ それで最近、住民図書館館長をしておられた丸山尚さんから、共生社会研究センターがこの役割を果たし続けるよう、埼玉大学長に要請する署名依頼がぼくたちにも来た。それで、当社も署名に参加した。国立大学法人化で、「資料の行く末も楽観できない」とのことである。
★ 目先の採算性というものが、結局は文化・文明を滅ぼしつつある。そろそろ、こういう時代は終わらせるべきだろう。(若杉)