東京6・10
 有事法成立許さず陸海空・港湾など五千人
   整備・発動阻止の闘い始まる

 六月六日の参議院本会議での有事法案の採決強行・成立によって、陸海空・港湾二十労組などの呼びかけによって六月十日に設定されていた有事法制阻止集会は、成立に抗議するとともに、今後の対処法制の整備と有事法発動を許さない闘いのための新たな出発点の集会となった。
 この「戦争協力はゼッタイお断り!STOP!有事法制6・10集会」は、翼賛国会での有事法案の急速な成立という事態にもめげることなく、東京・日比谷野外音楽堂を満杯にする五千人が怒りに燃えて結集し、今後の有事体制具体化を阻止するたたかいの展望を感じさせるものであった。
 集会では、平和をつくり出す宗教者ネットの石川さんが開会挨拶、国会議員からは社民党・福島瑞穂参院議員、日本共産党・穀田恵二衆院議員、沖縄社会大衆党・島袋宗康参院議員が発言。福島議員は、基本的人権の尊重を入れただけで賛成した民主党を厳しく批判しつつ、今後の課題として有事法の発動、国民総動員法(国民保護法制)と米軍支援法、イラク特別措置法と自衛隊イラク派兵、これらの阻止を訴えた。
 各団体からは、全日本海員組合、全建総連、全日赤、新聞労連の労働者が、市民団体からはピースアクション21、ピースボートのなかまが発言した。
 最後に航空安全会議の大野則行議長が、防衛施設庁が航空三社に米国の軍事輸送資格を取るよう指示していることを明らかにし、これら労働者を戦争に組みこむ具体的動きを拒否していこうと訴えた。
 集会決議は、「私たちのたたかいは、有事法制の発動を許さない、戦争をするためのさらなる法整備を許さない、そして戦争への協力を断じて拒否するという、いっそう重要な段階に入りつつあります。」として圧倒的拍手で確認された。
 全国港湾の仲間の音頭でシュプレヒコールを轟かせ、デモ行進は国会方面と銀座方面の二コースで貫徹された。
 周辺事態法反対の時から言えば四年越しになる、この陸海空・港湾二十労組を軸とした広範な共同行動は、中央労働団体・党派を越えた共闘の場としても、また戦争動員を拒否する関係労働者が共闘の中心であるという意味からも、ますます重要になってきている。そして法制整備を阻止するとともに、労働組合が有事体制をくいやぶっていく具体的な闘争方針が必要になってきているとおもわれる。

6・12
  平和フォーラム、市民団体も
   有事法制を紙くずに!

 また、日教組、自治労など旧総評系の主要労組は、六月十二日、同野音での「もう戦争はいらない!有事法制を紙くずに!6・12集会」(主催は平和フォーラムと七市民団体による実行委員会。約二千五百人)に結集し、今後の戦争体制阻止の闘いを誓い合った。この集会には、二十労組の中心団体とも言える航空労組連絡会議からアピールが行なわれ、また在日韓国人牧師の李仁夏さんが北朝鮮脅威キャンペーンに反論、最も問われるべきは米・日の脅威と訴えた。
 陸海空・港湾二十労組、日教組・自治労などの労働組合、このかんのイラク反戦運動を推進してきた市民団体、これらは連携し、独自に、あるいは重なり合ったりしながら、有事法制との闘いを一層発展させていくだろう。(東京W通信員)