6・13日雇全協中央行動 「基本方針」へ迫る
 具体的就労対策を出せ

 六月十三日、日雇全協呼びかけによる全国実行委員会によって、「就労対策を軸とした自立支援、セーフティーネットを今すぐ造れ!」の行動がたたかい抜かれた。
 これは、五月二十二日の要求書提出を受け、政府の「基本方針」が現状施策を踏襲するだけの内容のなるのを許さず、抜本的な改革と新規施策を求めたものであり、野宿労働者にとって一歩も譲ることのできない内容だ。
 三時に日比谷公園に全国から結集した仲間は、「@新たな緊急特別就労事業の創設、A既存施策運用による野宿者就労の促進、B自立支援センター以外の就労ルートの確保、拡大」の三点の内容からなる再度の要求書を厚生労働省、国土交通省につきつけ、霞ヶ関一帯のデモを貫徹した。
 夜六時からは、文京区民センターに会場を移し、昼間の行動を上回る全国結集で集会をたたかい取った。
 新宿連絡会の本田さん、神戸の冬を支える会の青木さんの司会で始まった集会では、来賓の自治労本部の寺内さんから、この間の自治労の取り組みの報告がなされ、つづいて静岡の笹沼さんと釜ヶ崎の山田さんから午前中の交渉の報告が行われた。
 笹沼さんからは、昼間の議員訪問の際、与党三党のプロジェクトチームから「厚生労働省の『案』は抽象的であり、具体化に向けて(我々の取り組みを)注目している」との発言を引き出したとの報告があった。
 山田さんからは、「@仕事要求が軸であること、それも行政にまかせっきりでは野宿労働者の切捨てになる。A第二失対はしない、不安定雇用の助長・滞留になる、という十年前からの行政の姿勢はこの間の交渉でも変わっていない。B現存の自立センター等では、せいぜい一割程度しかフォローできない。二万五千人といわれている野宿労働者を一年で五千人くらいにするような具体的な就労対策の我々からの提案が必要である。C国を動かすにはまだまだ力量不足である。われわれの側の構想と仕組みづくりが求められている」との発言があった。
 つづいて北海道、京都からのアピールを山谷の仲間が代読した後、新宿連絡会の仲間が、「この間、自立支援センターを具体的に変えてきたことを踏まえ、具体的な取り組みを強める」との発言。神戸の冬を支える会からが、「震災被災者対策としてなされた月一〇日・一日五千円の淡路島花博のビラまき(昨年三月で打ち切り)のような具体的就労対策をもとめていきたい」と発言。釜ヶ崎反失連の仲間が、「野営闘争を昨年九月末から継続して闘い抜いている。行政は、この間の交渉で就労対策、屋根の必要性を認めつつも、具体的方針を示さない。それだけでなく行政は、野営陣地の排除を企んでいる。しかし、それは無駄なことであり、われわれの闘いを潰すことはできない」と発言した。
 さらに、神奈川全県パトロールの仲間から、神奈川各地での取り組みの報告を、笹島の就労保障獲得実行委(準)の仲間からは、「公的就労を求める署名運動に取り組んでいる」との報告を受けた。最後に、日雇全協・山谷争議団の仲間が発言して集会を締めくくった。
 全国の仲間の皆さん!
 行政の現状施策の踏襲を打ち破り、@新たな緊急特別就労基金事業の創設、A既存施策運用による野宿者就労の促進、B自立支援センター以外の就労ルートの確保・拡大をたたかいとっていこう。我々の側も、旧来のたたかいの延長ではなく、新たな質を持ったたたかいを本腰を入れて準備しなければならない。
 「どうせ緊急特別就労基金などムリ」という考えは、結局行政の施策の焼き直しを許し、野宿労働者の排除−切捨てを許してしまうことに他ならない。いまこそ抜本的な改革と新規施策を求めて、具体的な取り組みとそのための仲間との仕組みづくりが求められているのだ。
山谷争議団の仲間も、「労働者協同組合の議論が始まった」と報告している。私は、この提案を歓迎すると共に、これが単なる議論に終わることなく、この間の各地の具体的実践、取り組みを踏まえたものとして、より実践的、具体的に全国制と全労働者性をもったものとして議論されていくことを願っている。(東京S通信員)