編集だより

★ 熊本五郎(田中年広)同志に続いて、藤井利明同志が逝ってしまった。藤井同志は、長い闘病生活の末、癌との壮絶な闘いを経てのことであるので、我々も覚悟のことではあった。しかし熊本同志が逝ってひと月程度しかたたないうちに、運動のそして心の空白が埋まらない中での藤井同志の訃報は、ショックが隠せない。
★ 藤井同志の訃報は、あの産経新聞にすら「労働者の味方 逝く」と大きく取り上げられた(六月二七日・夕刊)。釜ヶ崎の労働者の中で常に先頭に立って闘う姿は、多くの労働者に共感と感銘を与え続けた。本人にとっても無念であったろうし、我々にもかけがえのない同志を失った無念さが残る。
★ 両同志が亡くなるなか、政治情勢は急速にひどくなってきた。米英帝国主義などによるイラク占領が続く中、日本でも小泉政権がそれに加わろうと、イラク派兵の特措法が強行成立させられそうな情勢になっており、まさに自衛隊の直接参戦が行なわれようとしている。しかし戦争勢力の矢継ぎ早の攻撃に、反対運動は立ち遅れている。
★ このかん、世界中でのイラク反戦のなか日本におけるそれは、欧米よりも一桁少ないことへの憂慮が叫ばれてもきた。韓国とヨーロッパにおける反戦闘争は、市民と労働組合が一体となって実現したものであった。この日本では、労働組合の体制の補完物となる事態の進行が語られて久しい。労働組合運動の根本的な(革命的な)転換が今こそ問われる時ではないだろうか。(日下部)